Q. 家を買うベストな年齢は?
A. 年齢だけでいえば30〜35歳前後が有利ですが、本当の買い時は「家族計画と返済計画が固まったとき」です。
30歳で35年ローンを組めば、完済は65歳です。
35歳なら70歳、40歳なら75歳、45歳なら80歳になります。
そのため、70歳前後までの完済を目指すなら、30〜35歳前後は住宅ローンを組みやすい年齢です。
ただし、若ければ必ず買うべきという意味ではありません。
次の条件が整っていなければ、年齢に関係なく買い時ではありません。
- 家族構成の見通しがある
- 転職や転勤の可能性を確認している
- 教育費を積み立てられる
- 建築後も現金を残せる
- 収入減少時も返済できる
- 70歳前後までの完済を目指せる
住宅購入者の平均年齢は参考程度に考える
住宅金融支援機構の2025年度【フラット35】利用者調査では、利用者全体の平均年齢は43.3歳でした。
一方、30歳代以下の利用割合は45.1%です。
この調査には注文住宅、建売住宅、マンション、中古住宅など、さまざまな取得方法や世帯が含まれています。住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」
平均年齢が43.3歳だから、43歳が理想という意味ではありません。
平均は他人が買った年齢です。
自分の買い時は、収入、子どもの年齢、貯金、完済年齢から判断する必要があります。
年齢別の住宅ローン完済年齢
| 購入年齢 | 35年返済 | 40年返済 | 50年返済 |
|---|---|---|---|
| 25歳 | 60歳 | 65歳 | 75歳 |
| 30歳 | 65歳 | 70歳 | 80歳 |
| 35歳 | 70歳 | 75歳 | 85歳 |
| 40歳 | 75歳 | 80歳 | 90歳 |
| 45歳 | 80歳 | 85歳 | 95歳 |
| 50歳 | 85歳 | 90歳 | 100歳 |
毎月返済額を下げるために返済期間を延ばすと、完済年齢は大きく遅れます。
35歳で50年ローンを組めば、計算上の完済は85歳です。
「月々払えるか」だけでなく、「何歳まで払うのか」を確認する必要があります。
20代で家を買うメリット
完済年齢を早くできる
25歳で35年ローンを組めば、完済は60歳です。
定年前に完済できれば、老後の住居費負担を抑えやすくなります。
長い返済期間を確保できる
同じ借入額でも返済期間を長く取れるため、毎月返済額を調整しやすくなります。
ただし、長期ローンにして借入額を増やすためではなく、家計に余裕を残すために利用するべきです。
早く住環境を整えられる
子どもが生まれる前後に家を建てれば、子育て期間の大部分を新しい住宅で過ごせます。
高断熱・高気密、耐震性能、家事動線などの恩恵を長く受けられます。
20代で家を買う注意点
20代は、将来がまだ固まっていない可能性があります。
- 転職
- 転勤
- 結婚
- 出産
- 子どもの人数
- 親との同居
- 希望する地域の変化
- 収入の変化
夫婦二人にちょうどよい家が、子ども二人の家庭には狭くなることもあります。
反対に、大きな家を建てた後、予定していた家族構成と変わる可能性もあります。
若いことだけを理由に急ぐのではなく、少なくとも5〜10年後の生活を想定してください。
30代で家を買うメリット
30代は、住宅購入と住宅ローン返済のバランスを取りやすい年代です。
- 仕事と収入が安定し始める
- 家族構成が見えやすくなる
- 希望する学区や地域を決めやすい
- 35年ローンでも65〜74歳前後に完済できる
- 住宅の使用期間を長く確保できる
特に30〜35歳前後なら、35年返済で70歳までの完済を目指しやすくなります。
ただし、子どもが小さい時期は、現在の教育費が少なく、家計に余裕があるように見えます。
その余裕を住宅ローンへ全部使ってはいけません。
大学進学時の教育費まで計算して、住宅予算を決める必要があります。
40代で家を買うメリット
40代は、若い世代より将来の見通しを立てやすい傾向があります。
- 収入の見通しが立ちやすい
- 子どもの人数が確定している
- 必要な部屋数を判断しやすい
- 貯金や自己資金が増えている
- 建て替えや相続の方向性を決めやすい
不要な部屋や過剰な広さを避け、実際の暮らしに合った住宅を選びやすい年代です。
一方で、教育費のピークと住宅ローン返済が重なりやすくなります。
40歳で35年ローンを組めば完済は75歳です。
退職時のローン残高と、教育費を支払った後の老後資金を必ず確認してください。
50代で家を買う場合
50代でも、家を買ってはいけないわけではありません。
子どもが独立し、夫婦二人に必要な広さが分かるため、コンパクトな平屋や建て替えを選びやすくなります。
ただし、50代では「借りられるか」より「老後も返せるか」が重要です。
確認すべき数字は次のとおりです。
- 退職までの年数
- 退職時のローン残高
- 年金受給額
- 退職金を使わない場合の資産
- 住宅完成後の手元資金
- 住宅修繕・介護費用
- 配偶者一人になった場合の収支
- 90歳時点の資産残高
50歳で35年ローンを組めば、完済は85歳です。
審査に通ったとしても、35年かけて返すことが正解とは限りません。
建築総額を抑え、返済期間を短くし、70歳前後の完済を目指せるか確認します。
早く買う最大のメリットは家賃ではない
「家賃がもったいないから早く買う」という考え方があります。
確かに、住宅購入が遅くなれば、その間の家賃支払いは続きます。
しかし、家賃を払うことがすべて無駄なわけではありません。
賃貸期間中には、次の価値があります。
- 転勤や転職へ対応できる
- 家族構成が固まるまで待てる
- 頭金や生活防衛資金を貯められる
- 土地や住宅会社を比較できる
- 高すぎる住宅を急いで契約せずに済む
家賃を惜しんで予算を超えた家を買えば、節約した家賃以上の利息や追加費用を支払う可能性があります。
早く買う最大のメリットは、家賃を止めることより、早い年齢から返済を始め、完済年齢を早められることです。
遅く買うメリットもある
住宅購入を遅らせることにもメリットがあります。
- 家族構成を正確に反映できる
- 自己資金を増やせる
- 収入の安定を確認できる
- 転勤や転職の可能性が下がる
- 小さな家で足りる可能性がある
ただし、自己資金を貯めている間に、家賃の支払いが続きます。
住宅価格、建築費、金利が上昇する可能性もあります。
「もっと貯金が増えたら」と待ち続け、購入年齢だけが上がることも避ける必要があります。
頭金が貯まるまで待つべき?
頭金が多ければ、借入額と毎月返済額を減らせます。
しかし、頭金を貯めるために購入を10年遅らせれば、完済年齢も10年遅くなる可能性があります。
例えば、30歳から40歳まで毎月5万円を貯めれば、単純計算で600万円です。
一方、家賃8万円を10年間払えば960万円です。
ただし、この比較だけで「今すぐ買う方が得」とは判断できません。
住宅購入後には、固定資産税、保険、修繕費、住宅ローン利息が発生します。
大切なのは、頭金の金額だけでなく、購入を待つ間の家賃、完済年齢、建築後の現金をまとめて比較することです。
子どもの年齢から買い時を考える
子育て世帯では、親の年齢だけでなく子どもの年齢も重要です。
小学校入学前
学区を決めやすく、転校を避けられるため、住宅購入を検討しやすい時期です。
ただし、家族構成がまだ変わる可能性があります。
小学生
必要な部屋数や生活動線が見えやすくなります。
一方、大学進学までの準備期間は短くなり始めます。
中学生以降
家族構成と進学希望が明確になります。
ただし、教育費のピークが近く、頭金へ現金を使いすぎると進学費用が不足します。
「子どもが小学校に入るまで」という期限だけで急いで契約せず、教育費と住宅総額を同時に確認してください。
ベストな買い時を判断する7つの条件
次の7項目が整ったときが、その家庭の買い時です。
1. 5〜10年後の家族構成を想定できる
子どもの人数、親との同居、必要な部屋数を検討できている状態です。
2. 住む地域を長期的に決められる
通勤、通学、実家、医療、買い物、車を運転できなくなった後まで確認します。
3. 建築後も現金が残る
頭金、諸費用、家具・家電を支払った後も、生活費6か月分以上を一つの目安として残します。
4. 教育費を積み立てられる
住宅ローン返済後も、子ども一人ずつの教育資金を準備できることが必要です。
5. 収入が減っても返済できる
共働き収入を限界まで使わず、片方の収入が減った条件でも試算します。
6. 金利上昇へ対応できる
変動金利の場合は、金利2%、3%になった返済額も確認します。
7. 70歳前後の完済を目指せる
35年、40年という返済期間ではなく、完済時の年齢から逆算します。
年齢だけで買ってはいけないケース
次の状態なら、年齢が若くても急いで買うべきではありません。
- 転職や転勤の可能性が高い
- 夫婦の家族計画が決まっていない
- カーローンやリボ払いがある
- 入居後の預金がほぼゼロになる
- 毎月の家計がすでに赤字
- 教育費の積立ができていない
- 共働きを辞めると返済できない
- 建築総額が確定していない
- 住宅会社の値引き期限だけで急いでいる
「若いうちに買った方が得」という言葉だけで、将来を決めてはいけません。
俺流結論
家を買うのに有利な年齢は、30〜35歳前後です。
35年ローンでも65〜70歳前後の完済を目指しやすく、子育て期間を新しい家で長く過ごせるからです。
しかし、年齢だけで買い時は決まりません。
家族構成が見えている。
住む場所を決められる。
教育費を積み立てられる。
建築後も現金が残る。
収入が減っても返済できる。
70歳前後までの完済を目指せる。
この条件が整ったときが、その家庭にとってのベストな年齢です。
早く買うことより、間違った住宅予算で買わないこと。
平均年齢に合わせることより、家族の人生に合わせること。
家を買う年齢ではなく、建てた後も守れる資金計画が完成した時点を「買い時」と考えるべきです。










