Q. 紹介会社に断りを代行してもらうと、住宅会社へ何が伝わる?
A. 伝えられる内容は、紹介会社の運用や相談者が伝えた断り理由によって異なります。「今回は見送る」という結果だけでなく、予算、希望条件、営業担当者への評価、他社で進める予定などが住宅会社へ伝わる可能性があります。代行を頼む前に、何をどこまで伝えるのか確認してください。
無料住宅相談サービスのメリットとして、
「住宅会社への面倒なお断りを代行します」
と説明されることがあります。
住宅会社の担当者へ直接断りにくい人にとって、便利なサービスです。
しかし、紹介会社へ話した断り理由が、そのまま住宅会社へ伝わるとは限りません。
反対に、相談者が伝えるつもりのなかった詳しい情報まで共有される可能性も考えられます。
「断りを代行してもらう」という一言の裏で、何が伝達されるのかを確認する必要があります。
住宅会社へ伝わる可能性がある内容
紹介会社から住宅会社へ、次のような内容が伝えられる可能性があります。
- 今回は商談を終了すること
- 予算が合わなかった
- 見積りが高かった
- 希望する性能が標準ではなかった
- 間取りが希望と違った
- 営業担当者と相性が合わなかった
- 連絡や提案が遅かった
- 契約を急かされた
- 他社で契約する予定
- 家づくりを延期する
- 住宅ローンに不安がある
- 家族の意見がまとまらない
- 建築予定地が変わった
- 相談者からの評価や不満
紹介会社が、提携住宅会社の営業改善や紹介結果の管理を行っている場合、単なる辞退連絡ではなく、断られた理由まで報告する可能性があります。
断り理由を聞くこと自体は悪くない
紹介会社が断り理由を確認することには、一定の意味があります。
- 次の紹介精度を上げる
- 住宅会社の問題点を把握する
- 同じ苦情が繰り返されていないか確認する
- 担当者対応を改善する
- 提携継続の判断材料にする
- 相談者の希望条件を修正する
例えば、
「紹介された住宅会社は、付帯工事を含めると予算を500万円超えました」
という情報があれば、次は総額が予算内に収まる会社を選び直せます。
問題は、情報を集めることではありません。
相談者が、誰へ何を伝えられるのか知らないまま情報が共有されることです。
「担当者が合わなかった」は、そのまま伝わる可能性がある
住宅会社を断る理由として、営業担当者への不満を伝えることがあります。
- 連絡が遅かった
- 話を聞いてもらえなかった
- 予算を上げる提案ばかりだった
- 契約を急かされた
- 他社を悪く言った
- 説明が分かりにくかった
- 質問への回答が曖昧だった
この内容を紹介会社へ話すと、担当者名とともに住宅会社へ伝えられる可能性があります。
住宅会社の改善につながる一方、相談者は、
「自分が苦情を言ったと知られたくない」
と考える場合もあるでしょう。
匿名化して伝えるのか、相談者名を付けて報告するのかを確認してください。
住宅ローンや年収の情報まで伝わる可能性
断り理由が予算や融資に関係する場合、紹介会社から住宅会社へ、
- 世帯年収
- 自己資金
- 希望借入額
- 事前審査の結果
- 既存借入れ
- 予算不足額
- 他社で提示された金額
などが伝わる可能性があります。
これらは重要な個人情報です。
次の住宅会社を紹介するために必要な場合もありますが、すべての提携会社へ共有する必要があるとは限りません。
「予算が合わなかった」という説明と、
「年収600万円、自動車ローン残高150万円、事前審査3,500万円が減額承認だった」
という説明では、情報量がまったく違います。
断り代行を依頼する前に、金融・家計情報をどこまで伝えるか指定してください。
「他社で決めた」と伝える必要はあるのか
営業連絡を止めるために、
「他社で決めました」
と伝える方法があります。
これは、住宅会社にとって分かりやすい終了理由です。
ただし、次の情報まで伝える必要があるかは別です。
- 契約した住宅会社名
- 契約金額
- 選んだ理由
- 間取りや仕様
- 契約予定日
紹介会社は、成約先や自社の報酬対象を確認するため、詳しい情報を求める可能性があります。
相談者が自分で見つけた会社と契約する場合も、どこまで報告する義務があるのか、利用規約を確認してください。
必要以上に契約先や金額を伝える必要がない場合もあります。
紹介会社が住宅会社を守る表現へ変えることもある
相談者が、
「営業担当者の対応が悪かったので断ります」
と伝えても、紹介会社が住宅会社へ、
「お客様の事情により今回は見送りとなりました」
と柔らかく伝える場合があります。
角が立たないという利点はあります。
一方で、住宅会社の問題点が改善されない可能性もあります。
反対に、相談者が単に、
「今回は合いませんでした」
と伝えただけなのに、紹介会社が推測した理由を住宅会社へ説明する可能性もあります。
相談者の意図と違う説明にならないよう、伝達文を確認することが重要です。
断った後も住宅会社から連絡が来る場合がある
紹介会社へ断りを代行してもらっても、住宅会社からの営業連絡が自動的にすべて止まるとは限りません。
住宅会社側の顧客管理システムに、
- 氏名
- 電話番号
- メールアドレス
- 住所
- 希望条件
- 面談記録
が残っている可能性があります。
担当者からの電話は止まっても、
- メールマガジン
- 完成見学会案内
- ダイレクトメール
- ショートメッセージ
- 別担当者からの連絡
が続く場合があります。
営業連絡を止めたいなら、断り代行と同時に、
「今後の電話、メール、郵送による営業連絡は不要です」
と伝えてもらってください。
個人情報の削除まで代行するとは限らない
断り代行は、商談終了の連絡にすぎない可能性があります。
住宅会社が保有する個人情報の削除や利用停止まで依頼するサービスとは限りません。
確認すべきなのは、
- 商談終了だけを伝えるのか
- 営業連絡停止も伝えるのか
- 個人情報の削除を依頼するのか
- 削除できない情報があるのか
- 紹介会社側の情報も削除されるのか
- 提携会社間で共有された情報はどうなるのか
です。
法令上、契約や対応履歴など一定の情報を保管する必要がある場合も考えられます。
そのため、すべてを直ちに削除できるとは限りません。
何が残り、何に使われるのかを確認してください。
断り代行後に別会社を強く勧められることがある
一社を断ると、
「それでは別の会社をご紹介します」
と提案されることがあります。
断り理由が紹介会社へ蓄積されるため、次の候補を選びやすくなる面があります。
しかし、相談者が一度立ち止まりたいのに、すぐ次の面談を設定されるなら注意が必要です。
断り代行を頼むときに、
- 次の紹介を希望する
- 一旦紹介を停止する
- 自分から連絡するまで待ってほしい
のどれかを明確に伝えてください。
住宅会社を断ることと、次の紹介へ同意することは別です。
断り理由が紹介会社の評価へ使われる
紹介会社は、住宅会社ごとに次の情報を管理している可能性があります。
- 紹介件数
- 面談率
- 辞退率
- 成約率
- 平均契約金額
- 辞退理由
- 苦情内容
- 営業担当者別の評価
- 契約までの日数
この管理自体は、サービス改善に役立ちます。
ただし、相談者の断り理由が住宅会社の改善に使われるのか、紹介会社の成約率を上げるためだけに使われるのかは分かりません。
匿名化して統計利用するのか、個別案件として共有するのかも確認したいところです。
代行前に伝達内容を文章で指定する
認識違いを防ぐには、相談会社へ伝達文を指定する方法があります。
最小限の断り方
今回は検討を終了します。具体的な理由や個人情報の追加共有は不要です。今後の営業連絡も停止してください。
予算を理由にする場合
提示された総額が予算を超えたため、今回は見送ります。年収、借入れ、事前審査結果などの詳細は共有しないでください。
担当者対応を改善してほしい場合
契約を急かされたことと、質問への回答が不明確だったことが辞退理由です。今後の改善のため住宅会社へ伝えて構いませんが、相談者名は伏せてください。
次の紹介も止める場合
今回の住宅会社は辞退します。また、新しい住宅会社の紹介も一旦停止し、本人の同意なく個人情報を他社へ提供しないでください。
口頭だけでなく、メールやチャットで残すことが重要です。
相談会社へ確認すべき10の質問
- 断り代行では住宅会社へ何を伝えますか
- 私が話した理由を、そのまま伝えますか
- 伝達前に文章を確認できますか
- 匿名で理由を伝えられますか
- 年収や住宅ローン情報も共有しますか
- 他社で契約する場合、会社名まで伝えますか
- 営業連絡の停止も依頼できますか
- 個人情報の削除・利用停止も依頼できますか
- 辞退理由を統計や営業評価へ使いますか
- 断った後の新しい紹介を停止できますか
「こちらでうまく伝えておきます」という言葉だけで任せないことです。
何をもって「うまく」なのかは、相談者と紹介会社で違う可能性があります。
結論
紹介会社へ断りを代行してもらうと、住宅会社には辞退の事実だけでなく、
- 予算
- 希望条件
- 担当者への評価
- 住宅ローンの状況
- 他社で進める予定
- 家づくりの延期
などが伝わる可能性があります。
断り代行は便利ですが、伝達内容まで紹介会社へ白紙委任してはいけません。
断ることを任せても、個人情報と断り理由の使い方まで任せる必要はありません。
代行を依頼するときは、
- 何を伝えるか
- 何を伝えないか
- 匿名にするか
- 営業連絡を止めるか
- 個人情報をどう扱うか
- 次の紹介も止めるか
を書面で指定してください。
「断りにくさ」を解決するサービスが、新たな情報共有の不安を生んでは意味がありません。
相談者の意思を変えず、必要最小限の情報だけを正確に伝える相談会社を選ぶことが重要です。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁










