隙間風はどこから来る?主な侵入口と寒さの原因・対策
隙間風は窓だけから入るとは限りません
結論から言います。
隙間風は、窓、玄関ドア、コンセント、配管、床と壁の取り合い、天井など、住宅のさまざまな場所から入る可能性があります。
「窓を閉めているのに寒い」
「暖房をつけても足元が冷える」
「コンセントの近くから冷気を感じる」
このような場合、住宅のどこかに意図しない空気の通り道があるかもしれません。
ただし、冷たい空気を感じる原因が、すべて隙間風とは限りません。
窓の表面で冷やされた空気が床へ流れ落ちる「コールドドラフト」を、隙間風と感じている場合もあります。
まずは寒さの原因を特定し、それに合った対策をすることが重要です。
隙間風が発生する仕組み
隙間風は、住宅の内外に生じる圧力差によって発生します。
主な原因は次の3つです。
室内外の温度差
冬に室内を暖房すると、暖かい空気は上へ移動します。
建物上部の隙間から暖かい空気が外へ出ると、その分、建物下部の隙間から冷たい外気が入りやすくなります。
そのため、冬は床付近や1階部分で冷気を感じることがあります。
屋外の風
建物に強い風が当たると、風上側から外気が押し込まれ、風下側から室内の空気が引き出されることがあります。
「風が強い日だけ寒い」という場合は、窓や外壁まわりなどに空気の通り道がある可能性があります。
換気扇による負圧
レンジフード、浴室換気扇、トイレ換気扇などが室内の空気を排出すると、室内の気圧が外より低くなります。
必要な給気量が確保されていないと、窓、玄関、コンセントなどの隙間から外気を吸い込みやすくなります。
この場合は、単に隙間を塞ぐだけでなく、給気と排気のバランスを確認する必要があります。
隙間風が入りやすい8つの場所
住宅で隙間風を感じた場合は、次の場所を確認します。
1.窓・サッシ
窓は、隙間風を感じやすい場所です。
特に引き違い窓は、開閉する構造上、完全に密閉する窓ではありません。
次のような部分から外気が入ることがあります。
- 窓と窓が重なる部分
- 窓枠と障子の間
- パッキンや気密部品
- 戸車まわり
- クレセント錠の調整不足
- サッシと壁の取り合い
経年劣化によってパッキンが硬くなったり、窓が傾いたりすると、隙間が増える場合があります。
新築住宅でも、窓の調整や取付状態によって隙間風を感じる可能性があります。
2.玄関ドア・勝手口
玄関ドアや勝手口も、開閉を繰り返す場所です。
ドア本体と枠の調整、パッキンの劣化、ドア下部の納まりなどによって、冷気を感じることがあります。
レンジフードを強運転したときだけ、玄関ドアが重くなったり、ドア付近から風切り音がしたりする場合は、室内の負圧が関係している可能性もあります。
3.コンセント・スイッチ
外壁に面したコンセントやスイッチから、冷気を感じることがあります。
コンセント自体から屋外の空気が直接入っているとは限りません。
外壁内や床下などへ入った空気が壁の中を移動し、コンセントボックスまわりから室内へ出ている可能性があります。
表面だけを塞ぐのではなく、気密層のどこが切れているのかを確認する必要があります。
4.エアコン・配管の貫通部
エアコン配管、給排水管、電気配線、換気ダクトなどを外壁へ通す部分は、気密施工が必要です。
配管まわりの処理が不十分だったり、後から設備を交換した際に隙間ができたりすると、外気の通り道になる可能性があります。
エアコン設置時には、配管穴の気密処理を含めて依頼することが重要です。
5.床と壁の取り合い
床と壁が接する部分、巾木まわり、柱の根元などから冷気を感じる場合があります。
原因が仕上げ材の表面ではなく、床下と壁の中につながる気密層の切れ目にあることも考えられます。
巾木の表面だけをコーキングしても、根本的な解決にならない場合があります。
6.天井・照明・点検口
ダウンライト、天井点検口、配線の貫通部なども、気密施工の状態によって空気の通り道になる可能性があります。
冬は室内の暖かい空気が上昇するため、建物上部の隙間から熱が逃げやすくなります。
上部から空気が出れば、その分、建物下部から冷気を吸い込みやすくなります。
7.床下点検口・小屋裏点検口
点検口は、将来の点検や修理に必要な部分ですが、断熱・気密性能にも注意が必要です。
点検口のフタが正しく閉まっていない、パッキンが劣化している、断熱仕様になっていないといった場合、冷気や熱の通り道になる可能性があります。
8.換気口・給気口
給気口から入る外気は、計画された空気です。
そのため、給気口から冷気を感じても、すべてを「隙間風」として塞いではいけません。
給気口を閉じると、必要な換気量を確保できなくなる可能性があります。
冷気が強い場合は、給気口の位置、換気方式、風量、室内の負圧などを住宅会社に確認してください。
高気密と換気の関係については、高気密と換気の関係とは?で詳しく解説しています。
隙間風とコールドドラフトは違う
窓際で冷たい空気を感じても、窓の隙間から外気が入っているとは限りません。
断熱性能の低い窓は、冬になると窓ガラスやサッシの表面温度が低くなります。
窓の近くにある室内空気が冷やされると、重くなって床へ流れ落ちます。
これがコールドドラフトです。
| 比較項目 | 隙間風 | コールドドラフト |
|---|---|---|
| 主な原因 | 建物の隙間から入る外気 | 冷たい窓で冷やされた室内空気 |
| 発生場所 | 窓・配管・床・天井など | 主に窓付近 |
| 必要な対策 | 気密補修・建具調整 | 窓の断熱性能向上 |
| 確認方法 | 気密測定・漏気調査 | 表面温度の測定 |
隙間風とコールドドラフトでは対策が異なります。
コールドドラフトに対して隙間テープだけを貼っても、窓の表面温度は上がりません。
窓の性能については、トリプルガラスは必要?も参考にしてください。
隙間風の場所を調べる方法
家庭で確認する場合は、薄いティッシュペーパーなどを窓やコンセントの近くへ持っていき、空気の動きを確認する方法があります。
ただし、風が弱い場合や、住宅全体の圧力差が小さい場合は、正確に特定できません。
専門的な調査では、次の方法を使用します。
- 気密測定
- スモークテスター
- サーモグラフィー
- 風速計
- 室内外の圧力差測定
特に有効なのが、住宅全体の隙間量を確認する気密測定です。
気密測定では、専用の機械で住宅内外に圧力差をつくり、建物全体の隙間量をC値として算出します。
ただし、C値は住宅全体の隙間量を示す数字です。
具体的にどこから漏れているかを確認するには、測定中にスモークテスターなどを併用して漏気箇所を探します。
C値については、C値とは?で詳しく説明しています。
隙間風を自分で塞ぐ前の注意点
ホームセンターなどでは、隙間テープや気密テープが販売されています。
応急処置として有効な場合もありますが、どこでも塞いでよいわけではありません。
特に次の場所は、自己判断で塞がないでください。
- 24時間換気の給気口
- 窓の排水・水抜き部分
- 燃焼機器に必要な給気部分
- 床下や小屋裏の必要な換気部分
- 排気設備の開口部
必要な換気や排水まで塞ぐと、室内空気や建物に別の問題を起こす可能性があります。
また、隙間風を感じる場所と、本当の空気の入口が同じとは限りません。
壁の中を通って別の場所から空気が出ていることもあるため、原因が分からない場合は施工会社へ相談してください。
新築住宅では完成後の測定だけに頼らない
新築住宅の隙間を減らすには、完成後に調べるだけでは不十分です。
大切なのは、設計段階で気密ラインを決め、工事中に連続して施工することです。
- 基礎または床
- 外壁
- 窓・玄関ドア
- 天井または屋根
- 配管・配線の貫通部
- 点検口
- 外壁側のコンセント
これらの気密層を切れ目なくつなげる必要があります。
工事中に気密測定を行えば、内装を仕上げる前に漏気箇所を発見し、補修しやすくなります。
完成時に測定する場合は、完成した住宅全体の状態を確認できます。
測定時期と、基準に届かなかった場合の対応を契約前に確認してください。
契約前に住宅会社へ確認する5項目
隙間風で後悔しないために、次の5項目を確認してください。
1.全棟で気密測定をするか
モデルハウスや過去の最高記録ではなく、自分が建てる住宅を測定するか確認します。
2.C値の基準はいくつか
提示された数字が、目標値なのか保証値なのかを確認してください。
3.測定はいつ行うか
工事中、完成時、または両方で測定するのかを確認します。
4.基準を超えた場合に補修するか
測定するだけでなく、基準に届かなかった場合の対応を確認します。
5.設備工事後の気密処理を管理するか
エアコン、給排水、電気、換気などの貫通部を、誰がどのように確認するか聞いてください。
断熱材と気密をセットで考える理由は、高気密高断熱はセットなのか?で解説しています。
デザインハウス甲府の気密性能
デザインハウス甲府では、断熱等級だけでなく、実際の施工精度を確認するために、次の性能を重視しています。
- C値0.7以下
- 全棟気密測定
- 断熱等級6
- UA値0.46以下
- 第一種熱交換換気
- 熱回収率92%
- 配管・配線貫通部の気密処理
「高気密仕様です」という言葉だけでは、完成した住宅の隙間量は分かりません。
だから、実際の住宅で測定します。
俺流ポイント|隙間風は我慢するものではない
私は、住宅会社から「多少の隙間風は仕方ありません」と言われても、そのまま納得しません。
まず、こう確認します。
本当に外気が入る隙間風ですか?
それとも、窓で空気が冷やされるコールドドラフトですか?
気密測定の結果はありますか?
どこから空気が入っているのか調査しましたか?
原因を確認せず、窓へ隙間テープを貼るだけでは、根本的な解決にならない場合があります。
必要なのは、寒さを我慢することではありません。
隙間風、窓の断熱不足、換気による給気を区別し、原因に合った対策をすることです。
家づくりで重要なのは、高価な断熱材の商品名ではありません。
壁の中、窓まわり、配管まわりまで、丁寧に施工されているかです。
山梨県で隙間風や住宅の寒さにお悩みの方へ
デザインハウス甲府では、UA値や断熱等級だけでなく、C値、気密測定、窓性能、換気計画まで確認します。
- 窓を閉めても冷たい風を感じる
- 新築なのに足元が寒い
- コンセントから冷気を感じる
- C値の測定結果がない
- 隙間風かコールドドラフトか分からない
住宅会社を決める前でも構いません。
「高気密」という言葉だけではなく、測定結果と施工内容で確認できる家づくりをご提案します。










