同じキッチンなのに、住宅会社によって金額が違うのはなぜ?
A. 住宅会社ごとに、メーカーからの仕入れ価格・標準仕様・取付工事費・利益設定が違うからです。また、同じ商品名でも、中身が同じとは限りません。
例えば、同じメーカーの同じシリーズでも、次の違いで金額が変わります。
- 扉のグレード
- ワークトップの素材
- シンクの種類
- 水栓
- 食器洗い乾燥機
- IH・ガスコンロ
- レンジフード
- 収納内部
- サイドパネル
- カップボード
- 取付費・配管・電気工事
「同じメーカー、同じシリーズ」というだけでは、同じキッチンとは判断できません。
住宅会社によって仕入れ価格が違う
住宅会社は、メーカーのカタログ価格でキッチンを購入しているとは限りません。
一般的には、メーカーや販売店との取引条件によって仕入れ価格が変わります。
- 年間の仕入れ台数
- 標準採用しているメーカー
- 取引年数
- 支払条件
- キャンペーンや販売目標
- 商社・販売店との契約
- 配送地域
例えば、カタログ価格150万円のキッチンでも、仕入れ条件によって次のような差が出る可能性があります。
| 項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| メーカー表示価格 | 150万円 | 150万円 |
| 商品の仕入れ価格例 | 75万円 | 95万円 |
| 配送・取付・接続工事 | 20万円 | 20万円 |
| 管理費・利益など | 10万円 | 15万円 |
| 施主への提示価格 | 105万円 | 130万円 |
同じキッチンでも、25万円の差が出ています。
これは必ずしも、B社が不当に高いという意味ではありません。仕入れ条件や施工・保証範囲が違う可能性があるからです。
同じシリーズ名でも仕様が違う
キッチンは、シリーズ名だけでは比較できません。
例えば、同じシリーズ・同じ2550mm幅でも、次の仕様で数十万円変わる場合があります。
| 仕様 | 標準タイプ | 上位タイプ |
|---|---|---|
| ワークトップ | 人造大理石 | セラミック・高級素材 |
| 食器洗い乾燥機 | 浅型 | 深型・フロントオープン |
| 水栓 | 一般水栓 | タッチレス・浄水機能 |
| レンジフード | 標準型 | 自動洗浄・高機能型 |
| 扉 | 基本グレード | 上位グレード |
| 収納 | 基本仕様 | 高機能収納 |
| カップボード | なし | あり |
外観写真が同じように見えても、内部の仕様は大きく異なります。
比較するときは、シリーズ名ではなく、メーカーの見積書と品番を確認してください。
ショールーム価格と住宅会社の追加金額が違う理由
メーカーのショールームで出される見積書は、メーカー希望価格や参考価格を基準にしていることがあります。
そのため、
ショールーム見積額=住宅会社へ支払う金額
とは限りません。
住宅会社の見積もりでは、標準キッチンとの差額で計算する場合があります。
例えば、
| 内容 | 金額 |
|---|---|
| 標準キッチンの住宅会社内価格 | 80万円 |
| 選んだキッチンの住宅会社内価格 | 110万円 |
| 本来の追加差額 | 30万円 |
一方、メーカー見積書では、
| 内容 | メーカー表示価格 |
|---|---|
| 標準キッチン | 130万円 |
| 選んだキッチン | 180万円 |
| 表示上の差額 | 50万円 |
となることがあります。
仕入れ率が商品ごとに違うため、カタログ価格の差額と実際の追加金額が一致しないのです。
取付工事の範囲が違う
商品価格が同じでも、見積もりに含まれる工事が違うことがあります。
- 現場までの配送
- 搬入
- キッチン本体の組立て
- 給排水接続
- IH・食洗機の電気工事
- レンジフードのダクト工事
- 壁下地の補強
- キッチンパネル施工
- コーキング
- 既存設備の撤去・処分
- 施工管理
- 不具合時の対応
A社は商品代だけ、B社は取付・接続・保証まで含む金額かもしれません。
価格だけでなく、どこまで完成させる金額なのかを確認する必要があります。
標準外メーカーに変更すると高くなる
住宅会社には、仕入れ条件のよい「標準メーカー」があります。
標準外のメーカーへ変更すると、
- 仕入れ率が悪くなる
- 配送費が増える
- 施工業者が変わる
- 図面や配管の調整が必要になる
- 現場管理の手間が増える
ため、同じ価格帯の商品でも追加費用が大きくなることがあります。
「このキッチンは他社では安かった」という場合、その会社が標準採用していた可能性があります。
カップボードを含めて比較する
キッチン本体が安くても、カップボードや周辺収納が別料金なら、最終的には高くなることがあります。
| 比較項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| キッチン本体 | 100万円 | 120万円 |
| カップボード | 40万円 | 標準に含む |
| 取付・接続工事 | 15万円 | 標準に含む |
| 合計 | 155万円 | 120万円 |
キッチン本体だけを見るとA社が20万円安く見えますが、完成状態ではB社の方が35万円安くなります。
住宅会社への確認方法
比較するときは、次の資料をそろえてください。
- メーカー名・シリーズ名
- キッチン本体の品番
- 扉・天板・シンクの仕様
- 水栓・食洗機・コンロ・レンジフードの品番
- カップボードの有無
- 配送・取付・接続工事
- キッチンパネル・下地工事
- 税込の最終追加金額
- メーカー保証と施工保証
- 標準品を外した場合の減額
住宅会社には、次のように依頼してください。
「メーカーの見積書を出してください。品番と付属品をそろえ、取付・電気・給排水工事まで含んだ税込価格で比較したいです」
さらに、オプション変更の場合は、
「標準キッチンを外した減額と、変更するキッチンの追加額を分けてください」
と確認します。
同じメーカー名、同じシリーズ名でも、同じキッチンとは限りません。
比較すべきなのはカタログ価格ではなく、同じ品番・同じ工事範囲で完成したときの税込金額です。










