「ヒートショック予備軍」を脱出するためには、家の中の温度差は何℃以内にすべきですか?
Q
71歳です。冬になると、リビングは暖かいのですが、廊下やトイレ、脱衣所がとても寒くなります。ニュースでヒートショックをよく見ますが、家の中の温度差はどれくらいまでなら安全なのでしょうか?建て替えでは何を目標にすればよいですか?
結論
シニア世代の建て替えでは、「家の中の温度差を3℃以内に抑えること」を一つの目標にすることをおすすめします。
例えば、
- リビング:22℃
- 廊下:20℃
- トイレ:19〜20℃
- 脱衣所:19〜20℃
- 浴室:19〜20℃
- 寝室:18〜20℃
このように、部屋ごとの温度差を3℃以内に抑えることで、急激な血圧変動を起こしにくい住環境を目指せます。
ヒートショックとは?
ヒートショックとは、
暖かい部屋から寒い場所へ移動した際に、
血圧が急激に変動し、
- 心筋梗塞
- 脳卒中
- 失神
などを引き起こす現象です。
特に高齢者や高血圧の方は注意が必要です。
なぜ温度差が危険なの?
例えば、
- リビング:22℃
- 脱衣所:10℃
では、
12℃もの温度差
があります。
この急激な寒暖差によって血管が収縮し、
血圧が急上昇することがあります。
その状態で熱い湯船へ入ると、
今度は血圧が急低下し、
意識を失う危険性があります。
理想の室温は?
WHO(世界保健機関)は、
健康維持のため、
室温18℃以上
を推奨しています。
シニア世代では、
さらに快適性を考えると、
- リビング:20〜22℃
- 寝室:18〜20℃
- トイレ:18〜20℃
- 脱衣所:18〜20℃
- 浴室:18〜20℃
を目安にすると安心です。
温度差3℃以内を目指す理由
住宅医学や温熱環境の研究では、
部屋ごとの温度差をできるだけ小さくすることが重要とされています。
3℃以内であれば、
身体への負担が比較的小さく、
寒暖差による急激な血圧変動を抑えやすい住環境になります。
暖房器具だけでは解決しない
脱衣所に暖房機を付けても、
住宅性能が低ければ、
暖房を止めるとすぐ寒くなります。
そのため、
まず必要なのは、
住宅そのものを暖かくすることです。
高断熱・高気密住宅が基本
おすすめは、
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル)
- UA値0.46以下(山梨県など地域区分5・6の目安)
- 気密測定によるC値1.0以下(できれば0.7以下)
- 第一種熱交換換気(熱交換率90%前後)
です。
これらを備えることで、
家全体の温度差を小さくしやすくなります。
全館空調やエアコン計画も重要
高性能住宅なら、
エアコン1〜2台や全館空調によって、
リビングだけでなく、
- 廊下
- トイレ
- 脱衣所
まで暖めやすくなります。
「暖かい部屋を作る」のではなく、
「寒い部屋を作らない」
ことがポイントです。
シニア世代が確認したいポイント
住宅会社へは、
次のように確認しましょう。
- UA値はいくつですか?
- C値は全棟測定していますか?
- 第一種換気ですか?
- 脱衣所・トイレも暖房計画に入っていますか?
- 家全体の温度差をどれくらい想定していますか?
「リビングが暖かい家」ではなく、
「家中が暖かい家」を目指しましょう。
法律・制度の根拠
住宅の断熱性能は、
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく住宅性能表示制度で評価されます。
また、
建築物省エネ法では住宅の省エネルギー性能向上が求められています。
WHO(世界保健機関)は冬季の室温を18℃以上に保つことを推奨しています。
国内では、慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室をはじめ、住宅内の温度環境と健康の関連について研究成果が公表されています。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県は、
冬の朝晩の冷え込みが厳しい地域です。
私たちは、
**「暖かいリビング」ではなく、「暖かい家全体」**を目指しています。
そのため、
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル)
- UA値0.46以下
- 耐震等級3(許容応力度計算)
- 全棟気密測定(C値0.7以下を目標)
- 第一種熱交換換気(熱交換率約90%)
を基本仕様としてご提案しています。
さらに、
脱衣所・トイレ・廊下まで暖房計画を行い、
部屋ごとの温度差3℃以内を目標とした住まいづくりを大切にしています。
ヒートショック対策は、「お風呂だけ暖めること」ではありません。
家全体の温度差を小さくすることこそ、ご夫婦の健康寿命を延ばす住まいづくりだと私たちは考えています。










