同じ30坪の家で500万円以上の差が出るのはなぜ?
A. 30坪という数字が同じでも、含まれる工事・住宅性能・設備・建物形状・会社経費が違うからです。面積だけでは同じ家とはいえません。
例えば、2社から次の見積もりが出たとします。
| 住宅会社 | 表示価格 |
|---|---|
| A社 | 2,000万円 |
| B社 | 2,500万円 |
| 表面上の価格差 | 500万円 |
これだけを見ると、A社の方が500万円安く感じます。
しかし、B社と同じ条件にそろえるため、A社へ次の費用が追加されたらどうでしょうか。
| A社で追加になる項目 | 金額例 |
|---|---|
| 設計・確認申請・構造計算 | 80万円 |
| 屋外給排水・仮設工事 | 120万円 |
| 断熱・窓・換気の性能向上 | 120万円 |
| 耐震・制震仕様 | 70万円 |
| 太陽光発電 | 200万円 |
| 追加合計 | 590万円 |
A社の最終価格は、
2,000万円+590万円=2,590万円
同じ条件にそろえると、最初は高く見えたB社の方が90万円安くなります。
価格差が出る5つの理由
1.見積もりに含まれる範囲が違う
一方は付帯工事まで含み、もう一方は建物本体だけということがあります。
特に確認したいのは次の項目です。
- 設計・建築確認申請
- 仮設工事
- 屋外給排水
- 電気・水道の引込み
- 地盤改良
- 照明・カーテン・エアコン
- 太陽光発電
- 外構・駐車場
- 消費税
同じ30坪でも、見積範囲が違えば500万円程度の差が出ても不思議ではありません。
2.見えない住宅性能が違う
完成後の見た目が似ていても、壁や天井の中身は違います。
- 耐震等級3か、「等級3相当」か
- 許容応力度計算を行うか
- 制震装置が付いているか
- 断熱等級はいくつか
- UA値はいくつか
- 気密測定を全棟で行うか
- C値の実測結果を渡すか
- 換気方式と熱回収率
- 窓の種類とガラス性能
国土交通省の省エネ性能表示でも、断熱性能はUA値などを用いて段階評価されます。「高断熱」という言葉だけでなく、数値と等級を確認する必要があります。国土交通省「省エネ性能ラベル」
3.同じ30坪でも建物の形が違う
総二階の四角い家と、凹凸の多い平屋では、同じ30坪でも必要な材料量が違います。
- 平屋か二階建てか
- 建物に凹凸が多いか
- 屋根の形が複雑か
- 窓が多いか、大きいか
- 吹抜けがあるか
- トイレや洗面台が何カ所あるか
- 天井高や建具の高さ
平屋は基礎と屋根の面積が大きくなるため、単純に「坪数×坪単価」では比較できません。
4.設備と仕上げが違う
キッチンや浴室の商品名が同じでも、グレードや付属品が違う場合があります。
例えばキッチンなら、
- 食器洗い乾燥機
- カップボード
- タッチレス水栓
- IHクッキングヒーター
- レンジフード
- ワークトップ
- 収納仕様
まで確認しなければ、本当に同じ条件とはいえません。
5.建物以外の販売経費が違う
価格には、材料費や職人の工事費だけでなく、会社の運営費も含まれます。
- 大型展示場の維持費
- テレビCM・大量の広告費
- 営業担当者の人件費や歩合
- 本部・支店の管理費
- フランチャイズ費用
- アフターサービスや保証費用
高い家が必ず高性能とは限りません。
反対に、安い家が企業努力によって安いのか、必要な工事や性能を外して安く見せているのかも、表示価格だけでは分かりません。
比較するときの質問
住宅会社には、次のように依頼してください。
「同じ図面・同じ性能・同じ設備・同じ付帯工事の範囲で、入居までの総額を出してください」
最低でも、次の数字を横並びにします。
- 税込の完成総額
- 耐震等級と計算方法
- 断熱等級とUA値
- C値と気密測定の有無
- 換気方式
- 太陽光発電容量
- 付帯工事の範囲
- 別途・未定・概算の金額
30坪は、家の大きさを示す数字にすぎません。
比較すべきなのは「同じ30坪で、何が含まれ、どんな性能の家が完成するのか」です。










