65歳で建替える場合、何歳までのライフプランを考えるべき?
結論|最低90歳、できれば95歳まで計算します
65歳で建替える場合、平均寿命までの資金計画では足りません。
最低でも90歳まで、できれば95歳まで、毎年の収入・生活費・住宅費・医療介護費・預貯金残高を計算すべきです。
建替え時に最も危険なのは、「80歳くらいまで生きるだろう」と考え、退職金や預貯金を建築費へ使い過ぎることです。長生きしたことが家計のリスクになる計画では、安心できる建替えとはいえません。
平均寿命で考えてはいけない理由
平均寿命は、0歳時点の平均余命です。すでに65歳まで生きた人が、あと何年生きるかを示す数字ではありません。
厚生労働省によると、2024年時点で65歳の人が90歳まで生存する割合は、男性約38%、女性約64%と見込まれています。厚生労働省「平均余命の伸長と年金」
夫婦のどちらかが90歳を超える可能性は、決して低くありません。そのため、夫の年齢だけでなく、年下の妻が95歳になるまでの計画を確認する必要があります。
65歳からの30年間を3段階で考える
65~74歳|比較的元気に活動する時期
旅行、趣味、車、交際費などの支出が発生しやすい時期です。働き続ける場合でも、その収入が何歳まで続くかを分けて計算します。
現在の給与が10年間続く前提にするのは危険です。
75~84歳|医療費と生活支援が増え始める時期
通院、家事支援、車の運転終了、交通費など、生活の内容が変わります。
住宅ローンを組む場合は、この時期まで高額な返済を残さないことが理想です。
85~95歳|介護と一人暮らしを想定する時期
夫婦のどちらかが亡くなり、一人分の年金収入になる可能性があります。一方で、固定資産税、光熱費、住宅修繕費は半分にはなりません。
自宅介護、施設入居、子どもの近くへの住替えなど、複数の可能性に対応できる現金を残しておく必要があります。
建替え予算は「使える預金額」から決めない
預貯金が2,000万円あるから、1,500万円を建替えに使えるとは限りません。
建築へ使える自己資金は、次の順序で計算します。
預貯金-老後の生活費不足-予定支出-緊急予備費=建替えに使える自己資金
予定支出には、少なくとも次の項目を含めます。
- 年金だけでは不足する毎月の生活費
- 車の買替え
- 家電の交換
- 医療・介護の予備費
- 固定資産税と火災・地震保険
- 15~30年後の住宅修繕費
- 葬儀や相続手続きに備える資金
これらを差し引かず、現在の預金残高だけで建築予算を決めると、80代以降に資金不足となる可能性があります。
65歳で建てた家は、95歳で築30年になる
65歳で新築すれば、90歳で築25年、95歳で築30年です。
その間には、給湯器、エアコン、換気設備、外壁、屋根、太陽光発電の機器などの修理・交換が発生します。
「新築だから一生修繕費がかからない」と考えてはいけません。建替え時に高価な設備を増やし過ぎると、将来の交換費用も増えます。
初期費用だけでなく、30年間の維持費まで含めて設備を選ぶ必要があります。
配偶者が一人になった場合を必ず計算する
夫婦2人の年金収入を、そのまま95歳まで続けて計算するのは誤りです。
夫が先に亡くなった場合、妻の収入は自身の年金と遺族年金などへ変わります。しかし、住居費、車、通信費、光熱費などは半分になりません。
次の2つの計算が必要です。
- 夫婦2人で暮らし続ける場合
- 夫が先に亡くなり、妻が一人で暮らす場合
どちらの場合でも、住宅ローン返済と生活費を維持できる建替え総額に抑えます。
資金計画は4つの厳しい条件で確認する
標準的な計算だけでなく、次の条件でも預貯金が尽きないか確認します。
- 95歳まで長生きする
- 物価が毎年上昇する
- 配偶者が先に亡くなる
- 医療・介護や住宅修繕が重なる
変動金利の住宅ローンを利用する場合は、金利が1%、2%上昇したケースも追加します。
最も順調なケースだけで建替えられる計画ではなく、予定外の支出が起きても生活を守れる計画にすることが重要です。
95歳まで暮らせる間取りにする
資金だけでなく、間取りも95歳までを基準にします。
- 1階だけで生活を完結できる
- 寝室とトイレを近づける
- 室内と玄関の段差をなくす
- 開閉しやすい引き戸を使う
- 車を手放しても生活できる方法を考える
- 掃除と維持管理ができる広さに抑える
65歳時点で欲しい部屋ではなく、85歳以降も自分で管理できる面積を選びます。
子どもや孫が年に数回泊まるために部屋を増やすと、建築費だけでなく、30年間の光熱費、税金、掃除、修繕費も増えます。
デザインハウス甲府の考え方
65歳の建替えでは、90歳までの年次資金計画を基本とし、95歳まで長生きした場合も確認します。
比較するのは、希望をすべて入れた案だけではありません。
- 希望を優先した建替え
- 面積・設備を調整した標準案
- 老後資金を多く残す安全重視案
それぞれについて、住宅ローン、年金、生活費、物価上昇、修繕、車、医療・介護、配偶者死亡後の収入、90歳・95歳時点の残存資産を比較します。
建替えの目的は、新しい家を建てることではありません。
95歳になっても、家を手放さず、生活費に困らず、暖かく安全に暮らせる状態をつくることです。










