Q. 紹介料を払わない住宅会社は、候補から外される?
A. 相談サービスが登録・提携住宅会社だけを紹介する仕組みなら、紹介料や広告費を払わない会社は、原則として紹介候補に入らない可能性があります。ただし、提携していない会社も情報提供する相談所や、住宅会社から成約手数料を取らない運営モデルもあります。利用前に「どの範囲から選んでいるか」を確認してください。
無料住宅相談会社から、
「あなたに合う住宅会社を厳選して紹介します」
と言われると、地域にある多くの住宅会社を調査し、その中から最適な会社を選んでくれるように感じます。
しかし、実際に紹介されるのは、相談会社と提携・登録している住宅会社に限られる場合があります。
提携していない住宅会社や、紹介料・広告掲載料を払わない会社は、どれほど技術力や評判があっても候補に入らない可能性があります。
重要なのは、
紹介された会社が優良かどうかだけでなく、最初から何社が選択肢に入っていたか。
という点です。
紹介会社には「紹介できる会社の名簿」がある
住宅相談サービスは、一般的に提携住宅会社の情報を登録しています。
- 施工地域
- 価格帯
- 工法
- デザイン
- 住宅性能
- 年間施工棟数
- 営業担当者
- 会社の特徴
- 商談状況
- 過去の成約実績
相談者の希望を聞き、この登録会社の中から数社を選びます。
例えば、登録会社が20社あり、その中から3社を紹介するなら、
地域全体から3社を選んだのではなく、登録された20社の中から3社を選んだ
ということです。
地域に100社の住宅会社があっても、残り80社が最初から比較対象になっていない可能性があります。
なぜ提携していない会社を紹介しにくいのか
相談会社が提携していない住宅会社を紹介しにくい理由には、次のようなものがあります。
- 会社情報を把握していない
- 営業担当者との連絡窓口がない
- 商談状況を確認できない
- 苦情発生時の対応関係がない
- 相談会社の紹介ルールへ同意していない
- 紹介しても相談会社に収益が発生しない
- 住宅会社が紹介を希望していない
相談会社が責任を持って紹介するため、事前に住宅会社を登録・審査することには合理性があります。
どこの会社か分からないまま紹介するより、担当者や施工地域を把握した会社を紹介するほうが安全です。
一方で、登録会社だけに限定すれば、相談者の選択肢は狭くなります。
相談会社の収益モデルを考える
相談会社が、紹介先の住宅会社から得る広告費等だけで運営されているとします。
提携していない住宅会社を紹介し、相談者がその会社と契約しても、相談会社には成約収益が発生しません。
反対に、提携会社と契約すれば収益が発生します。
相談者に最適な会社が提携外だったとしても、その会社を紹介することは、相談会社の収益につながらない可能性があります。
この構造があるからといって、必ず提携会社だけを不適切に勧めているとは限りません。
しかし、本当に中立を掲げるなら、
提携していない会社が最適だった場合も、その会社を候補として教えるのか。
を明確にする必要があります。
紹介料を払わない理由は、品質が低いからとは限らない
住宅相談サービスへ登録していない会社が、品質の低い会社とは限りません。
紹介料や広告費を払わない理由には、次のようなものがあります。
- 自社への直接問い合わせで十分に受注できる
- 既存顧客からの紹介が多い
- 年間施工棟数を限定している
- すでに工事予定が埋まっている
- 成約手数料が高いと判断した
- 住宅価格へ販売経費を増やしたくない
- 顧客との直接的な関係を重視している
- 相談会社の営業方針と合わない
- 小規模で提携対応の人員がいない
腕の良い小規模工務店ほど、年間に建てられる棟数が少なく、積極的な広告や紹介サービスを必要としない場合もあります。
相談会社から紹介されないことと、住宅会社の品質が低いことは同じではありません。
紹介料を払う会社が悪いわけでもない
一方、相談サービスへ登録し、紹介料や広告費を支払う会社が悪いわけでもありません。
住宅会社には次のような目的があります。
- 地域での知名度を上げる
- 新しい顧客と出会う
- 自社広告を効率化する
- 営業担当者の集客負担を減らす
- 新しい地域へ進出する
- 自社の特徴を正しく伝える
- 他社と比較される機会を得る
紹介サービスを利用しながら、高品質で適正価格の住宅を建てる会社もあります。
問題は、登録しているかどうかだけで優良・不良を判断することです。
「厳選された会社」の意味
相談会社が、
「厳選した優良住宅会社だけを紹介します」
と説明する場合、何を母集団として厳選したのか確認してください。
地域全体から厳選
地域で施工する住宅会社を幅広く調査し、提携の有無にかかわらず評価したうえで選ぶ方法です。
提携希望会社から厳選
相談サービスへ登録を希望した住宅会社を審査し、基準を満たした会社だけを紹介する方法です。
広告掲載会社から選定
広告費や掲載料を支払う会社の中から、相談者に合いそうな会社を選ぶ方法です。
どの方式でも、基準が明確なら意味があります。
しかし、
「提携会社の中から選んだ」
という説明を、
「地域にある全住宅会社から選んだ」
と受け取ってはいけません。
登録審査では何を確認しているのか
住宅会社を厳選しているなら、審査内容を確認する必要があります。
例えば、次の項目です。
- 建設業許可
- 経営年数
- 財務状態
- 年間施工棟数
- 施工可能地域
- 住宅性能
- 構造計算
- 気密測定
- 現場管理
- 保証制度
- アフターサービス
- 苦情・訴訟
- 過去の施工事例
- 顧客満足度
単に会社案内、カタログ、営業担当者への聞き取りだけで判断しているのか。
実際の施工現場や完成住宅まで確認しているのか。
審査の深さによって、「厳選」の価値は変わります。
登録後も審査は続くのか
登録時に優良会社と判断されても、会社の状態は変化します。
- 経営状態が悪化する
- 熟練社員が退職する
- 急激に受注棟数を増やす
- 現場管理が追いつかなくなる
- アフター対応が遅くなる
- 標準仕様が変更される
- 苦情が増える
そのため、本当に厳選しているなら、登録後も継続的な確認が必要です。
相談会社へ次のように聞いてください。
提携住宅会社を何年ごとに再審査していますか?
登録時だけの審査で、何年も自動更新されているなら、現在の品質まで保証しているとは言えません。
紹介会社と提携を解消した会社はどう扱われる?
住宅会社が手数料や運営方針を理由に提携を終了することもあります。
提携終了後、その会社が紹介候補から外れるなら、相談者から見ると会社の評価が突然変わったように見えます。
しかし、住宅性能や施工品質が急に低下したとは限りません。
変わったのは相談会社との契約関係かもしれません。
次の点を確認してください。
- 提携を解消した会社は候補から外れるか
- 過去に紹介していた会社を外した理由
- 品質上の問題か、契約上の問題か
- 提携外でも情報提供するか
紹介リストへの掲載と、住宅会社の絶対的な品質は分けて考える必要があります。
大手と小規模工務店で参加しやすさが違う
紹介料や広告費を支払うには、一定の利益と経営規模が必要です。
年間施工棟数の多い会社なら、広告費を多くの契約へ分散できます。
一方、年間数棟だけを丁寧に建てる小規模工務店では、一件100万~200万円の成約費用が経営へ大きく影響します。
そのため、紹介サービスへ参加しない可能性があります。
結果として、紹介会社の候補が、
- 大手ハウスメーカー
- 年間施工棟数の多い地域ビルダー
- 営業体制の整った会社
へ偏る可能性があります。
小規模だから優れている、大手だから悪いという話ではありません。
紹介料を負担できるかどうかが、候補会社の構成へ影響する可能性があるということです。
相談者に最適な会社が提携外だった場合
本当に相談者側に立つなら、提携外の会社が最適だった場合も、少なくとも情報として伝える姿勢が必要です。
例えば、
当社から正式な紹介はできませんが、ご希望の工法を扱う会社として、この会社もあります。ご自身で確認してください。
と案内する方法があります。
紹介会社が契約関係のない会社について、品質を保証できないのは当然です。
それでも、その会社の存在まで隠す必要はありません。
候補として情報を出し、最終判断を相談者へ委ねることはできます。
成約手数料を取らない運営モデルもある
無料住宅相談のすべてが、住宅会社から成約手数料を受け取る方式ではありません。
次のような収益モデルも考えられます。
- 定額の広告掲載料
- 運営会社の関連事業収益
- 建材・設備の取引
- 不動産・金融・保険などの事業
- 住宅会社向けの会費
- 相談者が支払う定額相談料
- 行政・業界団体による支援
成約手数料を取らないモデルなら、提携会社との契約成立だけを優先する動機は弱くなる可能性があります。
ただし、別の事業上の利害関係がある場合もあるため、収益構造の確認は必要です。
当社が過去に提示された条件
当社が過去に提携した一部の住宅相談サービスでは、紹介されたお客様が契約した場合、建築金額の4%ないし5%相当を広告費等として支払う条件が提示されました。
このような仕組みでは、費用を支払わない会社を正式な紹介先として扱うことは、運営上難しいと考えられます。
契約時期、地域、サービス、住宅会社によって条件は異なります。
すべての住宅相談サービスが同じ仕組みではありません。
だからこそ、利用するサービスごとに紹介対象の範囲を確認してください。
利用前に確認する質問
無料住宅相談会社へ、次の質問をしてください。
- 紹介できる住宅会社は何社ありますか
- 地域全体では何社程度が施工していますか
- 紹介先は提携・登録会社だけですか
- 紹介料を払わない会社も候補になりますか
- 提携していない会社も情報提供してくれますか
- 登録会社を選ぶ審査基準は何ですか
- 広告費の支払いは登録条件ですか
- 登録後も定期的に再審査しますか
- 提携を終了した会社は候補から外れますか
- 紹介した3社を選んだ具体的な理由を説明できますか
「地域の優良会社から選びます」という回答だけでなく、母集団と選定基準を確認してください。
自分でも住宅会社を探す
無料相談会社を利用する場合でも、紹介された会社だけで決める必要はありません。
次の方法でも候補を探してください。
- 実際に建てた人へ聞く
- 完成見学会へ参加する
- 建築中の現場を見る
- 地域の住宅会社を検索する
- 建設業許可や会社概要を確認する
- 住宅性能と総額を比較する
- 保証・アフターサービスを確認する
相談会社から3社紹介されたら、自分で探した1~2社も加えて比較すると、選択肢の偏りを減らせます。
最終結論
相談サービスが提携・登録住宅会社だけを紹介する仕組みなら、紹介料や広告費を払わない住宅会社は候補から外れる可能性があります。
それは、相談会社が提携先の情報や担当者を把握し、責任を持って紹介するためでもあります。
一方で、提携していない優良会社や、小規模でも丁寧に建てる工務店が最初から比較対象にならない可能性もあります。
したがって、
紹介された会社だから地域で最も優れている
とも、
紹介されなかった会社だから問題がある
とも判断できません。
重要なのは、何社の中から選ばれたのかです。
無料住宅相談を利用するときは、こう質問してください。
「御社へ費用を払っていない住宅会社も、私に合うなら候補として教えてもらえますか?」
この質問への答えによって、その相談サービスがどの範囲まで中立に会社選びを支援するのかが見えてきます。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁










