Q. 紹介された住宅会社と、必ず商談しなければならない?
A. 原則として、紹介されたという理由だけで、必ず商談や契約をしなければならないわけではありません。希望に合わない会社なら、面談前でも断れます。ただし、相談サービスの利用規約、予約条件、キャンセル方法は事前に確認してください。
無料住宅相談サービスで、
「あなたに合う住宅会社を3社選びました」
「まずは3社すべてと会ってください」
「比較するために面談は必要です」
と言われることがあります。
複数社を比較すること自体には意味があります。
しかし、紹介されたからといって、相談者がすべての住宅会社と商談する義務を当然に負うわけではありません。
会社名、価格帯、施工エリア、標準仕様などを確認し、明らかに希望と合わなければ、個人情報を渡す前や面談予約前に断ることができます。
紹介・面談・契約は別の段階
次の4段階を分けて考えてください。
- 住宅会社の情報を聞く
- 住宅会社への紹介に同意する
- 住宅会社と面談する
- 住宅会社と契約する
住宅会社の説明を聞いたことが、個人情報の提供への同意になるとは限りません。
紹介に同意したことが、面談の義務になるわけでもありません。
面談したことが、設計申込みや契約の承諾になるわけでもありません。
それぞれの段階で、相談者が判断できる必要があります。
「3社紹介されたから3社と会う」は絶対条件ではない
相談会社が3社を選んでも、相談者自身が内容を確認した結果、
- 予算帯が合わない
- 施工エリア外
- 希望する性能が標準ではない
- デザインの方向性が違う
- 着工時期が合わない
- 紹介理由に納得できない
- 会社の経営状態に不安がある
- すでに直接相談したことがある
なら、面談前に断る理由になります。
相談会社から、
「会ってみなければ分かりません」
と言われても、相談者が明確に合わないと判断した会社へ時間を使う必要はありません。
一方、先入観だけで優良な地元工務店を外してしまう可能性もあります。
断る前に、紹介理由と自分の希望に合う点を具体的に聞くとよいでしょう。
面談前に住宅会社名を教えてもらう
住宅会社名や基本情報を知らされないまま、
「まず予約を取りましょう」
と進められる場合は注意してください。
面談へ同意する前に、最低でも次の情報を確認します。
- 住宅会社名
- 所在地
- 施工エリア
- 建築価格の目安
- 総額に含まれる範囲
- 標準的な住宅性能
- 年間施工棟数
- 保証内容
- 着工可能時期
- 紹介する具体的な理由
- 紹介会社との提携関係
情報を確認しないまま予約すると、希望と合わない会社との商談へ時間を使うことになります。
相談者の時間にも費用がある
例えば、3社とそれぞれ3回面談し、1回2時間かかったとします。
3社×3回×2時間=18時間
移動が往復1時間なら、さらに9時間です。
合計27時間になります。
夫婦二人が参加すれば、家族全体では54時間分です。
時間をかけて比較する価値はあります。
しかし、最初から予算や性能が合わない会社まで含めて面談を増やす必要はありません。
比較する会社は、数より選定理由が重要です。
住宅会社側にも対応費用が発生する
住宅会社も、紹介された相談者との商談に時間と費用を使います。
- 営業担当者の面談
- 土地情報の収集
- 現地調査
- 間取り作成
- 見積り作成
- 資金計画
- 住宅ローン相談
- モデルハウス案内
相談者に面談意思がないのに、
「相談会社に言われたから、とりあえず会う」
という状態では、双方にとって効率がよくありません。
相談者が断りにくい仕組みで面談件数だけを増やすと、住宅会社にも無駄な負担が発生します。
紹介会社に面談目標がある可能性
紹介サービスの担当者が、次の数字で評価されている可能性があります。
- 紹介件数
- 面談予約件数
- 来場件数
- 商談化率
- 成約率
- 建築契約額
このような評価制度があるからといって、不適切な紹介が行われているとは断定できません。
しかし、担当者に面談件数の目標があれば、相談者が乗り気でなくても予約を勧める動機が生まれます。
「比較には3社必要です」という説明が、相談者のためなのか、担当者の件数目標のためなのかを見分ける必要があります。
面談前に個人情報を渡されている可能性
相談者が住宅会社との面談を断ろうとしても、すでに次の情報が住宅会社へ共有されている可能性があります。
- 氏名
- 電話番号
- メールアドレス
- 住所
- 年齢
- 家族構成
- 年収
- 希望予算
- 建築希望地
- 土地の有無
- 入居希望時期
- 住宅ローンの状況
住宅会社へ個人情報が渡れば、営業電話やメールが来る可能性があります。
そのため、紹介同意の前に次の点を確認してください。
- いつ個人情報を渡すのか
- どの情報を渡すのか
- どの住宅会社へ渡すのか
- 面談を断ったら情報を削除できるのか
- 住宅会社から直接連絡が来るのか
「紹介します」と「連絡先を渡します」は同じとは限りません。
相談者の明確な同意が必要です。
「断りは代行します」の意味
無料相談サービスのメリットとして、
「住宅会社へのお断りを代行します」
と説明されることがあります。
断りにくい相談者にとっては便利なサービスです。
ただし、次の内容を確認してください。
- 面談前でも断れるか
- 断る理由を住宅会社へどこまで伝えるか
- 個人情報の削除も依頼するか
- 別の会社への紹介を強く勧められないか
- 相談会社から理由を追及されないか
- 断った後も利用できるか
断りを代行してもらうことで、相談者の希望や資金情報が住宅会社へ詳しく伝わる可能性もあります。
何を伝えるかを本人が確認できる仕組みが必要です。
面談を断ったら紹介会社との関係が悪くなるのか
相談者は、
「せっかく選んでもらったのに断るのは申し訳ない」
「全部断ったら無料相談を利用できなくなる」
と不安になることがあります。
しかし、住宅会社を選ぶのは相談者です。
提案内容に納得できなければ、理由を簡潔に伝えて断って構いません。
例えば、
ご紹介ありがとうございます。価格帯と希望性能を確認した結果、今回は面談を希望しません。住宅会社への個人情報提供と連絡先の共有は行わないでください。
と伝えれば十分です。
細かい家庭事情まで説明する必要はありません。
面談を受ける前に確認する5条件
紹介された住宅会社と会うかどうかは、最低でも次の5条件で判断してください。
1.総額
土地、建物、付帯工事、諸費用を含め、自分の予算で実現できる可能性があるか。
2.性能
希望する断熱、気密、耐震、換気性能を、標準または予算内で確保できるか。
3.施工エリア
建築予定地へ対応し、引渡し後も適切にアフター対応できるか。
4.時期
希望する着工・完成時期へ対応できるか。
5.紹介理由
なぜ自分の条件に合うと判断されたのか、具体的な説明があるか。
この5条件のうち複数が合わないなら、面談前に候補を見直すべきです。
面談後も次の商談へ進む義務はない
初回面談を受けても、次回の打合せ、敷地調査、プラン作成へ進む義務が当然に生じるわけではありません。
ただし、
- 設計申込書
- 敷地調査申込書
- 会員登録
- 有料相談契約
- 土地購入申込書
- 建築申込書
などへ署名すると、費用やキャンセル条件が発生する可能性があります。
「次回のプラン作成に必要です」
と言われても、書類の名称、費用、返金条件、解約条件を確認してから署名してください。
無料相談の紹介先だから、住宅会社のサービスもすべて無料とは限りません。
断った後の営業連絡を止める
面談を断った後や商談を終了した後も、住宅会社から連絡が続く場合があります。
その場合は、曖昧にせず、書面で伝えます。
今回は検討を終了します。今後の電話、メール、郵送による営業連絡は不要です。登録されている個人情報の取扱いについてもご案内ください。
相談会社にも同じ内容を伝えてください。
「まだ検討中です」と答えると、営業連絡が続く可能性があります。
終了するなら、はっきり伝えることが重要です。
相談会社へ確認すべき10の質問
- 紹介された会社とは必ず面談する必要がありますか
- 面談前に会社名と基本情報を確認できますか
- 面談を断っても相談サービスを利用できますか
- 個人情報はいつ住宅会社へ渡されますか
- 共有する情報を事前に確認できますか
- 面談前なら個人情報提供を止められますか
- 断った理由を住宅会社へどこまで伝えますか
- 面談や来場によって紹介会社へ費用が発生しますか
- 担当者に面談件数の目標がありますか
- 面談後の営業連絡を停止できますか
相談者が断っただけで態度が変わる相談会社なら、中立な立場で会社選びを支援しているのか疑問が残ります。
紹介を受けるときの安全な手順
- 希望条件と予算を相談会社へ伝える
- 住宅会社名と基本情報を聞く
- 紹介理由を具体的に確認する
- 自分でも住宅会社を調べる
- 個人情報の共有範囲を確認する
- 会いたい会社だけに紹介同意を出す
- 初回面談の目的を決める
- 有料申込みへ進む前に条件を確認する
- 合わなければ書面で断る
- 不要な営業連絡の停止を依頼する
相談会社が選んだ3社を、そのまま受け入れる必要はありません。
相談者自身が選び直してよいのです。
結論
紹介されたという理由だけで、すべての住宅会社と必ず商談する必要はありません。
紹介、個人情報の提供、面談、設計申込み、契約は、それぞれ別の意思決定です。
相談者は各段階で断ることができます。
無料相談で住宅会社を紹介された瞬間から、相談者が営業案件になる可能性があります。だからこそ、個人情報を渡す前に会う価値がある会社か判断してください。
紹介件数をこなすために3社と会うのではなく、
- 予算
- 性能
- 施工エリア
- 建築時期
- 紹介理由
が合う会社だけと面談してください。
断ることは失礼ではありません。
数千万円の契約へ進む相手を、自分で選ぶための当然の判断です。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁










