Q. 建築費の4~5%を住宅会社が支払うと、いくらになる?
A. 建築費3,000万円なら4%で120万円、5%で150万円です。4,000万円なら160万~200万円、5,000万円なら200万~250万円になります。相談者が窓口で支払わなくても、住宅会社にとっては一件の契約につき数百万円規模の販売経費になる可能性があります。
「4%」「5%」と聞いても、それほど大きな数字には感じないかもしれません。
住宅ローンの金利や値引き交渉でも、数%という数字が使われます。
しかし、住宅は金額そのものが大きいため、わずか数%でも実際の金額は大きくなります。
当社が過去に提携した一部の住宅相談サービスでは、紹介されたお客様が契約した場合、建築金額の4%ないし5%相当を広告費等として支払う条件が提示されました。
契約時期、地域、相談サービス、住宅会社によって条件は異なります。
すべての住宅相談サービスが同じ料金体系であると断定するものではありません。
今回は、仮に建築費の4~5%を住宅会社が支払うと、実際にいくらになるのかを計算します。
建築費別の4~5%
| 建築費 | 4%の場合 | 5%の場合 |
|---|---|---|
| 2,000万円 | 80万円 | 100万円 |
| 2,500万円 | 100万円 | 125万円 |
| 3,000万円 | 120万円 | 150万円 |
| 3,500万円 | 140万円 | 175万円 |
| 4,000万円 | 160万円 | 200万円 |
| 4,500万円 | 180万円 | 225万円 |
| 5,000万円 | 200万円 | 250万円 |
| 6,000万円 | 240万円 | 300万円 |
建築費3,500万円、料率5%なら175万円です。
相談者が一度も相談料を払っていなくても、その相談者と住宅会社が契約すると、住宅会社側には175万円の広告費等が発生する計算です。
1%違うだけでも大きい
4%と5%の差は、わずか1ポイントです。
しかし、建築費が大きいため、実際の金額差も大きくなります。
| 建築費 | 4%と5%の差 |
|---|---|
| 2,000万円 | 20万円 |
| 3,000万円 | 30万円 |
| 4,000万円 | 40万円 |
| 5,000万円 | 50万円 |
| 6,000万円 | 60万円 |
建築費5,000万円なら、1%の違いだけで50万円です。
住宅会社が10件契約すれば500万円、20件なら1,000万円の差になります。
「たった1%」ではありません。
住宅業界では、1%が会社経営にも購入者の予算にも大きく影響します。
相談業務の量は建築費で変わるのか
無料住宅相談会社が行う主な業務は、次のようなものです。
- 相談者へのヒアリング
- 家づくりの基本説明
- 予算の整理
- 住宅会社の紹介
- 面談日程の調整
- 商談後の確認
- 断りの代行
2,500万円の住宅を建てる人と、5,000万円の住宅を建てる人で、これらの業務量が必ず2倍になるわけではありません。
ところが5%で計算すると、住宅会社が支払う金額は125万円から250万円へ2倍になります。
紹介や面談調整の作業量ではなく、住宅会社が受注した売上金額に連動して報酬が増える仕組みです。
そのため、相談者は次の疑問を持つべきです。
なぜ相談内容が同程度でも、契約金額が高くなるほど支払額まで増えるのか?
150万円で何ができるのか
建築費3,000万円の5%は150万円です。
150万円は、家づくりの予算として決して小さな金額ではありません。
住宅の条件や商品によって異なりますが、例えば次の用途へ充てられる金額です。
- 住宅ローンの借入額を減らす
- 外構工事の予算へ充てる
- 断熱・窓・空調などの性能向上へ使う
- 太陽光発電などの設備費へ充てる
- 家具・家電・引越し費用を確保する
- 将来の修繕資金として残す
- 土地の造成・地盤改良費へ備える
- 予備費として残す
どれを選ぶかは購入者次第です。
しかし、150万円が住宅相談会社へ支払われる販売経費になっている可能性を知らなければ、比較することもできません。
住宅ローンへ含まれれば利息もかかる
仮に紹介関連費用が住宅会社の価格へ反映され、その分も住宅ローンで借りたとします。
金利年1.5%、返済期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なしという仮定で概算すると、次のようになります。
| 借入増加額 | 毎月返済の増加 | 35年間の総返済額 |
|---|---|---|
| 100万円 | 約3,100円 | 約129万円 |
| 150万円 | 約4,600円 | 約193万円 |
| 200万円 | 約6,100円 | 約257万円 |
| 250万円 | 約7,700円 | 約321万円 |
これはあくまで一定条件による試算です。
実際の金利、返済方法、借入期間によって結果は変わります。
また、紹介費用が個別のお客様の価格へ直接加算されていると断定するものでもありません。
しかし、仮に150万円分を住宅ローンで負担すれば、元金150万円だけでなく、約43万円の利息を含む約193万円を返済する計算になります。
販売経費が住宅価格へ反映されれば、その費用にも長期間利息を払う可能性があるのです。
住宅会社の粗利益に対する影響
住宅会社は、建築費全額を利益として受け取るわけではありません。
建築費から、次の費用を支払います。
- 木材・建材
- 住宅設備
- 職人の施工費
- 基礎・屋根・外壁工事
- 設計・申請費
- 現場管理費
- 運搬・廃材処分費
- 保証・アフターサービス費
- 社員の人件費
- 店舗・事務所の維持費
- 税金
紹介関連費用は、この中からさらに支払います。
仮に建築費3,000万円、住宅会社の粗利益を20%と仮定すると、粗利益は600万円です。
そこから5%相当の150万円を支払うと、粗利益600万円のうち25%が一件の顧客獲得費へ回る計算になります。
| 仮定 | 金額 |
|---|---|
| 建築費 | 3,000万円 |
| 粗利益率20%の場合の粗利益 | 600万円 |
| 5%相当の広告費等 | 150万円 |
| 粗利益に占める割合 | 25% |
粗利益は、そのまま会社の最終利益ではありません。
ここから社員の給与、事務所費、車両費、保証対応費などを支払います。
住宅会社にとって、150万円は簡単に吸収できる金額ではありません。
住宅会社はどのように負担するのか
住宅会社が紹介関連費用を負担する方法は、主に次のいずれかです。
1.紹介された顧客の価格へ反映する
紹介経由のお客様にだけ、販売経費を含めた価格を提示する方法です。
この場合、直接問い合わせた場合との価格差が生じる可能性があります。
2.全契約者の価格へ広く含める
年間の広告費として、すべての住宅価格へ少しずつ含める方法です。
この場合、紹介サービスを利用していないお客様も、会社全体の広告費を間接的に負担します。
3.値引きできる金額を減らす
通常なら可能だった値引きやサービス工事を減らし、紹介費用を確保する方法です。
見積金額が同じでも、最終的な条件に差が出る可能性があります。
4.標準仕様やサービスで調整する
設備、付帯工事、設計対応、アフターサービスなど、別の部分で販売経費を調整する可能性があります。
5.住宅会社が利益を削る
住宅価格や仕様を変えず、住宅会社が自社の利益から支払う方法です。
この場合は、会社の利益と将来の経営体力が減ります。
どの方法を選ぶかは住宅会社によって異なります。
だからこそ、
「住宅会社が払うので、お客様には関係ありません」
という説明だけでは不十分です。
同じ住宅を直接契約したら安くなるのか
相談者が最も知りたいのは、
紹介会社を通さず、住宅会社へ直接問い合わせたら安くなるのか?
という点でしょう。
これは住宅会社の価格制度によって異なります。
- 紹介経由でも直接でも同じ価格
- 紹介経由では値引き条件が異なる
- 全顧客が同じ定額価格
- 広告費を会社全体で負担
- 紹介経由だけ販売経費を加算
など、さまざまな方法があります。
直接問い合わせれば必ず4~5%安くなるとは断定できません。
一方で、紹介会社へ支払う費用がないなら、住宅会社側の経費が減ることは事実です。
その差を価格、仕様、値引き、サービスのどこへ反映するかは住宅会社次第です。
契約前に、
「相談サービス経由と直接問い合わせで、価格・値引き・標準仕様は本当に同じですか?」
と確認してください。
年間10件ならいくらになるのか
一件当たりの費用だけでなく、住宅会社が年間でいくら支払うかも考えてみましょう。
建築費3,000万円、料率5%、一件150万円として計算します。
| 年間成約件数 | 年間の支払額 |
|---|---|
| 1件 | 150万円 |
| 5件 | 750万円 |
| 10件 | 1,500万円 |
| 20件 | 3,000万円 |
| 30件 | 4,500万円 |
年間20件なら3,000万円です。
これは小規模な工務店にとって非常に大きな販売経費です。
紹介サービスへの依存度が高くなると、住宅会社はその紹介経路を失いたくないと考えるようになります。
その結果、
- 相談会社からの評価を気にする
- 商談状況を細かく報告する
- 契約率を優先する
- 紹介されたお客様への営業を強める
- 相談会社の方針へ逆らいにくくなる
という関係が生まれる可能性があります。
高額な住宅会社ほど相談会社の収益が増える
同じ5%でも、住宅会社の価格帯によって相談会社の収益が変わります。
| 住宅会社 | 平均建築費 | 5%相当額 |
|---|---|---|
| A社 | 2,500万円 | 125万円 |
| B社 | 3,500万円 | 175万円 |
| C社 | 5,000万円 | 250万円 |
相談者をA社へ紹介して契約すれば125万円。
C社なら250万円です。
相談会社の仕事量が同程度でも、収益には125万円の差があります。
建築金額連動の報酬を受け取りながら中立を掲げるなら、
- 高額な会社を優先しない仕組み
- 住宅会社ごとの料率
- 紹介担当者の評価方法
- 予算を下げる助言ができる体制
を説明する必要があります。
4~5%の価値があるかを考える
住宅相談サービスが4~5%相当の費用を受け取るとしても、それ以上の価値を相談者や住宅会社へ提供しているなら、費用に合理性はあります。
例えば、
- 正確な資金計画
- 住宅ローンの事前確認
- 建築会社の厳格な審査
- 設計・施工品質の確認
- 見積りの比較
- 契約書の確認
- 追加費用のチェック
- 契約後のトラブル対応
- 引渡し後の継続支援
まで専門家が行うのであれば、大きな価値があります。
反対に、
- 希望条件を聞く
- 提携会社を数社紹介する
- 面談日程を調整する
- 断りを代行する
だけなら、一件当たり100万~250万円という費用が妥当なのか、疑問を持つ人もいるでしょう。
相談前に確認する質問
無料住宅相談を利用する前に、次の質問をしてください。
- 住宅会社が支払う費用は定額ですか
- 建築金額の一定割合ですか
- 料率は何%ですか
- 建物本体以外も計算対象ですか
- 追加工事や外構工事も対象ですか
- 住宅会社ごとに料率は同じですか
- 直接問い合わせた場合と価格は同じですか
- 紹介費用によって値引き条件は変わりますか
- 高額な住宅会社ほど相談会社の収益は増えますか
- その費用に含まれる具体的なサービスは何ですか
「お客様の負担は0円です」という説明だけでは、住宅会社側の費用は分かりません。
最終結論
建築費の4~5%は、数字だけを見ると小さく感じます。
しかし、建築費3,000万円なら120万~150万円。
4,000万円なら160万~200万円。
5,000万円なら200万~250万円です。
相談者が窓口で払わなくても、住宅会社にとっては一件当たり数百万円規模の販売経費になります。
その費用が相談者の見積りへ直接加算されるとは限りません。
しかし、会社の経費である以上、価格、利益、値引き、仕様、サービスのいずれかと関係します。
無料住宅相談を利用するときは、割合ではなく実際の金額へ直してください。
そして、こう質問してください。
「私が3,000万円の住宅を契約した場合、住宅会社から相談会社へ実際にいくら支払われるのですか?」
4%、5%という小さな数字ではなく、120万円、150万円という金額で考える。
それが、無料住宅相談の費用を正しく判断する方法です。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁










