Q. 紹介されるのは、地域の全住宅会社から選ばれた会社?
A. 必ずしも地域の全住宅会社から選ばれているわけではありません。多くの場合、相談会社が把握・登録している提携住宅会社の中から選ばれます。「地域で最適な3社」なのか、「提携20社の中で条件に近い3社」なのかでは、意味が大きく違います。
無料住宅相談会社から、
「お客様に合う住宅会社を3社厳選しました」
と言われると、地域にある多くの住宅会社を調査し、その中から最も適した3社を選んでくれたように感じます。
しかし、紹介される3社が、どの範囲から選ばれたのかは別の問題です。
例えば、地域に100社の住宅会社があったとしても、相談会社と提携している会社が20社なら、その20社の中から3社を選んでいる可能性があります。
この場合、
地域100社から選ばれた3社
ではなく、
提携20社から選ばれた3社
です。
「厳選」で重要なのは分母
3社を紹介されたとき、多くの人は紹介された3社の特徴だけを比較します。
しかし、本当に確認すべきなのは、その3社を選ぶ前に候補となっていた会社数です。
例えば、同じ3社紹介でも意味は異なります。
| 選定範囲 | 紹介された会社 | 意味 |
|---|---|---|
| 地域100社を調査 | 3社 | 地域全体からの選定に近い |
| 提携20社から選定 | 3社 | 提携範囲内での選定 |
| 担当者が知る10社から選定 | 3社 | 担当者の知識に依存 |
| 広告掲載5社から選定 | 3社 | 広告契約先中心の可能性 |
紹介された会社数が同じでも、分母によって「厳選」の価値は変わります。
地域の全住宅会社を把握するのは難しい
相談会社が地域の全住宅会社を完全に把握することは簡単ではありません。
住宅を建てる会社には、次のような違いがあります。
- 全国展開する大手ハウスメーカー
- 地域ビルダー
- 小規模工務店
- 設計事務所
- 不動産会社系住宅会社
- フランチャイズ加盟店
- 年間数棟だけ建築する会社
- 紹介だけで営業する会社
- ウェブサイトを持たない会社
営業地域も常に一定ではありません。
隣県の会社が施工する場合もあれば、同じ県内でも一部地域しか施工しない会社もあります。
そのため、「地域の全住宅会社から選びました」と言い切るには、どこまでを地域とし、何社を調査したのかを明確にする必要があります。
紹介会社の選定は段階的に行われる
住宅会社が紹介されるまでには、いくつかの段階があります。
第1段階:地域に存在する住宅会社
地域で新築住宅を施工する可能性がある会社全体です。
第2段階:相談会社が把握している住宅会社
相談会社の情報収集範囲に入っている会社です。
第3段階:提携・登録している住宅会社
相談会社と契約し、会社情報を登録している会社です。
第4段階:相談者の条件に合う住宅会社
予算、地域、工法、性能、デザインなどで絞り込みます。
第5段階:実際に紹介される住宅会社
最終的に2社、3社などが紹介されます。
この選定を単純化すると、
地域全体
→相談会社が把握する会社
→提携会社
→条件に合う会社
→紹介される3社
という流れです。
相談者が見ているのは最後の3社だけです。
その前に、どの段階で何社が外れたかは見えません。
提携していない段階で外れる可能性
相談会社が提携会社だけを正式に紹介する場合、住宅会社は相談者の希望条件を確認する前に、提携の有無で候補から外れます。
例えば、地域にある会社を次のように仮定します。
| 段階 | 会社数 |
|---|---|
| 地域で施工する住宅会社 | 100社 |
| 相談会社が把握している会社 | 50社 |
| 提携・登録会社 | 20社 |
| 予算・地域に合う会社 | 8社 |
| 最終紹介 | 3社 |
非提携の30社は、住宅性能や価格を比較する前に候補から外れています。
この中に相談者へ合う会社が存在する可能性はあります。
全住宅会社から選ばないこと自体が悪いわけではない
候補を提携会社へ限定することには、合理的な理由もあります。
相談会社は提携会社について、次の情報を把握しやすくなります。
- 価格帯
- 施工地域
- 工法
- 標準仕様
- 担当者
- 面談可能日
- 建築可能な時期
- 過去の紹介実績
- 相談者からの評価
- 苦情対応
提携していない会社については、情報が古い、担当窓口がない、現在の施工能力が分からないという問題があります。
確認していない会社を無責任に推薦するより、情報を持つ会社に限定する考え方には意味があります。
問題は、
提携会社の中から選んでいることを、地域全体から選んでいるように受け取らせないことです。
住宅会社が提携しない理由
相談サービスと提携していない会社が、劣っているとは限りません。
提携しない理由には、次のようなものがあります。
- 自社への問い合わせで十分に受注できる
- 紹介や口コミが多い
- 年間施工棟数を限定している
- 成約手数料を負担したくない
- 販売経費を住宅価格へ増やしたくない
- 提携対応に必要な人員がいない
- 工事予定が埋まっている
- 顧客と直接関係を築きたい
- 相談会社の方針と合わない
紹介リストに載っていないことは、住宅品質が低い証明にはなりません。
提携している会社が悪いわけでもない
相談サービスと提携する住宅会社にも、合理的な理由があります。
- 新しい顧客と出会える
- 自社の特徴を知ってもらえる
- 広告や営業活動を効率化できる
- 新しい地域へ進出できる
- 面談可能性の高い相談者と会える
- 比較候補に入ることができる
紹介サービスへ費用を払っていても、適正価格で高品質な住宅を建てる会社はあります。
提携の有無だけで住宅会社を評価するのではなく、価格、性能、施工、保証を確認する必要があります。
「地域で人気」と「相談会社で成約が多い」は違う
相談会社から、
「この地域で多く選ばれている住宅会社です」
と説明されることがあります。
その意味も確認してください。
- 地域全体で施工棟数が多い
- 相談会社の利用者から多く選ばれている
- 相談担当者が多く紹介している
- 広告掲載量が多い
- 提携会社の中で成約率が高い
では意味が異なります。
相談会社の利用者から多く選ばれているとしても、相談会社が頻繁に紹介している結果かもしれません。
紹介回数が多ければ、成約件数も増えやすくなります。
住宅会社の選定基準は公開されているか
地域全体から本当に優良会社を選ぶなら、選定基準が必要です。
例えば、
- 建設業許可
- 経営状態
- 年間施工実績
- 耐震性能
- 断熱・気密性能
- 現場検査
- 保証
- アフターサービス
- 苦情・トラブル
- 顧客満足度
などです。
さらに、基準を満たしているか確認する資料も必要です。
営業担当者から話を聞いただけなのか。
設計図書を確認したのか。
建築現場を見たのか。
実際の施主へ聞いたのか。
どこまで調査しているかで、紹介の信頼性は変わります。
「厳選」の基準に広告契約は含まれる?
住宅会社が紹介候補になるために、広告掲載契約や成約時費用への同意が必要な場合があります。
この場合、会社選定には二つの基準があります。
- 住宅会社として一定の条件を満たす
- 相談サービスとの提携条件を満たす
どれほど技術力が高くても、2番へ同意しなければ紹介候補にならない可能性があります。
相談者は、
品質基準だけで選ばれたのか、提携条件を含めて選ばれたのか。
を確認してください。
提携範囲が狭い場合の問題
提携会社が少ないと、相談者へ次の影響が出る可能性があります。
- 価格帯が偏る
- 大手中心になる
- 小規模工務店が入らない
- 特定工法に偏る
- デザインの選択肢が減る
- 高性能住宅の基準が限定される
- 施工可能地域が狭くなる
例えば、相談者の予算が2,500万円でも、提携会社が3,500万円以上の会社中心なら、適切な紹介は難しくなります。
その場合、
「予算を上げないと希望する家は建ちません」
という結論になりやすくなります。
しかし、提携外には予算内で対応できる会社があるかもしれません。
地域全体との比較方法
相談会社から紹介を受けた後も、自分で地域の住宅会社を調べてください。
次の情報を確認します。
- 施工地域
- 建築価格
- 完成見学会
- 年間施工棟数
- 建設業許可
- 会社の設立年
- 住宅性能
- 保証
- 施工事例
- 実際に建てた人の話
相談会社から3社紹介されたら、自分で見つけた1~2社も加えます。
それぞれへ同じ条件で質問し、総額、性能、保証を比較してください。
母集団を確認する質問
相談会社へ、次のように聞いてください。
地域で施工する住宅会社を何社把握していますか?
そのうち提携会社は何社ですか?
私へ紹介する3社は、何社の中から選びましたか?
例えば、
地域50社を把握し、そのうち提携20社、予算と地域に合う8社から3社を選びました。
と説明されれば、選定過程が分かります。
一方、
当社が厳選した優良会社です。
という回答だけでは、分母も選定過程も分かりません。
当社が過去に感じた疑問
当社が過去に提携した一部の住宅相談サービスでは、紹介されたお客様が契約した場合、建築金額の4%ないし5%相当を広告費等として支払う条件が提示されました。
このような提携条件に参加しない住宅会社は、正式な紹介候補にならない可能性があります。
契約時期、地域、サービス、住宅会社によって条件は異なります。
すべての相談サービスが同じ仕組みではありません。
しかし、住宅会社から収益を得て紹介するのであれば、紹介候補の範囲と選定基準を利用者へ説明する必要があると考えます。
利用前に確認する10の質問
無料住宅相談会社へ、次の質問をしてください。
- 地域で施工する住宅会社を何社把握していますか
- そのうち提携会社は何社ですか
- 正式に紹介できる会社は何社ですか
- 私へ紹介する3社は何社の中から選びましたか
- 提携していない会社も調査対象ですか
- 広告費を払わない会社も候補になりますか
- 住宅会社の選定基準を公開していますか
- 現場や完成住宅まで確認していますか
- 紹介しなかった会社の理由を説明できますか
- 自分で見つけた会社も同条件で比較できますか
「3社紹介します」という数字だけでなく、その3社を選んだ分母を確認してください。
最終結論
無料住宅相談で紹介される会社が、地域の全住宅会社から選ばれているとは限りません。
多くの場合、
- 相談会社が把握している
- 提携・登録している
- 相談者の条件に合う
住宅会社の中から選ばれます。
その仕組みには、情報管理や紹介後の連携という合理的な理由があります。
しかし、提携していない住宅会社が最初から候補外なら、
「地域全体で最適な会社」
と同じ意味ではありません。
無料住宅相談を利用するときは、こう質問してください。
「私へ紹介する3社は、地域にある何社の中から選ばれた3社ですか?」
紹介された会社の数ではなく、比較対象になった会社の数を見る。
それが、「厳選」という言葉の本当の価値を判断する方法です。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁










