転職するなら、本審査の後が安全?
結論 :本審査後でも融資実行前の転職は相談が必要
A 本審査が承認された後なら転職しても安全、とはいえません。承認はその時点の勤務や収入等を前提にしており、融資実行前に変われば再確認や再審査が必要になる場合があります。転職が決まったときは、実行日まで黙って待たず、金融機関へ連絡してください。
銀行の公式解説でも、正式審査後であっても実行前の転職により審査結果が変わる可能性が説明されています。退職日を一日ずらせば大丈夫という問題ではありません。既に予定している変更は、内定や退職の状況を含めて相談し、何を追加提出するか確認します。[資料28]
本承認は、その時点で示した雇用・収入等を前提とするため、実行前の転職を無条件に安全とはいえません。転職が望ましい人生の選択であることと、ローンの手続きをどう調整するかは分けます。銀行へ連絡する前に退職日や入社日を隠すのでなく、変更の見込みが分かった段階で確認します。住宅会社だけの「大丈夫」という返答を、銀行の承認に置き換えません。
予定と決定と実際の入社日を分ける
転職を考え始めた段階、内定を受けた段階、退職が決まった段階では、分かっている情報が違います。銀行には、いつ何が確定したかを事実に沿って伝えます。現職の給与が続いているから今後の変更は関係ない、と自己判断しないでください。申込書に更新すべき情報があるかも確認しましょう。
相談時は、現職の退職日、新会社の入社日、雇用形態、固定給、試用期間、賞与の予定を一覧にします。勤務地と新居への入居予定が変わる場合も説明します。必要以上に私生活を細かく話すのではなく、融資の前提に関わる変更を整理して伝えると、銀行側も確認事項を示しやすくなります。
銀行へ連絡した後に、内定先や入社日が再び変わる場合もあります。そのときは前の回答を使い続けず、新しい条件を伝えてください。退職を取り消した場合も、勤務の継続を何で確認するかを聞きます。転職について一度話せば完了ではなく、実行時点の事実と一致させることが大切です。
内定、入社承諾、退職届、最終出勤、退職、入社、最初の給与日を並べます。検討中か決定済みかも正確に伝えます。仮定例で退職が3月末、最初の給与が5月末なら、4〜5月の生活資金が必要になる可能性があります。実行日だけを合わせても、その間の現金が足りなければ家計は苦しくなります。給与の締め・支払日も勤務先の条件で確認してください。
給与が増えても条件は同じとは限らない
転職で年収が上がる予定でも、収入の証明方法、勤続期間、雇用の継続性等の確認が必要です。基本給は増えても賞与が未確定、試用期間中は別給与、入社月の支給が少ないといった場合もあります。採用通知にある見込年収と、家計に実際に入る現金を区別してください。
例えば従来の年収500万円から見込600万円になる場合も、その100万円を前提に住宅予算を上げる前に銀行へ照会します。これは給与変更の例で、増額なら承認されるという基準ではありません。転職前後の収入資料をそろえ、元の申込条件と変更後の条件を比較することが先です。
転職後の額面が上がっても、試用期間、賞与算定、歩合、雇用期間等が変われば、銀行の確認事項は増えます。家計側では社会保険や通勤、転居費等も更新します。内定通知に記載された予定年収と、継続的に受け取れる手取りを混同しません。銀行に求められた資料と再確認の時期を聞き、転職前の源泉徴収票だけで実行まで進めてよいと自己判断しないことです。
土地と工事の支払いへの影響を調べる
再確認によって融資実行日が動く可能性がある場合は、土地代、着工金、中間金、完成金の期限を見ます。つなぎ融資や土地先行融資を使っている人は、そちらの条件や期限にも影響がないか確認してください。住宅会社へ転職を伝えるだけで、銀行への届出を済ませたことにはなりません。
売買契約のローン特約も、自分の転職に伴う状況まで当然に適用されるとは限りません。契約書の条件を専門家と確認し、必要なら期限前に相手方と協議します。新しい勤務先への入社準備と契約の期限が重なるため、誰がどの窓口へいつ連絡するかを決めておきましょう。
土地代、着手金、中間金、残金の支払日と、融資を再確認する日を照合します。つなぎ融資等を利用中なら、本体ローンが実行できない場合の期限や費用も確認します。建築工程が止まらなくても資金の条件が変わる可能性があります。契約相手方への連絡と必要な期限延長は別に協議し、銀行の返事が出るまで全ての契約期限が待つと思い込まないでください。
仕事の判断と住宅の判断を同時に整理する
住宅ローンのためだけに必要な転職を諦めるべきだ、と一律にはいえません。今の仕事を続ける負担、転職の条件、家族の生活、住宅計画を比べます。必要であれば家の契約や着工を待つ案、予算を下げる案も作り、仕事の予定を隠して住宅だけ先に成立させる方法は採りません。
融資実行後に勤務が変わる場合も、契約上の届出事項や住所・居住状況の変更を確認してください。転職したら必ず直ちに全額返済になるという一般論で怖がる必要はありません。返済を続ける見通しと契約に沿った連絡を整え、不明点は借入先の正式な窓口で確認することが大切です。
選択肢は、転職時期の相談、住宅契約の日程調整、借入額の見直し、購入延期等です。どれかを無理に選ばせるのでなく、家族の仕事、生活、資金、契約への影響を比較します。仮定例で入居延期2か月の家賃16万円が必要でも、将来の勤務条件と比べると意味は変わります。住宅ローンを優先して必要な転職まで否定するのでなく、両方が成立する順序を探します。
変更前に必要な手続きを確認する
質問は「この転職予定で承認条件を再確認する必要があるか」「何をいつまでに提出するか」「実行予定日は変わるか」です。銀行の回答と住宅会社の支払日を合わせ、未確定なら次の報告日を決めます。口頭の「多分大丈夫」だけで退職と決済を並べないようにしましょう。
本審査は大きな節目ですが、条件変更を知らせなくてよくなる境目ではありません。転職の是非は家族と仕事の事情で決めつつ、住宅の資金計画を実態へ更新します。後から発覚して慌てるより、分かった時点で相談し、仕事と家の両方が成立する日程へ組み直すことが現実的な進め方です。
銀行の回答は、追加書類、審査のやり直しの有無、既存承認の扱い、実行見通しで確認します。連絡した日時と内容を残し、変更後の条件を住宅会社の資金表へ反映します。正式な回答が出ないまま、新しい収入を前提に追加工事を増やさないことです。転職後に再相談するなら、実績資料がそろう時期と現金予算を決め、無理のない住宅計画へ組み直します。
関連URL
1 三菱UFJ銀行 事前審査に通っても本審査で通らない理由
事前審査と本審査の間に条件が変わる場合の注意点を確認できます。転職等が決まった時点の相談に使います。
https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/column/033/index.html
2 三菱UFJ銀行 転職後の住宅ローンと審査の注意点
転職後の住宅ローンの確認点を整理できます。新しい収入・勤続実績と必要資料を説明する際に参照します。










