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雨水を敷地内で処理する工事はいくらかかる?

雨水を敷地内で処理する工事はいくらかかる?

A. 一般的な戸建てで、簡単な浸透ますだけなら30万~60万円程度、浸透トレンチや貯留槽まで必要なら100万~300万円以上かかる場合があります。土地の土質・屋根面積・舗装面積・排水先によって大きく変わります。

「雨水処理工事30万円を予算取りしてあります」と言われても、その金額で足りるとは限りません。

行政から求められる処理方法と、土地が雨水を浸透させられるかを確認してから、数量を計算する必要があります。

敷地内処理とは?

屋根や駐車場へ降った雨を、そのまま隣地や道路へ流さず、敷地内で浸透・貯留する方法です。

主に次の設備を使います。

  • 雨水浸透ます
  • 浸透トレンチ
  • 砕石浸透槽
  • 雨水貯留槽
  • 透水性舗装
  • 敷地内側溝
  • オーバーフロー管
  • 排水ポンプ

土地条件によって、これらを組み合わせます。

工事方法ごとの費用例

雨水処理方法 工事内容 金額例
簡易型 浸透ます・配管を数カ所 30~60万円
標準型 浸透ます+浸透トレンチ 60~120万円
貯留型 地下貯留槽+配管 100~250万円
条件が厳しい土地 大型貯留槽・ポンプ・側溝 150~300万円以上

金額は一例です。

設置数・槽の容量・掘削深さ・残土処分・重機の進入条件などで変わります。

屋根だけでも大量の雨が集まる

例えば、屋根の水平投影面積が100㎡の住宅へ、1時間に50mmの雨が降ったとします。

100㎡×0.05m=5㎥

約5,000Lの雨水です。

さらに、

  • コンクリート駐車場
  • 玄関アプローチ
  • カーポート
  • 物置
  • テラス

へ降る雨も加わります。

駐車場を全面コンクリートにすると、地面へ自然浸透していた雨が一気に排水設備へ流れるため、住宅完成後の外構工事で雨水処理容量が不足することがあります。

土質によって方式が変わる

雨水浸透ますを設置しても、地面へ水が染み込まなければ機能しません。

特に確認したいのは、

  • 粘土質
  • 地下水位が高い
  • 盛土・造成地
  • 岩盤
  • 過去に水田だった土地
  • 擁壁で囲まれた土地
  • 周囲より低い土地
  • 地下に古い構造物がある土地

です。

地盤調査で建物の支持力を確認していても、雨水の浸透能力まで確認できているとは限りません。

必要に応じて、浸透試験や行政との排水協議を行います。

甲府市でも浸水リスクの確認が必要

甲府市は、想定最大規模降雨として1時間147mmを前提にした内水浸水想定区域図を公表しています。甲府市「内水浸水想定区域図」

これは、個々の住宅へ147mm分すべての貯留を求めるという意味ではありません。

ただし、道路側溝や排水施設で処理しきれない場合に浸水する可能性があるため、

  • 建築地が浸水想定区域か
  • 道路より敷地が低くないか
  • 大雨時に道路から水が入らないか
  • オーバーフロー先が確保されているか

を確認する必要があります。

汚水用下水道へ雨水を流してはいけない

公共下水道があるからといって、屋根の雨水を汚水管へ接続できるとは限りません。

甲府市上下水道局は、汚水処理施設へ雨水を流すことは禁止されていると案内しています。甲府市上下水道局「雨水出水浸水想定区域について」

雨水は、

  • 敷地内で浸透させる
  • 一時的に貯留する
  • 許可された道路側溝や水路へ流す
  • 雨水管へ接続する

など、地域の排水条件に従って処理します。

高くなりやすい土地

次の条件があると、雨水処理費が上がりやすくなります。

  • 排水できる側溝や水路がない
  • 浸透しにくい土質
  • 地下水位が高い
  • 敷地が道路より低い
  • 屋根や舗装面積が大きい
  • 駐車場を全面コンクリートにする
  • 土地に高低差がある
  • 大型重機が入れない
  • 掘削残土の処分量が多い
  • ポンプ排水が必要
  • 行政から貯留容量を指定される

土地が広いから雨水処理が簡単とは限りません。

舗装や建物面積が大きければ、処理する雨水も増えます。

「雨水処理一式」だけでは判断できない

見積書に、

「雨水処理工事一式 40万円」

と書かれていても、次の内容が分かりません。

  • 浸透ますの個数
  • ますの大きさ
  • 配管の長さ
  • 浸透トレンチの長さ
  • 貯留容量
  • 掘削深さ
  • 砕石量
  • 残土処分
  • オーバーフロー先
  • ポンプの有無
  • 外構完成後の舗装面積

雨水排水計画図と数量表を出してもらう必要があります。

外構工事との整合性

建物契約時は庭を土のままで計算し、完成後に駐車場をコンクリートにすると、雨水の流れが変わります。

その結果、

  • 駐車場に水がたまる
  • 玄関へ水が流れる
  • 隣地へ雨水が流出する
  • 浸透ますがあふれる
  • 追加の側溝工事が必要になる

可能性があります。

雨水処理は、建物だけでなく最終的な外構計画まで含めて設計してください。

契約前に確認する項目

住宅会社には、次のように依頼してください。

「屋根・カーポート・駐車場を含めた雨水排水計画を作成し、行政協議・浸透ます・貯留槽・残土処分まで含めた税込金額を出してください」

確認するのは次の項目です。

  1. どの降雨条件で計算しているか
  2. 屋根・舗装の集水面積
  3. 土地の浸透能力
  4. 浸透ますの個数と容量
  5. 貯留槽の容量
  6. オーバーフロー先
  7. 大雨時の排水経路
  8. 残土処分費
  9. 外構工事後も容量が足りるか
  10. 清掃・ポンプ交換などの維持費

雨水処理は、ますを何個か埋めれば終わる工事ではありません。
土地が浸透しない、排水先がない、舗装面積が大きい――この3つが重なると、100万円を超える追加費用になり得ます。

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