トイレや浴室の手すりは、建て替え時に「下地」だけ入れておくべきですか?
Q
68歳です。建て替えを計画していますが、今は手すりが必要ありません。住宅会社から「今のうちに壁の中へ下地だけ入れておきましょう」と提案されました。本当に必要なのでしょうか?後から取り付けても同じではありませんか?
結論
シニア世代の建て替えでは、手すりを付けなくても「下地補強」だけは必ず入れておくことをおすすめします。
その理由は、
- 将来必要になった時にすぐ取り付けられる
- 壁を壊す大掛かりな工事が不要
- 費用を大幅に抑えられる
- 手すりを安全・確実に固定できる
からです。
建築時なら数万円程度で対応できることが多いですが、後から壁を開いて補強すると、工事費が大きく増えることがあります。
「下地」とは?
下地とは、
壁の中に入れる
合板や補強材
のことです。
通常の石こうボードだけでは、
手すりをしっかり固定できません。
そのため、
将来、
手すりを設置する場所へ、
あらかじめ補強材を入れておきます。
後からでは遅い理由
例えば、
80歳になって、
転倒しそうになり、
手すりが必要になった場合、
下地が入っていないと、
- 壁を壊す
- 補強する
- 壁紙を貼り替える
という工事が必要になることがあります。
一方、
下地が入っていれば、
手すりを取り付けるだけで済むことが多く、
工事時間も短くなります。
下地を入れる場所
おすすめは、
次の場所です。
トイレ
- 便器横
- 正面
- 出入口付近
浴室
- 浴槽横
- 洗い場
- 出入口
玄関
- ベンチ横
- 上がり框(かまち)横
廊下
- 曲がり角
- 長い廊下
寝室
- ベッド横
- 出入口
これらは、
将来手すりを設置する可能性が高い場所です。
手すりの高さ
一般的には、
75〜85cm程度
が握りやすい高さです。
ただし、
身長や身体状況によって適切な高さは異なります。
そのため、
建築時には下地だけ入れ、
手すりは必要になった時に最適な位置へ設置する方法がおすすめです。
介護保険も利用できる
将来、
要介護認定を受けた場合は、
介護保険制度による住宅改修として、
手すり設置費用の一部が支給対象となる場合があります。
ただし、
壁の下地補強までは対象外になるケースもあります。
そのため、
下地だけは新築時に準備しておく方が経済的です。
バリアフリー設計も一緒に
手すりだけではなく、
- 段差5mm以下
- 廊下有効幅90cm程度
- 出入口有効幅80cm程度
- 引き戸中心の設計
も組み合わせることで、
より安全な住まいになります。
高性能住宅と組み合わせる
転倒予防には、
暖かい住宅も重要です。
おすすめは、
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル・UA値0.46以下が目安)
- 気密測定によるC値1.0以下(できれば0.7以下)
- 第一種換気(熱交換型)
暖かい脱衣所やトイレは、
ヒートショック対策にもなります。
さらに、
耐震等級3(許容応力度計算)
も重要です。
法律・制度の根拠
住宅のバリアフリー設計については、
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)
および、
国土交通省「住宅設計標準」
が参考になります。
また、
介護保険制度では、
一定の条件を満たす住宅改修として、
手すり設置工事が支給対象となる場合があります。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県でシニア世代の建て替えをされるお客様には、
私たちは、
「手すりは付けなくても、下地だけは必ず入れましょう」
とお話ししています。
なぜなら、
今は不要でも、
10年後、
20年後には必要になる可能性が高いからです。
おすすめは、
- トイレ
- 浴室
- 寝室
- 玄関
- 廊下
すべてへ下地を入れておくことです。
さらに、
- 耐震等級3
- 断熱等性能等級6
- 高気密住宅(C値0.7以下を目標)
を組み合わせることで、
将来まで安心して暮らせる住まいになります。
手すりは後からでも取り付けられます。
しかし、壁の中の下地は、建て替えの時しか簡単には入れられません。
だからこそ、**「今は使わないけれど、将来のために準備しておく」**ことが、後悔しない建て替えにつながります。










