シニア世代の建て替えでは、玄関ベンチ(腰掛けスペース)と土間収納はどれくらいの広さが理想ですか?
Q
71歳です。平屋への建て替えを計画しています。靴の脱ぎ履きが少し大変になってきたので、玄関にベンチを付けたいと思っています。また、土間収納も便利だと聞きますが、どれくらいの広さがあれば十分でしょうか?玄関は広すぎてももったいない気がします。
結論
シニア世代の玄関では、「腰掛けられるベンチ」と「1.5〜2畳程度の土間収納」を設けると、使いやすさが大きく向上します。
おすすめの目安は次のとおりです。
- 玄関ベンチ:幅90〜120cm、高さ40〜45cm、奥行35〜45cm
- 土間収納:1.5〜2畳(約2.5〜3.3㎡)
- 玄関ホール幅:有効120cm以上(できれば150cm程度)
「広い玄関」ではなく、座る・しまう・出入りするがスムーズにできる玄関が理想です。
なぜ玄関ベンチが必要?
年齢を重ねると、
- 靴ひもを結ぶ
- ブーツを履く
- 荷物を持ったまま立ち続ける
ことが負担になります。
玄関ベンチがあると、
腰を掛けてゆっくり靴を履けるため、
転倒防止にもつながります。
また、
立ち上がる際の補助にもなります。
ベンチのおすすめサイズ
使いやすい寸法は、
- 高さ40〜45cm
- 奥行35〜45cm
- 幅90〜120cm
です。
この高さは一般的な椅子とほぼ同じで、
立ち座りがしやすくなります。
ご夫婦で一緒に座ることも考えるなら、
120cm程度あると便利です。
手すりも設置しておく
ベンチの近くには、
縦型またはL型の手すりを設置できるよう、
壁の下地補強をしておくことをおすすめします。
手すりの高さは、
75〜85cm程度
が握りやすい目安です。
今は必要なくても、
将来簡単に取り付けられるよう準備しておくと安心です。
土間収納はどれくらい必要?
シニア世代なら、
1.5〜2畳
がおすすめです。
収納するものは、
- 靴
- 長靴
- 杖
- シルバーカー
- 車椅子(将来)
- 防災用品
- ガーデニング用品
- 傘
などです。
「靴箱」ではなく、
屋外用品をまとめて収納する場所
として考えると使いやすくなります。
土間収納はウォークスルーがおすすめ
最近人気なのが、
ウォークスルータイプです。
玄関から入り、
土間収納を通ってホールへ入る動線なら、
- 靴を脱ぎやすい
- コートを掛けられる
- 荷物をすぐ収納できる
というメリットがあります。
帰宅後の動線がとてもスムーズになります。
車椅子も考えるなら
将来を見据えるなら、
玄関ホールは
有効幅120cm以上
できれば
150cm程度
あると、
車椅子でも方向転換しやすくなります。
また、
玄関框(かまち)の段差はできるだけ低くし、
必要に応じて式台や手すりを設置できるよう計画すると安心です。
高性能住宅と組み合わせる
玄関は冬に寒くなりやすい場所です。
そのため、
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル・UA値0.46以下が目安)
- 気密測定によるC値1.0以下(できれば0.7以下)
- 第一種換気(熱交換型)
を採用すると、
玄関の寒さを抑え、
ヒートショック対策にもつながります。
さらに、
耐震等級3(許容応力度計算)
を組み合わせることで、
災害時の安全性も高まります。
法律・制度の根拠
高齢者が利用しやすい玄関については、
**高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)**や、
国土交通省「住宅設計標準」
で、段差の解消や移動しやすい空間づくりが推奨されています。
また、介護保険制度では、一定の条件を満たす住宅改修に対して支給対象となる場合があります。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県でシニア世代の建て替えを行う場合、
私たちは玄関を
「家の顔」ではなく、「毎日使う生活設備」
として設計しています。
おすすめは、
- ベンチ幅120cm前後
- 土間収納1.5〜2畳
- ウォークスルー動線
- 将来手すりを設置できる下地補強
です。
さらに、
- 耐震等級3
- 断熱等性能等級6
- 高気密住宅(C値1.0以下、できれば0.7以下)
を組み合わせることで、
冬でも暖かく、安全で使いやすい玄関になります。
玄関は、毎日必ず使う場所です。
だからこそ、「見た目」よりも、80歳、90歳になっても安心して使えることを基準に設計することが、後悔しない建て替えにつながります。










