建替え時の契約書にかかる「印紙税」の軽減措置
A. 建物の工事請負契約書には印紙税がかかります。建て替え工事が1,000万円超5,000万円以下なら、現在の軽減税率では契約書1通につき1万円です。電子契約だけで締結する場合、原則として印紙税はかかりません。
印紙税は、契約金額を支払う際にかかる税金ではなく、課税対象となる紙の契約書を作成したときにかかる税金です。
建物本体工事だけでなく、解体工事、外構工事、追加変更工事などについて、紙の請負契約書や注文請書を作成する場合も対象になる可能性があります。
建設工事請負契約書の軽減税率
2026年8月現在、2027年3月31日までに作成される一定の建設工事請負契約書には、次の軽減税率が適用されます。
| 契約書に記載された金額 | 印紙税額 |
|---|---|
| 100万円超200万円以下 | 200円 |
| 200万円超300万円以下 | 500円 |
| 300万円超500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 3万円 |
例えば、建て替えの工事請負金額が2,500万円なら、印紙税は契約書1通につき1万円です。国税庁「建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」
軽減措置は期限が延長されることもありますが、契約日が2027年4月1日以降になる場合は、その時点の制度を改めて確認してください。
契約書を2通作れば、それぞれ必要
施主用と住宅会社用に、署名・押印した契約書を2通作成する場合は、それぞれが課税文書になります。
一般的には、施主が保管する契約書の印紙代を施主、住宅会社が保管する契約書の印紙代を住宅会社が負担します。負担方法は契約前に確認してください。
「写し」「副本」と書かれていても、契約成立を証明する目的で署名・押印などをした書面は、印紙税の対象になる場合があります。国税庁「契約書の写し、副本、謄本等」
消費税を分けて記載するとき
契約書に、工事価格と消費税額が明確に区分して記載されている場合は、原則として消費税を除いた金額を印紙税の判定に使える場合があります。
例えば、
- 工事価格:5,000万円
- 消費税:500万円
- 合計:5,500万円
と明確に記載されていれば、5,000万円を基準に判定します。
一方、「契約金額5,500万円(税込)」とだけ記載している場合は、5,500万円が記載金額と扱われる可能性があります。境目の金額では印紙税が変わるため、契約書の記載方法を確認しましょう。
電子契約なら印紙税は原則不要
契約書を紙で作成せず、電子署名を付けた電子契約として締結する場合、電磁的記録は印紙税法上の「文書」に含まれないため、原則として印紙税は課税されません。国税庁「電磁的記録に関する印紙税の取扱い」
ただし、電子契約を締結した後に、双方が署名・押印した紙の契約書を別に作れば、その紙が課税対象になる可能性があります。
電子契約を利用するときは、印紙代だけでなく、次の点も確認します。
- 契約書データを自分で保存できるか
- 住宅会社のシステム終了後も閲覧できるか
- 添付図面や見積書も一緒に保存されるか
- 変更契約も電子化されるか
- 金融機関が電子契約へ対応しているか
追加変更契約にも注意
契約後に間取りや設備を変更し、追加工事契約書を紙で作成した場合も、印紙が必要になることがあります。
原契約を明確に示し、「追加金額200万円」と記載した変更契約書なら、その増加額を基準に判定できる場合があります。一方、変更後の総額だけを記載すると、総額を基準に判定される可能性があります。
変更契約書を単なる打ち合わせ記録にせず、原契約、変更内容、増減金額、工期を明確に記載することが重要です。
印紙を貼るだけでは不十分
収入印紙を貼ったら、契約当事者の印章や署名で消印します。貼り忘れや消印漏れがあると、過怠税の対象になる可能性があります。
デザインハウス甲府では、建物本体だけでなく、付帯工事や消費税まで含めた総額を明示し、契約後に金額が増減する場合も変更内容を書面で確認します。
印紙代そのものは建築総額と比べれば小さな金額です。しかし、契約書を曖昧にして印紙代だけ節約するのは本末転倒です。大切なのは、誰が・何を・いくらで・いつまでに行うかが明確な契約書を残すことです。










