まず一点だけ、タイトルにある**「80%減額」は正確には「最大80%評価減」**です。適用されるには複数の要件があり、必ず80%減額になるわけではありません。その点を踏まえて、Q&Aとして使いやすい形にまとめます。
Q23. 親と同居して建て替える場合、「小規模宅地等の特例(最大80%評価減)」を確実に適用させるための要件とは?
Q
75歳の父名義の家を二世帯住宅に建て替え、私たち家族も同居する予定です。相続になったとき、「小規模宅地等の特例」で土地の評価額が80%減額されると聞きました。本当に適用されるのでしょうか?建て替え前に気を付けることを教えてください。
結論
「小規模宅地等の特例」は、一定の条件を満たせば、自宅の土地の相続税評価額を最大80%減額できる非常に大きな節税制度です。
しかし、
- 建物の名義
- 土地の名義
- 同居の実態
- 相続後の居住状況
などの条件を満たさなければ適用できません。
建て替え後では取り返しがつかないケースもあるため、建築前から税理士などの専門家へ相談することが重要です。
小規模宅地等の特例とは?
この制度は、亡くなった方が住んでいた土地について、一定の要件を満たす相続人が取得した場合、330㎡までの部分について相続税評価額を最大80%減額できる制度です。
例えば、
土地の相続税評価額が3,000万円の場合、
特例が適用されれば、
評価額は600万円となり、
2,400万円分の評価額が減額される可能性があります。
※実際の相続税額は相続財産全体などによって異なります。
適用される主な要件
代表的な要件は次のとおりです。
- 被相続人(亡くなった親)が住んでいた自宅であること
- 相続人が一定の条件を満たすこと
- 相続税の申告期限までに必要な手続きを行うこと
さらに、
同居していた相続人には有利な規定があります。
同居していれば必ず適用される?
いいえ。
同居しているだけでは足りません。
例えば、
- 実際に生活していたこと
- 住民票だけでなく生活実態があること
- 相続後も原則としてその住宅を所有し続けること
などの要件があります。
形式だけの同居では認められない場合があります。
建て替え前に注意すること
建て替えでは、
- 土地は親名義
- 建物は子ども名義
というケースがよくあります。
この場合でも特例が適用できるケースはありますが、
名義の設定や資金負担の方法によっては税務上の問題が生じることがあります。
建築前に、
- 税理士
- 司法書士
- 建築会社
と十分に打ち合わせをしておくことが重要です。
二世帯住宅でも適用できる?
二世帯住宅でも、
一定の条件を満たせば特例を利用できます。
例えば、
親世帯と子世帯が同じ建物で生活している場合などです。
ただし、
住宅の構造や利用状況によって判断が異なることもあるため、個別の確認が必要です。
相続税の申告が必要
相続税が発生しないと思っていても、
この特例を利用するためには、
原則として相続税の申告が必要です。
申告期限は、
相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。
期限を過ぎると、特例が受けられない場合があります。
シニア世代の建て替えでよくある失敗
建て替え後に、
「名義を変えてしまった」
「子どもが別居してしまった」
「専門家へ相談しなかった」
などの理由で、
本来受けられるはずだった特例が利用できなくなるケースがあります。
建築費よりも相続税の方が高くなることもあるため、建築前の準備が重要です。
法律・制度の根拠
小規模宅地等の特例は、租税特別措置法第69条の4に基づく制度です。
制度の詳細や適用要件は、国税庁が公表する「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」に定められています。
また、相続は民法、土地や建物の登記は不動産登記法に基づいて行われます。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県でも、親との同居をきっかけに建て替えをされるご家族が増えています。
しかし、
「建物が完成してから税金のことを考える」
では遅い場合があります。
私たちは、
- 建物の設計
- 名義の考え方
- 相続
- 贈与
- 土地の活用
まで含めて計画することをおすすめしています。
小規模宅地等の特例は、相続税対策の中でも効果が非常に大きい制度です。
建て替えを検討し始めた段階で、住宅会社だけでなく税理士とも連携しながら進めることが、将来の大きな節税につながります。










