Q.社長が自宅を建て直せるなら、最初に変えたいところはどこですか?
A.私が今、自宅を建て直せるなら、最初に変えたいのは間取りと構造です。設備や内装の種類を増やす前に、生活する場所の配置と、それを支える建物のつくりを、最初から一緒に考え直したいと思っています。
間取りは今の暮らしに合わせて組み直します
家を建てたときの希望と、今の自分にとって使いやすい形が、ずっと同じとは限りません。家族の過ごす時間や必要な部屋、移動する経路は変わります。今から建て直すなら、現在とこれからの暮らしを基準に、必要な場所を整理し直したいと考えます。
私なら、最初に朝起きてから寝るまでの動きを書き出します。寝室から洗面、着替え、食事、外出、帰宅、入浴までを図面に重ね、何度も往復する経路や、家族が重なる場所を確かめます。部屋の面積を増やす前に、配置で改善できることを探します。
例えば、収納を増やす案でも、しまう場所が使う場所から遠ければ、移動は減りません。これは設計を考えるための例です。何をどこで使い、誰が戻すのかまで決めてから、収納の位置と容量を考えたいと思います。
また、今だけに合わせて固定しすぎないことも重視します。部屋の用途が変わった場合、家具を動かせるか、家族の生活時間が違っても使いやすいか。将来を全部予測することはできなくても、見直す余地を残す間取りを選びたいと考えます。
構造も間取りと同時に考えます
構造については、希望する空間をどのように支えるかを、計画の初めから確認したいと思います。広い空間、大きな窓、上下階の配置などを決めた後で、構造の検討を付け足すような進め方にはしたくありません。
当社が基本とする枠組み壁工法では、壁や床などの配置と建物全体のつながりを踏まえて計画します。私なら、基礎、床、壁、接合部を含め、どのような根拠で安全性を確認するのかを設計者に説明してもらいます。
変えたいという希望は、工法名を一つ選べば解決する話とも考えていません。建築する場所、建物の形、開口、重量、施工の確認まで含めて検討したいところです。具体的にどの構造を選ぶかは、敷地と計画を置いて比較します。
間取りを変更する場合も、構造の再確認が必要な範囲を聞きます。希望どおりに壁を動かせるかだけでなく、計算、図面、工事費への影響を合わせて見ます。後から大きくやり直さないためにも、生活の希望と構造を並行して検討したいと思います。
予算を使う順番も見直します
建て直しの予算を考えるなら、私なら次の順番で整理します。
・毎日の暮らしに必要な部屋と動線を決める。
・敷地に合う配置と建物の形を検討する。
・希望の間取りと構造の成立を確認する。
・断熱、窓、換気、空調の条件を整える。
・残る予算で内装や設備の好みを選ぶ。
もちろん、見た目や好きな素材も大切です。ただ、先に設備のグレードへ予算を配り、間取りや構造の希望が後で実現できなくなる順番にはしたくありません。建物全体に関わる判断を先に置きたいと思います。
比較するときは、一つの案に要望を足し続けるだけでなく、必要な面積を絞った案も作ります。同じ希望を、部屋の配置や空間の兼用で満たせないかを見るためです。増額する部分と、減額できる部分を同じ条件の見積もりで確認します。
構造と生活の希望が両立する案を、設計の初期に比較したいと思います。例えば、空間を広く見せる方法も、大きな開口だけとは限りません。天井や家具、部屋のつながりを含めて検討し、必要な性能と費用の範囲で選べる案を出してもらいます。
私が間取りと構造を最初に挙げるのは、今から建てる家を、暮らしと建物の両方から組み立てたいからです。建て替えを検討する方も、欲しい設備の一覧と一緒に、今の家で変えたい動作や場所を書いてみてください。そこから、何を残し、何を変えるかを具体的に相談できます。
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参照資料 S5、S8










