リバースモーゲージと一般的な住宅ローンの決定的な違いは何ですか?
質問
60代で家の建て替えを考えています。金融機関から「リバースモーゲージ型住宅ローン」と一般的な住宅ローンを紹介されました。毎月の返済額が大きく違うようですが、どちらを選べばよいでしょうか?
回答
結論から言えば、決定的な違いは「元金を生きている間に返すか、死亡後に家の売却などで返すか」です。
一般的な住宅ローンは、毎月「元金+利息」を返すため、残債が徐々に減ります。
一方、リバースモーゲージ型住宅ローンは、毎月の支払いを利息だけにする商品が多く、元金はほとんど減りません。契約者が亡くなった後、相続人による一括返済または担保住宅の売却で元金を返します。
毎月の返済額だけを見ればリバースモーゲージが有利に見えますが、借金を返さず、最後まで残しているから月々が安いという仕組みです。
2つの違いを比較
| 項目 | 一般的な住宅ローン | リバースモーゲージ型 |
|---|---|---|
| 毎月の返済 | 元金+利息 | 主に利息のみ |
| 元金残高 | 毎月減る | 原則として減らない |
| 完済時期 | 契約した返済期間内 | 死亡後など契約終了時 |
| 死亡後の家 | 完済済みなら家族へ残せる | 売却して返済する可能性が高い |
| 毎月の負担 | 比較的大きい | 比較的小さい |
| 金利上昇 | 固定・変動を選べる | 変動金利の商品が多い |
| 融資額 | 収入・年齢・返済能力を重視 | 返済能力に加えて担保評価を重視 |
| 向いている人 | 生前に完済したい人 | 家を残さず月々の負担を抑えたい人 |
リバースモーゲージでも住宅の所有者は本人です。ただし、土地と建物には抵当権が設定され、死亡後に残債を返せなければ売却することになります。
同じ金利でも総負担は変わる
例えば、1,000万円を年2%で借りると仮定します。
一般的な住宅ローン・15年返済
毎月返済は概算約6万4,000円です。15年間で元金と利息を返し、完済後の残債はゼロになります。
リバースモーゲージ・利息のみ
毎月支払いは概算約1万7,000円です。
ただし、25年間支払い続ければ、単純計算した利息だけで約500万円を支払っても、元金1,000万円は残ったままです。死亡後に、その1,000万円を一括返済しなければなりません。
実際の金利、手数料、返済方法は商品によって異なりますが、月々の安さと総負担の軽さは同じではありません。
リバースモーゲージは、返済額を安くするローンというより、元金返済を死亡後へ先送りするローンです。
一般的な住宅ローンのメリット
一般的な住宅ローンでは、返済するたびに残債が減ります。
- 完済すれば担保のない家を残せる
- 子どもが家を引き継ぎやすい
- 固定金利を選べる商品がある
- 将来売却する場合も残債が少なくなる
- 繰上返済によって返済期間を短縮できる
一方、60代以降は、完済時年齢の制限によって返済期間が短くなります。借入額が大きいと、毎月返済が高額になります。
また、団体信用生命保険へ加入できるかどうかも、健康状態によって変わります。
リバースモーゲージのメリット
リバースモーゲージ型住宅ローンは、次のような場合に検討できます。
- 年金収入でも毎月の利息を支払える
- 元金返済に回すより手元資金を残したい
- 子どもが土地と建物を相続する予定がない
- 死亡後の住宅売却について家族が同意している
- ノンリコース型を選択できる
- 担保評価が十分にある
住宅金融支援機構の「リ・バース60」は、住宅の建設、購入、リフォーム、借り換えなどに利用できるリバースモーゲージ型住宅ローンです。
ただし、実際の融資と審査は取扱金融機関が行い、金利や配偶者の取扱いなども金融機関によって異なります。住宅金融支援機構「リ・バース60」
最大の注意点は、元金が減らないこと
毎月の返済が利息だけなら、20年、30年と支払っても元金は原則として残ります。
長生きするほど利息の支払総額が増え、変動金利が上がれば毎月負担も増えます。
例えば、借入額1,500万円で金利が年1%上昇すると、単純計算で年間利息は約15万円、毎月では約1万2,500円増えます。
契約時の返済額だけでなく、金利が1%、2%上がった場合も年金収入で支払えるかを確認してください。
死亡後、配偶者が住み続けられるとは限らない
契約者が亡くなった場合、相続人は残債を一括返済する必要があります。
配偶者が同居していても、自動的にローンが引き継がれるわけではありません。金融機関によっては、配偶者が連帯債務者になる、または一定の条件で債務加入することにより、住み続けられる場合があります。
契約前に、次の点を書面で確認します。
- 自分が先に亡くなった場合、配偶者は住み続けられるか
- 配偶者が債務を引き継ぐ条件
- 配偶者も亡くなった後の返済方法
- 相続人が一括返済するまでの期限
- 売却が長期化した場合の扱い
ノンリコース型なら不足分を請求されない
死亡後に住宅を売却しても、売却代金が残債へ届かない場合があります。
ノンリコース型なら、原則として売却後の不足残債を相続人へ請求しません。一方、リコース型では、不足分を相続人へ請求する可能性があります。
ただし、ノンリコース型でも家を残せるわけではありません。家を売却したうえで、それでも足りない残債を相続人へ請求しない仕組みです。
家財処分、引っ越し、相続登記、売却手続きなどの費用まで、すべて不要になるとは限りません。
山梨県では担保評価が最大の壁になる
山梨県では、住宅の再販が難しい地域も多く、リバースモーゲージを希望しても断られるケースがあります。
融資額は建築費ではなく、将来の売却可能性を含む担保評価によって決まるからです。
特に次のような土地は慎重に評価されます。
- 市街地から離れている
- 市街化調整区域にある
- 接道条件が悪い
- ハザード区域に入っている
- 古い擁壁や高低差がある
- 中古住宅の取引が少ない
- 将来の解体費が高い
- 需要に対して建物が大き過ぎる
2,000万円で建て替えるから2,000万円を借りられるとは限りません。担保評価によっては、希望額の一部しか融資されず、多額の自己資金が必要になる可能性があります。
山梨県では、リバースモーゲージを前提に建築計画を進め、最後に担保評価で否決されることが最も危険です。
どちらを選ぶべきか
一般的な住宅ローンが向いている人
- 70~80歳頃までに完済できる
- 現在も安定した収入がある
- 借入額を小さくできる
- 子どもへ土地や建物を残したい
- 将来の売却を前提にしたくない
- 固定金利で返済額を確定したい
リバースモーゲージが向いている人
- 毎月の元金返済が難しい
- 手元資金を医療・介護用に残したい
- 家を子どもへ残す必要がない
- 死亡後の売却に家族全員が同意している
- 配偶者の居住条件を確認している
- 担保評価が十分にある
- 金利上昇にも対応できる
第3の選択肢も比較する
「通常ローンか、リバースモーゲージか」の二択で考える必要はありません。
- 建物を小さくして借入額を減らす
- 性能を落とさず、設備や外構を調整する
- 自己資金を使い過ぎない範囲で併用する
- 10~15年程度の短期ローンにする
- 建て替えではなく部分リフォームにする
- 安全な中古住宅や分譲住宅へ住み替える
月々の返済額を下げるために元金を死亡後へ残すより、建築総額を300万~500万円下げる方が、家族への負担を小さくできるケースがあります。
デザインハウス甲府の考え方
デザインハウス甲府では、リバースモーゲージの「毎月利息だけ」という説明だけで判断しません。
通常ローンとリバースモーゲージについて、90歳までに支払う利息、死亡時の残債、配偶者の居住、相続人の負担、土地の再販性を比較します。
また、金融機関による担保評価と事前審査の見通しが立つ前に、建築契約を進めるべきではないと考えています。
一般ローンは、生きている間に借金を減らすローン。リバースモーゲージは、家を最後の返済原資として借金を残すローンです。月々の安さではなく、死亡後まで含めて選んでください。
こちらの「リバースモーゲージと一般的な住宅ローンの決定的な違い」は、直前に全文を再構成して表示済みです。
結論は、一般ローンは生前に元金を減らすローン、リバースモーゲージは元金を死亡後まで残し、家を返済原資にするローンという内容です。










