年金受給者でも住宅ローンの審査に通るためのポイントと注意点は?
A. 年金受給者でも住宅ローンを利用できる可能性はあります。ただし、収入額以上に「完済時年齢・他の借入れ・団信・自己資金」が審査を左右します。
公的年金を安定収入として扱う金融機関はあります。しかし、現役世代より返済期間が短くなるため、借入可能額は小さくなりやすい傾向があります。
年金も収入として審査される
金融機関によって異なりますが、主に次の資料で年金収入を確認します。
- 年金証書
- 年金振込通知書
- 公的年金等の源泉徴収票
- 所得証明書
- 預金通帳
- 確定申告書
個人年金、給与、不動産所得などがある場合は、継続性を証明できれば審査で考慮される可能性があります。
一時的なアルバイト収入や、変動の大きい投資収益は、全額を安定収入として評価されないこともあります。
完済時年齢で返済期間が決まる
多くの住宅ローンには、申込時年齢と完済時年齢の条件があります。
【フラット35】は、原則として申込時年齢が満70歳未満で、借入期間は「80歳-申込時年齢」が一つの基準です。【フラット35】ご利用条件
例えば65歳で申し込む場合、最長期間はおおむね14~15年程度です。同じ1,000万円を借りても、35年返済より毎月の返済額が大きくなります。
「何歳まで借りられるか」ではなく、「何歳まで返す計画なら安全か」で決めることが重要です。
返済負担率には他のローンも含まれる
【フラット35】の総返済負担率は、年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下が基準です。
この割合には住宅ローンだけでなく、次の返済も含まれます。
- 自動車ローン
- カードローン
- クレジットカードの分割・リボ払い
- 教育ローン
- 他の住宅ローン
- 携帯電話端末の分割払い
住宅ローン申込み前に、少額の借入れやリボ払いを整理すると審査上有利になる可能性があります。ただし、完済した記録が信用情報へ反映されるまで時間がかかる場合もあります。
審査基準いっぱいまで借りない
仮に年金収入が月20万円で、返済負担率30%なら、計算上は月6万円までとなります。
しかし、実際には住宅ローン以外にも次の支出があります。
- 固定資産税
- 火災・地震保険
- 電気・水道代
- 住宅修繕費
- 医療・介護費
- 自動車維持費
- 配偶者死亡後の収入減少
審査基準内でも、老後生活が安全とは限りません。シニア世代では、住宅ローン返済を年金手取り額の20%前後までに抑えるなど、審査より厳しい家計基準で考える方が安心です。
自己資金は入れ過ぎない
自己資金を増やせば借入額が減り、審査に通りやすくなる可能性があります。
しかし、退職金や預貯金をすべて頭金へ使うのは危険です。建て替え後には、医療、介護、施設入居、住宅修繕などの支出が発生します。
最低でも次の資金は別に残します。
- 1~2年分の生活予備費
- 医療・介護予備費
- 住宅修繕費
- 引っ越し後の家具・家電費
- 想定外の追加工事費
「ローンを減らすために現金を使い切る」より、無理のない借入れと現金保有のバランスが重要です。
団信に加入できるか確認する
民間住宅ローンでは、団体信用生命保険への加入が融資条件になることがあります。
持病や治療歴がある場合は、次の選択肢を確認します。
- 一般団信
- 引受基準緩和型のワイド団信
- 団信加入が任意の住宅ローン
- 借入額を減らして生命保険などで備える
【フラット35】は健康上の理由などで団信へ加入しない場合でも利用できる可能性がありますが、死亡後も住宅ローンが残れば相続人が対応することになります。
審査へ通ることだけでなく、死亡時に配偶者が住み続けられるかまで確認してください。
収入合算・親子リレーは慎重に
配偶者や子どもの収入を合算すれば、借入可能額や返済期間を増やせる場合があります。
ただし、収入合算者が連帯債務者や連帯保証人になれば、返済責任が発生します。親子リレー返済では、子どもが将来自分の住宅ローンを組みにくくなる可能性もあります。
単に審査を通すために家族を債務者へ加えるのではなく、誰が最後まで返済するのかを決める必要があります。
審査前に行う5つの対策
- 年金と継続収入を証明する書類を揃える
- カードローンや分割払いを整理する
- 建物面積と借入希望額を小さくする
- 自己資金を入れても老後資金を残す
- 団信加入と死亡後の返済を確認する
複数の金融機関へ同時に大量申込みをする前に、住宅会社や金融機関へ事前相談する方が安全です。
デザインハウス甲府では、「借りられる最大額」ではなく、配偶者が一人になった場合も返済できる金額から建物総額を決めます。
**年金受給者でも審査に通る可能性はあります。しかし、本当に重要なのは通ることではなく、医療費や介護費が増えても最後まで返せることです。**住宅を小さくして借入れを減らすことも、立派な審査対策であり老後防衛です。










