Q.図面や仕様書と違う材料を使っていた場合、社長はどう対応しますか?
A.まず対象の材料と契約資料を照合し、承認済みの変更か、誤った手配や施工かを確認します。私は、同等品だからという説明だけで、お客様が選んだ内容を置き換えてよいとは考えていません。性能、施工条件、費用への影響を整理し、必要な是正と記録の更新を行うことが大切です。
最新版の図面と実際の材料を照合します
現場の表示が商品名と違って見える場合も、製造会社、品番、規格、厚さなどを確認します。カタログ上の名称と材料の表示が必ず同じとは限りません。一方、材料が似ていることだけを理由に、指定どおりだと判断することもできません。
変更の承認があるという説明なら、いつ、何を、どの資料で了承したかを見ます。営業へ相談した案と、正式に変更した仕様が混ざっていることもあります。最初の図面だけでなく、変更履歴と発注の資料まで照合することが必要です。
例えば、仮に指定した断熱材と異なる製品が入っていた場合、厚さが同じでも性能や施工方法が同じとは限りません。熱の伝わり方、湿気への配慮、必要な納まりなどを確認します。外観上見えない材料だから、説明は簡単でよいという扱いにはできません。
材料単体と住宅全体への影響を分けます
構造、防火、断熱、防水などに関わる変更は、設計や認定、計算、メーカーの条件へ影響する場合があります。現場で「こちらの方が高級です」と説明されても、それだけで採用できるとは限りません。設計者などの判断が必要な内容を確認します。
また、性能上使えることと、契約した内容に合っていることは別です。色や手触り、手入れ、メーカーへの希望も、お客様が選ぶ理由になります。必要な性能を満たすから、無断の変更は問題ないと結論を付けないことが重要です。
すでに施工されている場合は、そのまま残す案と交換する案について、建物へ与える影響も見ます。取り外す際に周囲の部材を傷める、再施工の確認が必要になるなどの条件があります。交換することだけを先に決めず、元の状態へどう戻すかを具体的に検討します。
是正内容と合意を記録します
誤りが確認されたら、対象の範囲、是正方法、確認する人、工程への影響を整理します。代替品を提案するなら、契約品との違いと価格を示し、ご家族の了承を確認します。会社に都合のよい変更書面へ、説明を理解しないまま署名する必要はありません。
確認表には次の4点を入れます。
・契約した品番や仕様と現場の材料。
・相違した理由と変更承認の有無。
・性能、見た目、施工、認定などへの影響。
・交換や代替の方法、差額、確認結果。
仮に代替品の仕入価格が高くても、お客様へ当然に差額を請求できるとは限りません。反対に、別製品で安くなる場合も、差額の取扱いを曖昧にしないことが必要です。責任や費用は、契約内容と経緯を踏まえて確認します。
図面や申請書類などの更新が必要なら、誰がいつ行うかも整理します。材料だけ交換しても、記録が古いままでは、将来の修繕や売却で実物と資料が一致しないことがあります。お客様が受け取る完成図書にも、最終の状態が分かることが大切です。
原因の確認では、発注時の入力、納品時の照合、施工前の確認のどこで相違を見逃したかを見ます。同じ材料が別の箇所にも使われていないかを確認し、今回の一か所だけの問題かを把握します。担当者を叱って終えることでは、同じ行き違いを防げません。
当社へも、材料が違うと感じたら、品番や表示の写真を添えて伝えてください。お客様が誤りを証明し終えてから相談する必要はありません。会社が資料と実物を照合し、分かったことと、まだ確認中のことを説明する必要があります。
私は、材料の変更で一番避けたいのは、お客様が知らないところで条件が変わることです。使える材料かを技術的に確かめ、そのうえで契約と希望に沿う対応を決める。その過程と結果が見えることを大切にしたいと考えています。
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