Q. 補修用部品は、生産終了後何年間保管される?
A. 一律ではありません。メーカーや製品によって、生産終了後2年、6年、10年、15年など大きく異なります。重要なのは、購入日ではなく、その製品の生産が終了した日から数える場合があることです。
住宅設備が故障したとき、修理には交換部品が必要です。
しかし、メーカーがすべての部品を永久に保管しているわけではありません。
補修用部品の保有期間が終了すれば、小さな部品の故障でも設備全体を交換しなければならない可能性があります。
部品保有期間は購入日からではない
補修用部品の保有期間は、一般的に、その商品の生産終了時点から数えます。
例えば、
- 製品の生産終了:2024年
- 住宅への設置:2026年
- 部品保有期間:生産終了後6年
なら、部品保有期間の目安は2030年までです。
2026年に新品として設置しても、購入後6年間となる2032年まで部品が保管されるとは限りません。
販売終了間近の商品や、在庫品を採用する場合は特に注意が必要です。
メーカーと製品による保有期間の違い
メーカーが公表している現行の例には、次のようなものがあります。
- LIXILのキッチン製品:製造打ち切り後6年
- LIXILのBL認定品:製造打ち切り後10年
- TOTOのシステムキッチン:生産終了後10年
- TOTOのレストルーム商品:生産終了後10年
- TOTOの大便器洗浄関連部品:生産終了後15年
- TOTOのキッチン扉・引き出し面材:生産終了後2年
- 三菱電機の換気扇・住宅用ロスナイ:製造打ち切り後6年
- 三菱電機のBL対象換気扇:製造打ち切り後8年
- 三菱電機の一部浴室乾燥・暖房・換気システム:製造打ち切り後11年
同じ住宅設備でも、部品によって保有期間は大きく異なります。
「住宅設備の部品は10年間保管される」と一括りにはできません。
保有されるのはすべての部品ではない
メーカーが公表するのは、主に「補修用性能部品」の保有期間です。
補修用性能部品とは、製品の機能を維持するために必要で、使用中に交換が必要になる可能性が高い部品です。
すべての部品が同じ期間保管されるとは限りません。
例えば、
- キッチン扉の色柄
- 引き出しの面材
- 化粧カバー
- 飾り部材
- 取っ手
- リモコン
- フィルター
- パッキン
- 消耗品
などは、別の保有期間が設定されたり、補修用性能部品の対象外になったりする場合があります。
機能は直せても、同じ色やデザインへ戻せないことがあります。
保有期間内でも同じ部品とは限らない
部品保有期間内であっても、設置時と同じ部品が提供されるとは限りません。
メーカーによっては、
- 形状が異なる代替部品
- 材質が異なる部品
- 色が異なる部品
- 後継機種用の部品
で対応する場合があります。
機能が回復すれば修理完了となり、見た目が完全に元どおりにならない可能性があります。
特にキッチンや洗面化粧台では、一枚の扉だけを交換したくても同じ色柄がなく、複数枚を交換しなければ見た目がそろわない場合があります。
キッチン一式でも保有期間は別々
システムキッチンには、複数メーカーの機器が組み込まれています。
- キッチン本体
- 水栓
- 食器洗い乾燥機
- IHクッキングヒーター
- ガスコンロ
- レンジフード
- 浄水器
これらがすべて同じ期間、部品を保管しているとは限りません。
キッチン本体の部品保有期間が10年でも、食洗機やIH、レンジフードは、それぞれの機器メーカーが定める保有期間になります。
キッチンメーカーの保証書だけでなく、組み込み機器ごとの取扱説明書を確認する必要があります。
換気設備は特に注意が必要
第一種熱交換換気には、
- モーター
- 制御基板
- 熱交換素子
- リモコン
- フィルター
- センサー
などが使われています。
機器の製造打ち切り後に補修部品の保有期間が終了すれば、モーター一つの故障でも本体交換になる可能性があります。
後継機種の寸法やダクト接続位置が違えば、天井や壁の工事まで必要になる場合があります。
高気密住宅では換気設備が止まると室内環境へ大きく影響するため、性能だけでなく、部品供給と交換のしやすさも重要です。
保証期間中でも部品がない可能性
住宅設備10年保証は、住宅の引き渡し日から数えることがあります。
一方、部品保有期間は製品の生産終了時点から数えます。
そのため、
- 10年保証は残っている
- しかし補修部品の保有期間は終了している
という状態が起こる可能性があります。
この場合に、
- 代替部品で修理する
- 同等品へ交換する
- 新しい設備との差額を所有者が負担する
- 本体代だけ保証する
- 修理不能として保証対象外になる
のかは、保証規程によって異なります。
10年保証だけでなく、部品がない場合の対応まで確認する必要があります。
部品がなければ設備全体を交換することもある
小さな部品が一つ壊れただけでも、部品がなければ設備本体を交換しなければなりません。
例えば、
- 水栓部品がなく洗面化粧台一式を交換
- 食洗機の基板がなく食洗機本体を交換
- 換気設備のモーターがなく換気本体を交換
- 給湯器の部品がなく給湯器一式を交換
- トイレの電子部品がなく便座や便器を交換
という可能性があります。
部品代数千円で済むはずだった修理が、本体交換と工事費を含めて大きな負担になることもあります。
住宅会社独自の部材にも注意
住宅会社が独自開発した設備や専用部材は、一般の設備業者では修理できない場合があります。
専用部材の供給が終了したり、住宅会社が事業から撤退したりすれば、代替品を探すことが難しくなる可能性があります。
特殊な部材や独自仕様を採用するときは、
- 汎用品で代替できるか
- 他社でも交換できるか
- 部品を何年間保有するか
- 会社がなくなった場合に入手できるか
を確認してください。
デザイン性や独自性だけでなく、将来の修理性まで考える必要があります。
契約前に確認する質問
住宅会社やメーカーへ、次の質問をしてください。
- 補修用部品は生産終了後何年間保有されますか
- 採用する設備は現在も生産中ですか
- 生産終了の予定はありますか
- 組み込み機器も同じ保有期間ですか
- 扉や面材などの外観部品は何年保有されますか
- 保有期間内でも代替部品になることはありますか
- 部品がない場合は設備ごと交換されますか
- 設備保証期間中に部品がなくなったらどうなりますか
- 本体交換時の工事費も保証されますか
- 他メーカーの後継品へ交換できますか
引き渡し時には、設備ごとのメーカー名、商品名、型番、製造番号を一覧にして保管してください。
補修用部品の保有期間は、住宅の保証年数より短い場合があります。
60年保証の住宅でも、設備部品が6年や10年で供給終了すれば、同じ設備を60年間修理し続けることはできません。
住宅設備を選ぶときは、価格やデザインだけでなく、生産終了後の部品保有期間と交換のしやすさまで確認してください。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁
※LIXILは、キッチン製品の補修用性能部品を製造打ち切り後6年、BL認定品は10年保有すると公表しています。LIXIL「キッチン製品の保証」
※TOTOは、システムキッチンの補修用性能部品を生産終了後10年、扉・引き出しの面材を2年保有すると公表しています。TOTO「システムキッチンの補修用性能部品」
※三菱電機は、換気扇・住宅用ロスナイの補修用性能部品を製造打ち切り後6年保有すると公表しています。三菱電機「換気扇の取り替え目安」










