Q. 食洗機やIHは、キッチンと同じ期間保証される?
A. 同じ期間とは限りません。食洗機やIHクッキングヒーター、レンジフードなどの組み込み機器は、システムキッチン本体とは別の保証書と保証期間が適用されることがあります。
システムキッチンは一つの商品に見えます。
しかし、実際には、
- キャビネット
- 扉や引き出し
- ワークトップ
- シンク
- 水栓
- 食器洗い乾燥機
- IHクッキングヒーター
- ガスコンロ
- レンジフード
- 浄水器
など、複数の部材と機器を組み合わせた設備です。
「キッチン10年保証」と書かれていても、すべての組み込み機器が10年間保証されるとは限りません。
キッチン本体と組み込み機器は別保証
キッチン本体は、キッチンメーカーが製造しています。
一方、食洗機、IH、ガスコンロなどは、キッチンメーカーとは別の電機メーカーや設備メーカーが製造している場合があります。
そのため、
- キッチン本体の保証書
- 食洗機の保証書
- IHの保証書
- レンジフードの保証書
- 水栓の保証書
が別々に発行されることがあります。
キッチン本体の保証期間が残っていても、食洗機やIHのメーカー保証が終了していれば、有償修理になる可能性があります。
「システムキッチン10年保証」の範囲を確認
住宅会社によっては、システムキッチンを住宅設備10年保証の対象にしています。
しかし、「システムキッチン」という表示だけでは、対象範囲が分かりません。
次の機器まで含まれているか確認してください。
- 食器洗い乾燥機
- IHクッキングヒーター
- ガスコンロ
- レンジフード
- タッチレス水栓
- 浄水器
- ディスポーザー
- 自動調理機能
- キッチン照明
キッチン本体だけが対象で、組み込み機器は対象外という可能性もあります。
反対に、住宅会社独自の保証によって、組み込み機器まで10年間保証される場合もあります。
設備名と型番が保証対象一覧に記載されているかを確認することが重要です。
食洗機で保証対象外になりやすいもの
食洗機には、ポンプ、ヒーター、モーター、センサー、制御基板などが使われています。
通常使用中にこれらが自然故障した場合は、設備保証の対象になる可能性があります。
一方、次のようなケースは保証対象外になる可能性があります。
- 食品くずによる詰まり
- 指定外の洗剤を使用した故障
- 定期的な清掃をしていない
- 食器の入れ方が原因の破損
- 異物を入れたことによる故障
- 経年劣化したパッキンや消耗部品
- 他社が分解・修理した後の不具合
- 地震や落雷による故障
「動かなくなった」という症状が同じでも、故障原因によって無償か有償かが変わります。
IHで保証対象外になりやすいもの
IHクッキングヒーターには、加熱コイル、制御基板、冷却ファン、操作パネルなどがあります。
自然故障であれば保証対象になる可能性がありますが、
- 天板へ物を落として割れた
- 強い衝撃を与えた
- 吹きこぼれを放置した
- 吸排気口の清掃不足
- 指定外の鍋を使用した
- 電源設備や配線側に問題があった
- 落雷や異常電圧による故障
などは、保証対象外になる可能性があります。
特に、天板の割れや傷は、自然故障ではなく使用中の破損と判断されることがあります。
本体故障と施工不良を分ける
食洗機から水漏れした場合でも、原因によって責任が変わります。
例えば、
- 食洗機本体の部品故障
- 給水ホースの製品不良
- 排水ホースの接続ミス
- 配管工事の施工不良
- キッチン設置時の固定不足
などが考えられます。
食洗機本体の故障なら設備保証、配管接続の施工ミスなら住宅会社や施工会社の責任となる可能性があります。
IHでも、本体の故障なのか、専用回路や配線工事の問題なのかを分けて判断する必要があります。
故障した機器だけを見て、すぐ設備メーカーの責任と決めつけることはできません。
部品保有期間も別
キッチン本体の補修部品と、食洗機やIHの補修部品では、保有期間が異なることがあります。
LIXILは、レンジフードや加熱機器などの機能機器について、それぞれの保証書に従うとしています。
TOTOも、水栓、食洗機、コンロ、レンジフードなどの組み込み機器は、専用の取扱説明書で部品保有期間を確認するよう案内しています。
つまり、キッチン本体の部品が残っていても、食洗機やIHの修理部品がなくなっている可能性があります。
修理できなければ交換工事が必要
修理部品がない場合は、食洗機やIHを後継機種へ交換することになります。
しかし、後継機種の、
- 本体寸法
- 開口寸法
- 電源容量
- 給排水の接続位置
- 操作パネルの形状
が異なれば、簡単に交換できない場合があります。
機器本体の交換だけでなく、
- キャビネットの加工
- 給排水管の変更
- 電気配線の変更
- 専用回路の変更
- 周辺部材の交換
が必要になる可能性があります。
設備保証で本体代が認められても、周辺工事費まで保証されるとは限りません。
故障時の連絡先にも注意
住宅会社独自の10年保証を利用する場合は、故障時に最初に住宅会社へ連絡することが条件となっている場合があります。
直接メーカーや修理業者へ依頼すると、住宅会社の保証対象外になる可能性があります。
引き渡し時に、
- 住宅会社
- キッチンメーカー
- 機器メーカー
- 延長保証会社
のどこへ連絡するのか確認してください。
契約前に確認する質問
住宅会社へ、次の質問をしてください。
- 食洗機はキッチン10年保証に含まれますか
- IHやガスコンロも対象ですか
- レンジフードは何年保証ですか
- 水栓や浄水器も同じ期間ですか
- 自然故障以外で対象外になるものは何ですか
- 修理回数や金額に上限はありますか
- 部品がない場合は同等品へ交換されますか
- 交換工事費やキャビネット加工費も対象ですか
- 本体故障と施工不良は誰が判断しますか
- 故障時はどこへ連絡すればよいですか
回答は「キッチン10年保証」という言葉だけでなく、機器名と型番が記載された保証対象一覧で確認してください。
食洗機やIHはキッチンに組み込まれていますが、保証まで一体とは限りません。
キッチン本体、食洗機、IH、レンジフード、水栓は、それぞれ別の商品として保証期間と部品供給を確認する必要があります。
見た目は一つのキッチンでも、保証書は一つではありません。
契約前に、組み込み機器ごとの保証期間を確認してください。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁
※LIXILは、レンジフードや加熱機器などの機能機器について、それぞれの保証書に記載された保証期間と条件が適用されると公表しています。LIXIL「キッチン製品の保証」
※TOTOは、水栓、食洗機、コンロ、レンジフードなどの組み込み機器について、専用の取扱説明書で部品保有期間を確認するよう案内しています。TOTO「システムキッチンの補修用性能部品」










