住宅金融支援機構の「ノンリコース型」リバースモーゲージとは何ですか?
A. 自宅を売却しても残債が出た場合に、原則として相続人が不足額を返済しなくてよい仕組みです。
住宅金融支援機構の「リ・バース60」は、主に60歳以上を対象としたリバースモーゲージ型住宅ローンです。毎月の支払いを利息だけに抑え、元金は契約者が亡くなった後に、相続人が一括返済するか、担保となった土地と建物を売却して返済します。
ただし、「ノンリコース型だから安心」と仕組みを十分に理解せずに利用するのは危険です。
売却しても残った借金は相続人へ請求されない
例えば、死亡時のローン残高が1,500万円あり、土地と建物が1,200万円でしか売れなかった場合、300万円の不足が発生します。
ノンリコース型では、担保物件を売却した後の不足額について、原則として相続人に返済を求めません。これが通常のリコース型との大きな違いです。住宅金融支援機構「リ・バース60の返済方法」
一方、売却代金がローン残高を上回った場合、その残額は相続人が受け取れます。
「家を必ず失う制度」ではない
契約者が亡くなった後、相続人が自己資金などで元金を一括返済できれば、家を売却せずに残すことも可能です。
ただし、相続人が家を残したいと考えていても、その時点で一括返済する資金がなければ、原則として売却することになります。
そのため、契約前に家族へ次の点を説明しておく必要があります。
- 親の死亡後にローン残高がいくら残るのか
- 子どもは家を残したいのか
- 残す場合に一括返済できるのか
- 売却や家財処分を誰が行うのか
- 土地・建物の名義や相続人が整理されているか
「子どもに借金を残さない」というメリットだけでなく、子どもに家を残せない可能性がある制度として考える必要があります。
山梨県では「借りられる金額」が最大の問題
リ・バース60の融資限度額は、原則として土地と建物の担保評価額の50%または60%です。60歳未満の場合は取扱いが異なり、長期優良住宅には一定の上乗せがあります。住宅金融支援機構「リ・バース60」
しかし、建築費が2,500万円だから1,500万円借りられるとは限りません。
山梨県では、駅から離れた地域、市街化調整区域、需要の少ない地域、接道条件に問題がある土地などは、将来の再販が難しく、担保評価が低くなることがあります。
例えば、建替え総額が2,500万円でも、完成後の土地・建物の担保評価額が1,500万円なら、掛け目50%の場合の融資限度額は750万円です。残りの1,750万円は、自己資金などで用意しなければなりません。
家の性能や建築費ではなく、「将来いくらで売れるか」によって融資額が決まる点が最大の注意事項です。
制度が全国対応でも、すべての土地で希望額を借りられるわけではありません。金融機関によって取扱地域、審査基準、金利も異なります。
毎月の返済額が一生変わらないとは限らない
毎月の支払いは利息だけですが、元金は基本的に減りません。
借入額1,000万円、金利年3%なら、単純計算による利息は月約2万5,000円です。金利が年4%になれば月約3万3,000円、年5%なら月約4万2,000円になります。
変動金利型では、長生きするほど支払利息が増え、金利上昇によって年金生活を圧迫する可能性があります。
また、ノンリコース型で免除された残債務が債務免除益とみなされ、所得税等が課税される可能性も案内されています。契約前に金融機関と税理士へ確認が必要です。
最初からリ・バース60ありきで計画しない
リ・バース60は、一般的な住宅ローンを組みにくいシニアにとって有効な選択肢です。しかし、借入可能額が決まる前に建替え計画を進めると、後から大幅な自己資金不足が判明することがあります。
安全な順番は次のとおりです。
- 土地・建物の名義と相続人を確認する
- 金融機関へ担保評価と融資可能額を事前相談する
- 金利上昇時の返済額を試算する
- 相続人へ売却の可能性を説明する
- 確定した融資額の範囲で建替え総額を決める
デザインハウス甲府では、建物の提案より先に、解体・付帯工事・諸費用まで含めた建替え総額と、金融機関から実際に借りられる金額を確認します。
ノンリコース型は「借金が消える制度」ではありません。自宅を返済原資にし、相続人の追加返済リスクを限定する制度です。山梨では、利用できるかより先に、希望額を本当に借りられるかを確認してください。










