網戸・シャッター・面格子は本当に別料金?
A. 別料金になる住宅会社はあります。窓本体が標準でも、網戸・シャッター・面格子は別の商品として扱われるからです。「窓工事一式」に含まれているとは限りません。
特に注意したいのが、
高性能サッシ・Low-E複層ガラス標準
という説明です。
これは窓本体とガラスの性能を示しているだけで、網戸・シャッター・面格子まで含むとは限りません。
住宅業界共通の標準仕様はない
住宅会社によって、標準範囲は大きく違います。
| 窓まわり部材 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 網戸 | 開く窓すべて標準 | 引違い窓だけ標準 | すべて別料金 |
| 手動シャッター | 1階掃き出し窓のみ | 2カ所まで標準 | すべて別料金 |
| 電動シャッター | 差額対応 | すべて別料金 | 採用不可 |
| 面格子 | 浴室・洗面のみ | 2カ所まで | すべて別料金 |
LIXILでも、同じ窓シリーズに「単体」「シャッター付」「雨戸付」「面格子付」など、異なる商品構成が用意されています。LIXIL「窓シリーズ商品」
つまり、窓を採用したからといって、シャッターや面格子が自動的に付くわけではありません。
網戸は窓本体に含まれないことがある
網戸は、窓メーカーの見積書では窓本体とは別部材として計上される場合があります。
住宅会社が網戸を含めて標準価格を設定していれば追加料金は出ません。しかし、窓だけを標準計上している会社では、契約後に網戸代が追加されます。
網戸が付きやすい窓
- 引違い窓
- 上げ下げ窓
- 縦すべり出し窓
- 横すべり出し窓
- 勝手口ドア
窓の開き方によって、引違い網戸、固定網戸、ロール網戸など種類が変わります。
網戸が必要ない窓
開閉できないFIX窓には、通常網戸を付けません。
したがって「全窓網戸付き」と書かれていても、FIX窓は対象外です。
網戸にもグレードがある
網戸なら何でも同じではありません。
- 一般的な網
- 網目が細かい防虫タイプ
- 視界がクリアなタイプ
- 花粉対策タイプ
- ペット対応ネット
- 破れにくい網
- 収納式ロール網戸
標準網戸から細かい網目やペット対応品へ変更すると、追加料金が出る場合があります。
LIXILでも一般的な網戸だけでなく、ペットネットやストッパーなど複数の仕様を用意しています。LIXIL「網のタイプ」
網戸の追加費用目安
| 網戸の種類 | 1カ所当たりの概算 |
|---|---|
| 小窓用網戸 | 5,000~1万5,000円 |
| 引違い窓用網戸 | 1万~2万円 |
| 掃き出し窓用網戸 | 1万5,000~3万円 |
| ロール網戸 | 1万5,000~4万円 |
| ペット・高機能網戸 | 標準から数千~2万円増 |
窓の大きさや種類、取付費によって変わります。
12枚の窓に網戸を付ければ、合計10万~20万円になることもあります。
シャッターは基本的に別商品
シャッターには、主に次の役割があります。
- 台風や飛来物への備え
- 防犯上の抑止
- 外部からの視線対策
- 夜間の安心感
- 雨風の軽減
ただし、法律上すべての住宅へ設置しなければならない設備ではありません。
住宅会社が「1階の掃き出し窓2カ所まで標準」と設定していなければ、原則として追加費用になります。
手動と電動では金額が大きく違う
| シャッター | 1カ所当たりの概算 |
|---|---|
| 小窓用手動シャッター | 8万~15万円 |
| 掃き出し窓用手動シャッター | 10万~20万円 |
| 電動シャッター | 18万~35万円 |
| 採風・スリット電動シャッター | 25万~45万円以上 |
電動シャッターは商品代だけでなく、電源、配線、スイッチ、リモコン設定なども必要です。
契約後に電動へ変更すると、配線工事まで追加される可能性があります。
すべての窓にシャッターを付けられるとは限らない
窓の種類や設置位置によっては、シャッターを付けられない場合があります。
- 横すべり出し窓
- 縦すべり出し窓
- 丸窓・台形窓
- コーナー窓
- 大開口窓
- 軒や庇と干渉する窓
- 隣地境界に近い窓
- シャッターボックスを設置できない窓
また、窓の上にシャッターボックスが付くため、外観デザインにも影響します。
設計後に「やはりシャッターを付けたい」と希望しても、窓の変更や構造部分の調整が必要になることがあります。
面格子も窓とは別料金になりやすい
面格子は、浴室、洗面脱衣室、トイレなどの小窓へ設置されることが多い部材です。
主な目的は、
- 侵入をためらわせる
- 外からの視線を抑える
- 窓まわりの安心感を高める
ことです。
YKK APも、面格子について、侵入をためらわせる視覚的な抑止効果があると説明しています。YKK AP「面格子をつける」
ただし、一般的な面格子を付けただけで、絶対に侵入されないわけではありません。
面格子の追加費用目安
| 面格子の種類 | 1カ所当たりの概算 |
|---|---|
| 一般的な縦格子 | 3万~7万円 |
| 井桁・ヒシクロス格子 | 4万~9万円 |
| 高強度面格子 | 6万~15万円 |
| 目隠し可動ルーバー | 8万~18万円 |
商品代、窓サイズ、取付方法、足場の有無で変わります。
洗面・浴室・トイレの3カ所へ取り付ければ、合計15万~30万円になることもあります。
50万円以上増える例
30坪の住宅で、契約時の見積書に網戸・シャッター・面格子が含まれていなかったケースです。
| 追加内容 | 金額例 |
|---|---|
| 網戸9カ所 | 12万円 |
| 手動シャッター2カ所 | 24万円 |
| 面格子3カ所 | 15万円 |
| 合計 | 51万円 |
「高性能サッシ標準」と説明されていても、窓まわり部材を加えるだけで51万円増えています。
金利2%・35年の住宅ローンに含めれば、51万円の総支払額は概算約71万円です。
面格子を付ければ必ず安全とは限らない
防犯対策は、面格子だけで考えるものではありません。
- 防犯合わせガラス
- 補助錠
- 防犯センサー
- シャッター
- 窓を小さくする
- 窓位置を高くする
- 外部照明
- 防犯カメラ
- 侵入者の足場になる物を置かない
などを組み合わせます。
面格子が避難や清掃、窓のメンテナンスを妨げることもあるため、設置位置まで検討します。
シャッターを付ける窓の優先順位
予算が限られる場合は、すべての窓へ付ける必要はありません。
優先順位の一例です。
- 1階の大きな掃き出し窓
- 道路や隣家から見えにくい窓
- 人が侵入できる大きさの窓
- 台風時に飛来物を受けやすい窓
- 寝室・子ども部屋の大きな窓
一方、小さな高窓やFIX窓は、窓の大きさ・位置・ガラス仕様で防犯性を高める方法もあります。
後付けは新築時より高くなる
網戸は比較的後付けしやすい部材ですが、シャッターや面格子は外壁への取付工事が必要です。
完成後では、
- 現地採寸
- 外壁への穴開け
- 防水処理
- 電気配線
- 足場
- 既存部材との干渉調整
が必要になり、新築時より高くなることがあります。
電動シャッターを検討しているなら、少なくとも新築時に電源・配線・下地まで準備しておくべきです。
契約前に「窓番号ごとの一覧」をもらう
「網戸付き」「シャッター2カ所標準」という説明だけでは不十分です。
窓ごとに次を確認します。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 窓番号 | 図面上の窓と対応しているか |
| 窓の種類 | 引違い・すべり出し・FIXなど |
| 網戸 | 有無・種類・網目 |
| シャッター | 有無・手動・電動 |
| 面格子 | 有無・種類 |
| ガラス | 防犯合わせガラスか |
| 追加金額 | 商品・取付費・税込みか |
| 後付け対応 | 将来設置できる窓か |
住宅会社には、こう質問してください。
「窓ごとに、網戸・シャッター・面格子の有無と追加金額を一覧にしてください」
「窓一式」に安心しない
見積書に、
高性能サッシ一式 標準
と書かれていても、網戸・シャッター・面格子まで含む保証にはなりません。
確認すべきなのは窓の性能だけではなく、入居後に必要な状態まで完成しているかです。
窓は標準でも、虫を防ぐ網戸、台風に備えるシャッター、防犯を補う面格子は別かもしれません。
正直な住宅会社は「窓付き」とだけ説明せず、窓1カ所ごとの付属品と追加金額を、契約前に明らかにします。










