「参考価格」「モデル価格」「モニター価格」は誰でも使える?
A. 誰でも、その価格で建てられるとは限りません。3つとも法律で仕様や適用条件が統一された住宅価格ではなく、住宅会社が独自に設定している名称です。
同じ2,000万円という表示でも、意味はそれぞれ違います。
| 価格表示 | 一般的な意味 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 参考価格 | 一定条件で計算した目安 | 土地や仕様によって変わる |
| モデル価格 | 指定プラン・標準仕様の価格 | 間取り変更やオプションで増える |
| モニター価格 | 条件付きの特別価格 | 棟数・地域・公開条件などがある |
重要なのは価格の名称ではなく、誰に、どの建物を、どの条件で販売する価格なのかです。
「参考価格」とは?
参考価格は、実際の敷地や希望を反映する前の概算価格として使われることがあります。
例えば、
「30坪・参考価格2,000万円」
と表示されていても、次の条件が前提かもしれません。
- 指定された標準プラン
- 総二階の四角い建物
- 標準仕様から変更しない
- 平坦で工事しやすい土地
- 地盤改良なし
- 屋外給排水工事を含まない
- 外構・エアコン・カーテンを含まない
実際の土地と希望条件を入れると、2,400万円、2,500万円へ上がる可能性があります。
参考価格は、契約金額を保証する価格ではありません。
「モデル価格」とは?
モデル価格には、主に2つの意味があります。
規格モデルの価格
住宅会社が設定したモデルプランを、標準仕様のまま建てる場合の価格です。
間取り・窓・設備・外観などを変更すると、追加費用が発生します。
展示住宅の販売価格
実際に使用したモデルハウスを、家具や設備と一緒に販売する特別価格です。
この場合は、
- 建築場所を選べない
- 展示期間中に引き渡されない
- 不特定多数が建物へ入っている
- 家具・家電の保証条件が異なる
- 土地代や移設費が別になる
などの条件があります。
広告の「モデル価格」が、規格住宅の価格なのか、展示住宅そのものの販売価格なのかを確認してください。
「モニター価格」とは?
モニター価格は、住宅会社の宣伝やデータ収集へ協力する代わりに、値引きを受ける価格です。
一般的には、次の条件が付くことがあります。
- 先着1棟・地域限定
- 指定日までの契約
- 指定された工期
- 完成見学会の開催
- 工事中の現場公開
- 外観・内観写真の広告使用
- 家族へのインタビュー
- YouTubeやSNSへの出演
- 間取りや建築価格の公開
- 温度・光熱費などのデータ提供
- 標準プランから変更しない
これらの条件を受け入れられなければ、モニター価格は使えません。
特に、写真や動画を使用する期間、顔や氏名を公開するか、引き渡し後も見学会を行うのかは、契約前に書面で確認する必要があります。
「通常価格から300万円値引き」は本当に得?
次のような広告にも注意が必要です。
通常価格2,500万円
モニター価格2,200万円
限定1棟・300万円値引き
確認すべきなのは、通常価格2,500万円で実際に販売していた実績があるかです。
最初から2,200万円で販売する予定なのに、根拠のない2,500万円を作って値引きに見せているなら、本当に300万円得したとはいえません。
消費者庁は、販売価格を表示する場合、価格が適用される商品の範囲や顧客の条件を正確に表示する必要があるとしています。消費者庁「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」
また、実際の販売実績がない「あいまいな通常価格」と比較して安く見せる表示は、不当な二重価格表示に該当するおそれがあります。消費者庁「二重価格表示」
広告価格からいくら増える?
参考価格2,000万円の住宅でも、条件を反映すると次のようになる場合があります。
| 追加項目 | 金額例 |
|---|---|
| 参考価格 | 2,000万円 |
| 間取り・窓の変更 | 100万円 |
| 設備変更 | 120万円 |
| 屋外給排水・仮設工事 | 150万円 |
| 地盤改良 | 100万円 |
| 外構・エアコン | 180万円 |
| 実際に必要な金額 | 2,650万円 |
参考価格との差は650万円です。
参考価格が虚偽なのではなく、参考価格の前提条件と、自分が必要とする条件が違うことが原因です。
契約前に確認する8項目
住宅会社には、次の内容を確認してください。
- この価格は、現在誰でも利用できるのか
- 対象棟数と申込期限はいつまでか
- 対象地域に制限はあるか
- 建物の面積・間取り・仕様は何か
- 価格に含まれない工事は何か
- 間取りや設備を変更するといくら増えるか
- 値引き前の通常価格に販売実績があるか
- モニターとして何を、いつまで提供するのか
最も有効な質問は、これです。
「この価格を使うための条件と、価格に含まれない費用を、すべて書面で出してください」
「参考」「モデル」「モニター」という言葉は、安さを保証するものではありません。
誰でも使える価格なのかではなく、“自分がその条件で、最終的にいくら払うのか”を確認してください。










