共有名義で建替える際、親と子の「出資比率」と「持分割合」は合わせる必要がありますか?
A. 原則として、親子それぞれが実際に負担した金額と、新築建物の登記持分を一致させる必要があります。
親子だからと「とりあえず2分の1ずつ」で登記すると、実際の出資額との差額について、親から子、または子から親への贈与と判断される可能性があります。
共有名義で最も危険なのは、建築後に司法書士へ「持分は半分ずつで」と伝えてしまうことです。
持分割合は実際の負担額で決める
例えば、建替えにかかる建物代金と建物に関する諸費用の合計が2,500万円で、親が1,000万円、子が1,500万円を負担したとします。
この場合の基本的な持分は次のとおりです。
- 親:1,000万円÷2,500万円=5分の2
- 子:1,500万円÷2,500万円=5分の3
ところが、親子それぞれ2分の1で登記すると、親の持分価値は1,250万円になります。親は1,000万円しか負担していないため、差額250万円を子から贈与されたと判断される可能性があります。
国税庁も、住宅の取得資金の負担割合と登記持分が異なる場合、その差額について贈与税の問題が生じると説明しています。国税庁「共働きの夫婦が住宅を買ったとき」
この考え方は夫婦だけでなく、親子で共有する場合にも当てはまります。
出資額に含める金額を整理する
持分を計算するときは、現金だけでなく、誰が返済する住宅ローンなのかも確認します。
親子それぞれについて、次の資金を整理してください。
- 預貯金から支払う自己資金
- 本人名義で借りる住宅ローン
- 連帯債務で実際に負担するローン
- 父母や祖父母から受ける贈与
- 解体費や設計費などの負担
- 補助金を誰が受け取るか
住宅ローンを子名義で借り、実際の返済も子が行うなら、基本的には子の負担として考えます。
反対に、建物を親名義にしたまま、子がローンや建築費を支払い続けると、その支払いが子から親への贈与と判断される可能性があります。
住宅取得資金の贈与を使う場合
親から子へ住宅取得資金を贈与し、非課税特例などを利用する場合、その資金は贈与後には子の出資金として扱われます。
例えば、建替え総額2,500万円について、親が子へ1,000万円を贈与し、子が自分の資金やローンで残り1,500万円を負担する場合、条件を満たせば建物を子の単独名義にする方法も考えられます。
ただし、住宅取得等資金の非課税特例を利用するには、子が新築建物の所有者または共有者になり、期限内に申告する必要があります。
贈与する前に、次の4点を同時に決めてください。
- 誰から誰へ、いくら贈与するか
- 誰が住宅ローンを借りるか
- 誰が実際に返済するか
- 建物をどの持分で登記するか
土地と建物は別々に考える
親名義の土地に、親子共有の建物を建てる場合、土地まで自動的に共有になるわけではありません。
例えば、土地は親100%、新しい建物は親5分の2・子5分の3という登記も可能です。
ただし、子が親の土地を無償で使用する場合の権利関係、住宅ローンの担保設定、親が亡くなった後の土地相続まで考えておく必要があります。
土地を相続する子と、建物持分を持つ子が別人になると、将来売却や建替えをするときに意見がまとまらない可能性があります。
税金だけで共有名義を決めない
共有名義には、費用を分担できる一方で、将来の問題もあります。
- 売却には共有者全員の合意が必要になる
- 親の認知症により意思確認が難しくなる
- 親の持分が相続され、共有者が増える
- 固定資産税や修繕費の負担で揉める
- 施設入居後に家を処分しにくくなる
- 住宅ローン控除額が持分や借入負担の影響を受ける
「親もお金を出すから共有名義」という決め方だけでは不十分です。誰が住み、誰が返済し、親の死亡後に誰が家を引き継ぐのかまで決める必要があります。
契約前に持分計算表を作る
建築会社との契約後や登記直前に持分を考えるのでは遅すぎます。
安全な順番は次のとおりです。
- 土地と既存建物の名義を確認する
- 建替え総額を確定する
- 親子それぞれの自己資金・贈与・借入額を整理する
- 税理士に贈与税の扱いを確認する
- 金融機関にローンと担保設定を確認する
- 司法書士に登記持分を確認する
- 工事代金の振込記録を残す
デザインハウス甲府では、建物価格だけでなく、解体・付帯工事・諸費用まで含めた総額を出し、誰がいくら負担するのかを整理してから契約へ進みます。
登記持分は、家族で自由に決める「名前の割合」ではありません。実際に誰がいくら負担したかを示す、税務上も重要な数字です。










