記事詳細

返済負担率を満たせば、無理なく返せる?

返済負担率を満たせば、無理なく返せる?

結論 :返済負担率は家計の安全率ではない

A 返済負担率の基準を満たしても、無理なく返せるとは限りません。審査では年収に対する返済額の割合を確認しますが、家族の教育費、介護、車、趣味、老後への積立まで同じ比率で把握できるわけではありません。銀行が認める上限と、自分たちが安心して暮らせる予算は分けて決めます。

例えばフラット35には、年収区分に応じた総返済負担率の基準があります。ほかの借入も含む制度上の条件であり、「その割合まで借りることを推奨する数字」ではありません。別の銀行の商品では計算する金利や借入の扱いも確認が必要です。広告の比率だけで家庭の正解を決めないようにしましょう。[資料01]

返済負担率は、一定の収入に対する年間返済額の割合であり、教育費や食費等を一件ずつ差し引いた家計診断ではありません。基準以内であることと、家族にとって余裕があることは別です。同じ割合でも、扶養人数、車、介護、退職までの年数で残るお金が変わります。銀行の基準を借入上限の確認に使い、家族の予算は手取りと支出から別に設定します。

年収に対する割合と手取りからの支出を分ける

仮に年収600万円、年間の返済が120万円なら、単純に割った割合は20%です。しかし手取りから月10万円を払い、さらに固定資産税や修繕積立を出したときにいくら残るかは別の計算になります。この数字は説明用で、どの家庭にも安全な割合を示しているわけではありません。

最初は直近一年の実際の生活費を確認します。毎月一定の支出と、税金、車検、旅行、学費等の年払いを分け、年払いは月額へ直しておきます。今の家賃との差だけで返済余力を判断すると、持ち家になって増える支出や、たまたま少なかった年の生活費を見落としやすくなります。

年払いの保険や数年ごとの設備交換も、支払月だけの例外として外さないようにします。例えば将来の交換へ年12万円を確保するなら、月1万円の積立として返済と並べます。予想額は見積もり等で更新しますが、積立をゼロにして比率だけを良く見せる計画は避けましょう。

仮定例で額面年収600万円、年間返済120万円なら割合は20%です。しかし手取りが年450万円なら、同じ120万円は手取りの約26.7%になります。どちらも計算の分母が違うためです。実際の手取りは本人の条件で確認します。さらに税・保険・修繕等の住居費を加え、「ローンを払った後の生活費と積立」がいくら残るかを計算してください。

住宅ローン以外の返済を漏らさない

車、教育、カードローン、分割払い、ボーナス返済を含めて、毎年いくら返すかを整理します。銀行への申告では商品の指定に従い、家計の表では実際に出ていくお金をすべて入れてください。審査上の計算から除かれる支払いがあっても、生活費から消えるわけではありません。

既存借入を完済する予定なら、完済に使う現金も計算します。毎月の返済が減っても貯蓄が底をつけば、引越しや故障で新しい借入が必要になることがあります。返済負担率の改善だけを見るのではなく、完済後の預貯金と入居までの支払日を同じ表で確認しましょう。

住宅以外の返済は、一か月分の引落しだけで調べず、契約と予定表から年間額にします。車、教育、奨学金、カード等で銀行が求める申告範囲を確認します。仮定例で住宅月9万円、車月3万円、賞与返済年12万円なら、年間返済は156万円です。住宅分108万円だけを見ると48万円を見落とします。終わる予定の借入も、何の証明で除外されるかを聞きます。

収入減と金利変化を重ねて試算する

共働きの片方が育休や時短になる年、子どもの進学が重なる年、退職後など、家計が変わる時期を並べます。変動金利を選ぶなら、現時点の返済額に加え、金利が上がった場合の返済表を銀行へ依頼してください。基準を満たすかだけでなく、生活の何を調整する必要があるかまで考えます。

例えば手取りが月5万円減る場合と、住宅関連支出が月2万円増える場合を別々に試し、必要なら同時に起きるケースも見ます。これは将来の予測ではなく、家計が耐えられる範囲を探す仮定です。試算で赤字になるなら、借入を増やす方法を探す前に、総予算と手元資金を見直す判断が必要です。

返済試算は、基準のケース、収入減、金利上昇、その両方を作ります。仮定例として3,000万円・35年・元利均等・ボーナス返済なしなら、金利が全期間一定で年1.5%の場合は月約9.19万円、年2.5%なら約10.72万円です。これは将来金利の予測や実際の変動ローンの改定手順ではありません。金利以外に収入が月5万円減る場合も重ね、耐えられる幅を見ます。

残したい資金から住宅予算を逆算する

生活の予備資金、教育資金、老後資金、建物の修繕・設備交換を分けておきます。残したい額を先に決めると、「今の残高を全部頭金に入れれば買える」という見方を避けられます。何か月分の生活費を残すかは雇用や家族条件で変わるため、一律の数字を正解にはしません。

設計の減額では、面積、形状、設備の追加機能、装飾等から比較し、安全や必要性能を無計画に削らないようにします。建物価格を抑えても光熱費や修繕費が増えれば、家計改善につながらないことがあります。初期費用と住んだ後の費用を合わせて判断することが、返済の不安を減らします。

先に守る金額を決めると、予算の順序が変わります。教育積立、老後資金、車の更新、生活予備費を差し引き、残額から住居費の上限を考えます。仮定例で手取り35万円、住居以外の支出と積立が25万円なら、住居全体へ回す額は10万円です。この中に税・保険・修繕等も入るなら、ローンだけで10万円を使う計画とは異なります。

相談で二種類の上限を示してもらう

金融機関には、審査上の借入可能額と計算の前提を確認します。そのうえで家計相談では、実際の手取り、将来の予定、残す資金から無理の少ない返済額を計算します。「銀行では借りられるが、家庭の予算では減らす」という結論になっても、それは計画を整えるための有用な判断です。

住宅会社には「借入上限に合わせるのではなく、この総予算内で提案してください」と伝えましょう。比率を守ること自体をゴールにせず、家を建てた後に何を続けたいかを家族で確認してください。返済後も必要な貯蓄ができる計画かどうかが、契約前に確かめたい判断材料です。

面談では「審査上の借入上限」と「家族の収支で選ぶ予算上限」の二つを示してもらいます。前者が大きいから後者を引き上げる必要はありません。五十代・六十代では完済年齢だけでなく、年金期の残高と設備更新の重なりも確認します。今の返済額が家賃並みという説明にとどめず、住み続ける総支出と残る資金で判断することが重要です。

関連URL

1 住宅金融支援機構 フラット35のご利用条件

総返済負担率の基準と対象となる借入を確認できます。この基準とは別に家計の余力を計算します。

https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions/index.html

2 住宅金融支援機構 住宅ローンシミュレーション

借入額・期間・金利等を変えた返済試算に使えます。税・保険・修繕等は別途家計に加えてください。

https://www.flat35.com/simulation-info/index.html

デザインハウス甲府
〒400-0118 山梨県甲斐市竜王1656-17
営業時間 9:00~18:00 / 定休日 水曜日

PAGE TOP ▲
ライン
フェイスブック
ツイッター
インスタ
イベント情報
電話番号
お問い合わせ