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現金はいくら残すべき?

Q. 現金はいくら残すべき?

A. 住宅購入後も、最低300万〜500万円を一つの目安として残します。

ただし、家族構成、毎月の生活費、職業、子どもの年齢によって必要額は異なります。

基本的な計算方法は次のとおりです。

生活費6か月分+1年以内の予定支出+緊急予備費

例えば、毎月の生活費が30万円なら、6か月分で180万円です。

さらに車検、税金、家具・家電、教育費などで120万円必要なら、最低でも300万円を残します。

教育費や車の買い替えが近い家庭は、500万〜800万円以上必要になる場合もあります。

「預金残高」ではなく「使える現金」を確認する

通帳に500万円あっても、すべてが住宅の頭金に使えるわけではありません。

その中には、すでに使い道が決まっているお金があります。

  • 子どもの教育資金
  • 車の買い替え
  • 引っ越し
  • 家具・家電
  • 税金
  • 住宅ローン諸費用
  • 医療費
  • 生活防衛資金

預金500万円から、教育資金200万円、家具・家電100万円を使う予定なら、自由に使える現金は200万円です。

住宅購入では、通帳残高ではなく、予定支出を差し引いた後の現金を確認します。

現金を残す3つの目的

住宅購入後に残す現金は、次の3つに分けます。

1. 生活防衛資金

失業、病気、休職、収入減少などが起きても、生活と住宅ローン返済を継続するためのお金です。

2. 予定支出

教育費、車検、税金、家具・家電など、近い将来に使うことが分かっているお金です。

3. 緊急予備費

家電の故障、医療費、住宅の不具合など、金額や時期が分からない支出へ備えるお金です。

この3つをすべて頭金へ入れてはいけません。

生活費6か月分を最低ラインにする

生活防衛資金は、最低でも生活費6か月分を一つの目安にします。

毎月の生活費 6か月分
20万円 120万円
25万円 150万円
30万円 180万円
35万円 210万円
40万円 240万円
50万円 300万円

ここでいう生活費には、住宅ローン返済も含めます。

例えば、基本生活費25万円、住宅ローン10万円なら、毎月必要な金額は35万円です。

6か月分は210万円になります。

自営業者は1年分を検討する

会社員と自営業者では、必要な生活防衛資金が異なります。

働き方 生活防衛資金の目安
収入が安定した会社員・公務員 6か月分
歩合給・ボーナス割合が高い 6〜12か月分
自営業・経営者 12か月分以上
夫婦とも同じ会社・業界 12か月分を検討
収入変動が大きい仕事 12か月分以上

自営業者や経営者は、病気や景気悪化が収入へ直接影響する可能性があります。

会社の運転資金と家庭の生活防衛資金も分けて管理する必要があります。

子育て世帯は教育資金を別に残す

生活防衛資金300万円があっても、大学進学用の500万円が必要なら、合計800万円です。

教育資金を生活防衛資金と同じお金として数えてはいけません。

子ども一人当たり、大学入学までに500万円を最低目標とし、自宅外通学を想定するなら800万〜1,000万円を検討します。

資金の目的 目標例
生活防衛資金 200万〜300万円
第一子の教育資金 500万円
第二子の教育資金 500万円
合計 1,200万〜1,300万円

すべてを住宅購入時点で準備できなくても、現在残高と今後の積立額を分けて確認します。

住宅購入直後に必要になるお金

住宅の引渡し後には、短期間でさまざまな支出が発生します。

項目 費用目安
引っ越し 10万〜30万円
家具・家電 100万〜250万円
カーテン 15万〜40万円
エアコン 30万〜100万円
外構の追加 20万〜200万円以上
登記・融資関連の不足分 10万〜50万円
生活用品 10万〜30万円
予備費 20万〜50万円

住宅会社の見積りに含まれていないものが多ければ、入居前後に200万〜300万円以上必要になる可能性があります。

「建築後に500万円残る」と思っていても、家具・家電などを支払った後は200万円しか残らない場合があります。

確認すべきなのは、入居後の支払いをすべて終えた後の現金残高です。

固定資産税も残しておく

住宅取得後は、固定資産税や都市計画税が発生します。

土地や建物の評価、地域、軽減措置などによって金額は異なります。

住宅購入時には、少なくとも最初の税負担分を現金で確保します。

固定資産税が年間12万円なら、翌年以降は月1万円を積み立てます。

税金をボーナスで払う前提ではなく、毎月の住宅維持費として管理してください。

現金300万円で足りる家庭

次の条件がそろっていれば、住宅購入後の現金300万円でも対応できる可能性があります。

  • 夫婦の収入が安定している
  • 教育資金を別に確保している
  • 車の買い替えが当面ない
  • 家具・家電代を支払い済み
  • 他のローンがない
  • 両親から緊急時の支援を受けられる
  • 毎月十分に貯金できる
  • 住宅総額が確定している

ただし、300万円の中に教育費や家具・家電費が含まれている場合は、実際の生活防衛資金が不足します。

現金500万円以上残したい家庭

次の家庭は、500万円以上を残すことを検討します。

  • 子どもが二人以上いる
  • 大学進学まで10年以内
  • 車が二台必要
  • 自営業・経営者
  • 共働き収入を前提に返済する
  • ボーナスの割合が高い
  • 親の介護が近い
  • 住宅購入年齢が40代以降
  • 外構や家具・家電が未確定
  • 収入減少時に返済が厳しい

現金を多く残すと住宅ローン借入額は増えます。

しかし、家計の耐久力は高くなります。

頭金を入れすぎる危険

預金800万円ある家庭を考えます。

頭金を優先

項目 金額
預金 800万円
頭金 500万円
諸費用・引っ越し 200万円
残る現金 100万円

住宅ローンは減りますが、生活防衛資金が不足します。

現金を優先

項目 金額
預金 800万円
頭金 200万円
諸費用・引っ越し 200万円
残る現金 400万円

住宅ローンは300万円増えますが、緊急支出や教育費へ対応できます。

どちらが正しいかは、金利、収入、教育費によって異なります。

しかし、頭金を入れた結果、車や教育費を別の高金利ローンで借りるなら、家計全体では不利になる可能性があります。

繰上返済より現金を残すべき場合

次の状態では、住宅ローンの繰上返済を急ぎません。

  • 生活費6か月分がない
  • 子どもの教育資金が不足している
  • 車の買い替えが近い
  • 住宅修繕の予定がある
  • 収入減少の可能性がある
  • 変動金利の上昇に備えられていない
  • 医療・介護用の現金がない

繰上返済したお金は、原則として簡単には戻せません。

住宅ローン残高が減っても、使える現金がなくなれば、新たなローンを借りる可能性があります。

預金と投資資産を同じにしない

NISAなどの投資資産が500万円あっても、生活防衛資金500万円と同じではありません。

市場が下落している時期に現金が必要になれば、損失を確定して売却する可能性があります。

次のお金は、預貯金など値動きの少ない方法で確保します。

  • 生活防衛資金
  • 1〜3年以内に使う教育費
  • 車の買い替え
  • 税金・保険
  • 住宅修繕
  • 家具・家電
  • 引っ越し

長期間使わない余裕資金と、すぐに必要になる現金を分けます。

ペアローン・共働き世帯は多めに残す

夫婦二人の収入を前提に住宅ローンを組む家庭では、現金を多めに残します。

出産、育児、病気、介護などで、どちらかの収入が減る可能性があるからです。

例えば、妻の手取り20万円が10万円へ減れば、年間120万円の収入減少です。

現金300万円なら、収入減少分だけでも2年半でなくなります。

住宅ローン返済、教育費、生活費を含め、収入半減時に何か月耐えられるか確認してください。

現金を残しすぎるデメリット

現金を多く残せば、住宅ローン借入額は増えます。

その結果、利息負担が増える可能性があります。

また、長期間使わない現金を普通預金へ置くだけでは、物価上昇によって実質的な価値が下がる可能性があります。

そのため、現金は目的別に分けます。

資金 管理方法の例
生活防衛資金 普通預金
1〜3年以内の予定支出 預貯金
教育費 預貯金・学資保険・一部運用
10年以上使わない資金 NISAなどを検討
老後資金 NISA・iDeCoなどを検討

まず必要な現金を確保し、それを超える余裕資金について運用や繰上返済を検討します。

現金を目的別口座へ分ける

一つの預金口座にすべて入っていると、実際に使える金額が分かりません。

次のように分けると管理しやすくなります。

  • 生活防衛資金口座
  • 教育資金口座
  • 車・特別費口座
  • 住宅修繕口座
  • 税金・保険口座
  • 余裕資金口座

通帳残高が大きく見えても、教育費や税金へ使うお金は住宅の頭金に使わないようにします。

現金残高の計算例

夫婦と子ども二人、毎月の生活費が35万円の家庭です。

必要資金 金額
生活費6か月分 210万円
1年以内の教育費 50万円
車検・税金 30万円
家具・家電の残金 80万円
医療・緊急予備費 50万円
必要現金合計 420万円

この家庭では、住宅購入後に最低420万円程度を残す計算になります。

教育資金の長期積立や車の買い替え資金は、さらに別に準備します。

「一律300万円」ではなく、家庭ごとの予定支出を積み上げて判断してください。

住宅契約前に確認すること

  • 入居までの最終総額
  • 頭金
  • 登記・融資諸費用
  • 火災・地震保険
  • 引っ越し
  • 家具・家電
  • カーテン・エアコン
  • 外構
  • 生活費6か月分
  • 教育資金
  • 車の買い替え
  • 契約後に増える可能性
  • 支払い後の現金残高

住宅会社の見積書に書かれていない支出も、現金残高から差し引いて計算します。

俺流結論

住宅購入後に残す現金は、最低300万〜500万円を一つの目安にします。

ただし、本当の必要額は、

生活費6か月分+1年以内の予定支出+緊急予備費

で計算します。

子どもの大学進学、車の買い替え、収入変動が近い家庭では、500万〜800万円以上必要になる場合もあります。

最も危険なのは、

「頭金を多く入れれば安心」

と考え、預金を使い切ることです。

住宅ローン残高が少なくても、手元に現金がなければ、教育費、車、修繕、病気のたびに新たな借金が必要になります。

頭金をいくら入れるかより、すべての支払いを終えた後に、使える現金がいくら残るか。

住宅ローンの少なさではなく、家計が何か月耐えられるか。

これが、住宅購入後に本当に確認すべき数字です。

デザインハウス甲府
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