Q. 住宅ローンは固定金利と変動金利、どちらが良い?
A. 金利上昇に耐えられる余裕がある人は変動金利、返済額を確定して教育費・老後資金を守りたい人は固定金利が基本です。
「金利が低いから変動」「安心だから固定」だけでは判断できません。
本当に見るべきなのは、金利が2%、3%へ上がった場合でも、住宅ローンを払いながら生活費、教育費、修繕費、老後資金を確保できるかです。
固定金利と変動金利の違い
| 比較項目 | 変動金利 | 全期間固定金利 |
|---|---|---|
| 当初金利 | 低い傾向 | 高い傾向 |
| 返済額 | 金利上昇で増える可能性 | 完済まで確定 |
| 総返済額 | 将来まで確定しない | 契約時に把握できる |
| 向いている人 | 資金に余裕がある人 | 家計の安定を優先する人 |
| 主なリスク | 金利上昇 | 当初負担が高い |
固定金利は、金利上昇を予測して当てるための商品ではありません。将来の返済額を確定させるための「安心を買う商品」です。
金利差で返済額はいくら変わる?
3,200万円を35年間、元利均等・ボーナス払いなしで借りた場合の概算です。
| 金利 | 毎月返済額 | 総返済額 | 利息総額 |
|---|---|---|---|
| 1.0% | 約9.0万円 | 約3,794万円 | 約594万円 |
| 2.0% | 約10.6万円 | 約4,452万円 | 約1,252万円 |
| 3.0% | 約12.3万円 | 約5,173万円 | 約1,973万円 |
金利1%と3%では、毎月約3万3,000円、総返済額では約1,379万円の差になります。
変動金利を選ぶなら、現在の返済額だけでなく、金利3%でも返済を続けられるかを必ず確認してください。
2026年は「低金利が永遠に続く前提」を捨てる
日本銀行は2026年6月、無担保コールレートを1.0%程度へ引き上げました。また、7月会合の主な意見でも、経済・物価情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げる考えが示されています。日本銀行
変動型住宅ローンの金利は、一般的に短期金利の影響を受けます。今後必ず上昇するとは断言できませんが、変動金利は上がらないという前提では組めない状況です。
一方、2026年8月の新機構団信付きフラット35は、返済期間21~35年・融資率9割以下で、最も多い金利が年3.290%です。住宅金融支援機構・2026年8月金利
固定金利の安心には、それだけの費用がかかります。
変動金利が向いている人
次の条件を満たす人は、変動金利を検討できます。
- 金利3%でも家計が赤字にならない
- 生活費とは別に十分な現金がある
- 借入額が年収に対して少ない
- 返済期間が比較的短い
- 繰上返済できる余力がある
- 金利上昇時に借り換えや返済計画を見直せる
変動金利は、余裕のない人が月々を安く見せるために使うものではありません。金利上昇を自分の家計で吸収できる人が選ぶ商品です。
固定金利が向いている人
次のような家庭は、固定金利との相性が良いと考えます。
- 子どもの教育費がこれから増える
- 収入の大部分を一人に頼っている
- 50代・60代で返済期間が限られる
- 金利上昇時に返済額が増えると困る
- 毎月の支出を確定して老後資金を準備したい
- 変動金利の動きを継続的に確認したくない
ただし、固定金利なら高額な家を買っても安全になるわけではありません。返済額が高すぎれば、金利が固定されていても家計は苦しくなります。
「5年ルール・125%ルール」があれば安心?
一部の変動金利・元利均等返済には、返済額を5年間据え置く「5年ルール」や、見直し後の返済額を従来の125%以内とするルールがあります。
しかし、これは金利上昇分が免除される制度ではありません。
返済額が抑えられても、利息の割合が増えて元金が減りにくくなる可能性があります。また、このルールを採用していない金融機関や商品もあります。
返済額が急に増えないことと、負担が増えないことは別です。
俺流結論
私は、固定金利か変動金利かを決める前に、まず借入額を下げるべきだと考えます。
変動金利でなければ買えない家は、金利が上がった瞬間に危険になります。固定金利では返済できないほど高い家を、変動金利の低い月額で買えるように見せる営業には注意してください。
判断方法は明確です。
変動金利を選ぶなら、金利3%で再計算する。
それで教育費や老後資金が不足するなら、固定へ変更するのではなく、住宅総額を下げる。
特に50代・60代は、金利の低さよりも70歳前後までに完済できるかを優先すべきです。
どちらが得かは完済後でなければ分かりません。しかし、どちらなら家計を守れるかは、契約前に計算できます。
金利タイプを賭けにしない。最悪の条件でも払える金額だけを借りる。これが住宅ローンで後悔しない基本です。










