Q. 紹介を断ると、別の住宅会社を勧められる?
A. 別の住宅会社を提案される可能性があります。最初の候補が合わなかった理由を整理し、条件に合う会社を選び直してくれるなら有益です。しかし、断るたびに提携会社を次々と紹介するだけなら、相談者の会社選びより紹介件数を優先している可能性があります。
無料住宅相談サービスから3社を紹介され、そのうち1社を断ると、
「それでは別の会社をご紹介します」
と言われることがあります。
相談者に合う会社が見つかるまで候補を見直すこと自体は、紹介サービスのメリットです。
しかし、なぜ最初の会社が合わなかったのかを確認せず、別の会社へ入れ替えるだけでは、同じ失敗を繰り返します。
本当に必要なのは会社数を増やすことではありません。
紹介精度を上げることです。
別の会社を紹介すること自体は悪くない
最初の面談で、事前情報だけでは分からなかった違いが見つかることがあります。
- 価格帯が合わない
- 希望する性能が標準ではない
- 設計の方向性が違う
- 営業担当者と相性が合わない
- 着工時期が希望より遅い
- 施工エリア外だった
- 土地探しへ対応できない
- 総額が予算を超えた
- 保証条件に納得できない
この情報を相談会社が整理し、次の紹介へ反映するなら、別会社の提案には意味があります。
例えば、
「前回は追加費用を含めると予算を超えたため、今回は総額3,000万円以内を明示している会社に絞ります」
という説明なら、変更理由が明確です。
一方で、
「では次の会社へ行ってみましょう」
と理由もなく紹介を続けるだけなら、候補を変えているだけで、問題を解決していません。
なぜ最初の会社を紹介したのかを確認する
最初の住宅会社を断ったときに確認したいのは、
「そもそも、なぜこの会社を紹介したのですか」
という点です。
相談者が最初から、
- 総額3,000万円以内
- 平屋
- 断熱等級6
- 耐震等級3
- 全棟気密測定
- 1年以内の完成
を希望していたにもかかわらず、紹介先が条件を満たせなかったなら、最初の選定に問題があった可能性があります。
相談会社は、どの条件を見落としたのかを説明すべきです。
紹介先を変える前に、選定方法を修正する必要があります。
断る理由を詳しく聞かれることがある
紹介会社から、
「どこが合いませんでしたか」
「担当者に問題がありましたか」
「価格はいくらでしたか」
と聞かれることがあります。
これは次の紹介精度を上げるために必要な質問でもあります。
ただし、回答内容がどこまで住宅会社へ伝わるのか確認してください。
例えば、
- 営業担当者が信用できなかった
- 見積りが分かりにくかった
- 予算を大幅に超えた
- 契約を急かされた
- 説明内容に疑問があった
という感想を、そのまま住宅会社へ伝えられることに抵抗を感じる人もいるでしょう。
断る理由を話す前に、
「この内容は住宅会社へどこまで共有されますか」
と確認してください。
別の会社を出せば解決するとは限らない
住宅会社を何社替えても、相談者側の条件が整理されていなければ、同じ問題が続きます。
例えば、
- 希望総額が現実より低い
- 土地予算が決まっていない
- 夫婦の希望が一致していない
- 必要な広さが整理されていない
- 性能の優先順位が決まっていない
- 住宅ローンの見通しが立っていない
- 建築予定地が確定していない
という状態です。
この場合、5社、10社と紹介を増やしても、相談者に合う会社は見つかりません。
住宅会社を替える前に、
- 予算
- 土地
- 面積
- 性能
- デザイン
- 建築時期
の優先順位を整理する必要があります。
紹介可能な会社は提携先に限られる可能性
相談会社が紹介できるのは、原則として提携している住宅会社だけかもしれません。
地域に100社の住宅会社があっても、提携先が20社なら、紹介候補はその20社に限られる可能性があります。
最初の3社を断り、次の3社を紹介されても、それは地域全体から選び直した6社とは限りません。
提携会社の中で候補を入れ替えているだけかもしれません。
確認すべきなのは、
- 地域の住宅会社総数
- 紹介会社の提携社数
- 自分の地域へ対応できる提携社数
- 自分の予算帯に合う提携社数
- 提携していない会社も案内できるか
です。
「たくさん紹介できます」という言葉より、どの範囲から選んでいるのかを確認してください。
紹介のたびに収益機会が生まれる可能性
紹介サービスによっては、
- 紹介時
- 面談予約時
- 来場時
- 商談開始時
- 成約時
などに、住宅会社から費用を受け取る仕組みが考えられます。
契約条件はサービスごとに異なります。
別の住宅会社を紹介するたびに、紹介会社の件数実績や収益機会が増える仕組みなら、候補を多く出す動機が生まれます。
もちろん、別会社を提案されたからといって、必ず紹介料目的とは断定できません。
だからこそ、次の会社を受け入れる前に、
- 何を改善した紹介なのか
- 紹介によって費用が発生するのか
- 担当者に紹介件数の目標があるのか
を確認する必要があります。
紹介が止まらない状態に注意
一社を断る。
すぐ次の会社を勧められる。
その会社も断る。
また別の会社を勧められる。
この状態が続くと、相談者は住宅会社を比較しているつもりでも、実際には営業面談を繰り返しているだけになります。
例えば、5社と各3回、1回2時間面談すれば、
5社×3回×2時間=30時間
です。
往復の移動が各1時間なら、合計45時間になります。
夫婦二人で参加すれば、家族全体では90時間分です。
会社数を増やすほど、情報も増え、判断しやすくなるとは限りません。
価格表示、性能基準、見積り範囲が会社ごとに違うため、比較がさらに難しくなる可能性があります。
「もう紹介は不要です」と断ってよい
住宅会社の紹介を止めたい場合は、はっきり伝えて構いません。
例えば、次のように伝えます。
ご提案ありがとうございます。現在紹介されている会社と、自分で探した会社を比較するため、新たな住宅会社の紹介は一旦停止してください。本人の同意なく、他の住宅会社へ個人情報を提供しないようお願いします。
このように伝えれば、
- 新しい紹介を止める
- 個人情報の追加提供を止める
- 現在の候補を整理する
ことができます。
「少し考えます」と曖昧にすると、別会社の提案が続く可能性があります。
紹介された会社以外も比較する
相談会社から紹介された会社だけでなく、自分で見つけた住宅会社も比較してください。
- 地元で施工実績のある工務店
- 紹介料を支払っていない会社
- 完成保証を採用している会社
- 総額表示を行う会社
- 性能値を契約へ明記する会社
- 建築中の現場を公開する会社
- 全棟で検査や測定を行う会社
を調べることで、紹介会社の候補が地域全体の中でどの位置にあるか確認できます。
紹介サービスを使うことと、自分で調べることは両立します。
次の紹介を受ける前の7項目
別の住宅会社を紹介される場合は、次の内容を書面で確認してください。
- 前の会社が合わなかった理由
- 今回の会社が改善している点
- 自分の予算内で実現できる総額
- 標準で確保できる住宅性能
- 追加費用になりやすい項目
- この会社が合わない可能性
- 紹介会社との収益関係
この7項目を説明できなければ、次の会社を選んだ根拠が弱い可能性があります。
別の会社ではなく、条件変更を提案されることもある
希望条件をすべて満たす会社が提携先にない場合、相談会社から、
- 予算を増やす
- 建物を小さくする
- 希望性能を下げる
- エリアを変える
- 建築時期を延ばす
よう提案されることがあります。
条件変更が必要な場合もあります。
しかし、相談会社の提携先で成約させるために、相談者の希望を変更していないか注意してください。
特に、耐震、断熱、防水などの基本性能を下げる前に、紹介先以外の住宅会社も探すべきです。
相談会社へ確認すべき10の質問
- 最初の会社を紹介した理由は何ですか
- 私が断った理由をどう分析しましたか
- 次の会社は何が改善されていますか
- 紹介候補は提携会社だけですか
- 私の地域と予算で、候補は全部で何社ありますか
- 提携していない会社も案内できますか
- 新しい紹介ごとに費用が発生しますか
- 担当者に紹介件数の目標がありますか
- 新しい紹介を停止できますか
- 私の同意なく個人情報を渡しませんか
「次はもっと合う会社です」という説明だけでなく、前回から何を変えたのかを確認してください。
結論
紹介を断ると、別の住宅会社を勧められる可能性があります。
最初の会社が合わなかった理由を分析し、次の候補へ反映してくれるなら、紹介サービスを利用する価値があります。
しかし、理由を整理せず提携会社を次々と紹介するだけなら、相談者の会社選びより紹介件数を増やすことが目的になっている可能性があります。
住宅会社を何社出せるかが相談力ではありません。一社ごとの紹介理由を説明できることが相談力です。
別の会社を紹介されるたびに、
- 前の会社の何が合わなかったのか
- 次の会社は何が違うのか
- 自分の条件を本当に満たすのか
- どの候補群から選ばれたのか
を確認してください。
紹介され続ける必要はありません。
候補が増えすぎたら一度止め、自分の予算と優先順位を整理してください。
住宅会社を探し続けるのではなく、自分に必要な条件を満たす会社だけを比較することが重要です。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁










