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借換えは得?

Q. 住宅ローンの借り換えは得?

A. 金利が下がるだけでは「得」とは限りません。諸費用を引いた後の総返済額で判断します。

住宅ローンの借り換えとは、新しい金融機関から住宅ローンを借り、現在の住宅ローンを一括返済することです。

毎月の返済額が下がっても、借り換え手数料や登記費用を含めると、実際にはほとんど得をしない場合があります。

見るべき数字は金利差ではなく、

借り換え後の総返済額+諸費用

です。

借り換えには数十万円以上の費用がかかる

借り換えでは、一般的に次の費用が発生します。

  • 新しい住宅ローンの融資手数料
  • 保証料
  • 印紙税または電子契約手数料
  • 現在の抵当権を抹消する費用
  • 新しい抵当権を設定する費用
  • 司法書士報酬
  • 現在のローンの一括返済手数料
  • 未払い利息

住宅金融支援機構も、借り換えでは毎月返済額だけでなく、諸費用を含めた総費用で比較するよう案内しています。

参考:住宅金融支援機構・借換融資検討の3つのポイント

融資手数料には、数万円程度の定額型と、借入額の1~2%程度となる定率型があります。

残高2,500万円で手数料2.2%なら、それだけで55万円です。登記費用などを加えると、諸費用が70万円前後になる場合もあります。

借り換え効果を具体的に計算

次の条件で単純比較します。

  • ローン残高:2,500万円
  • 残り期間:25年
  • 現在の金利:1.5%
  • 借り換え後:0.7%
  • 元利均等返済
  • 諸費用:60万円
項目 現在のローン 借り換え後
毎月返済額 約10万円 約9万900円
残りの総返済額 約3,000万円 約2,726万円
返済額の差 - 約274万円減
借り換え諸費用 - 約60万円
実質削減額 - 約214万円

このケースでは、諸費用を差し引いても約214万円の削減が見込めます。

一方、ローン残高が少ない、残り期間が短い、金利差が小さい場合は、借り換え効果がほとんど出ないことがあります。

住宅金融支援機構には、諸費用を含めて比較できるシミュレーションがあります。

参考:住宅金融支援機構・住宅ローンシミュレーション

「金利差1%なら得」は現在では通用しない

以前は、次の条件が借り換えの目安といわれていました。

  • ローン残高1,000万円以上
  • 残り期間10年以上
  • 金利差1%以上

しかし、これはあくまで簡易的な目安です。

現在は金利差が0.5%程度でも、残高と残期間が大きければ効果が出る可能性があります。反対に金利差が1%あっても、諸費用が高ければ効果は小さくなります。

昔の目安だけで判断せず、実際の総費用を計算してください。

月々が下がっても得とは限らない

借り換え時に返済期間を延ばせば、毎月の返済額は下がります。

しかし、返済期間が長くなれば、支払利息が増えて完済年齢も遅くなります。

例えば60歳完済の予定だった住宅ローンを、借り換えによって70歳完済に延ばせば、月々の負担は軽く見えます。

しかし、それは得をしたのではなく、返済を先送りしただけです。

比較するときは、原則として現在の残り期間と同じ期間で計算します。

変動金利への借り換えは将来金利も確認する

固定金利から低い変動金利へ借り換えると、当初の返済額は下がる可能性があります。

ただし、将来金利が上昇すれば、削減効果がなくなる場合があります。

最低でも次の3パターンを比較します。

  • 借り換え後の金利が続く場合
  • 金利が1%上昇した場合
  • 金利が2%上昇した場合

「現在の金利が最も低い銀行」ではなく、金利が上がっても家計が耐えられる住宅ローンを選ぶべきです。

団信の内容が変わることにも注意

借り換えは、新しい住宅ローンを契約する手続きです。

そのため、改めて住宅ローン審査と団体信用生命保険の審査を受けます。

健康状態によっては、新しい団信に加入できない可能性があります。また、現在の住宅ローンについている疾病保障や保険条件を失うこともあります。

金利だけでなく、次の内容も比較してください。

  • 死亡・高度障害保障
  • がん保障
  • 三大疾病保障
  • 就業不能保障
  • 保険料の上乗せ
  • 保障開始の条件
  • 支払い対象外となる条件

数十万円の利息削減と引き換えに、重要な保障を失わないように注意が必要です。

住宅ローン控除は延長されない

一定の要件を満たせば、借り換え後も住宅ローン控除を継続できる場合があります。

ただし、借り換えによって控除期間が最初からやり直しになるわけではありません。控除期間は延長されません。

新しい住宅ローンの返済期間が10年未満になる場合などは、控除対象から外れる可能性があります。

参考:国税庁・住宅ローン等の借換えをしたとき

借り換え前に現在の銀行へ相談する

他行へ借り換える前に、現在借りている金融機関へ金利の引き下げや条件変更を相談する方法もあります。

条件変更であれば、抵当権の抹消・再設定が不要となり、借り換えより諸費用を抑えられる可能性があります。

比較する順番は次のとおりです。

  1. 現在の金融機関へ条件変更を相談する
  2. 他行の借り換え条件を確認する
  3. 諸費用を含む総返済額を比較する
  4. 団信と将来の金利上昇リスクを確認する
  5. 完済年齢が遅くならないか確認する

俺流結論

住宅ローンの借り換えは、条件が合えば100万円以上の削減効果が期待できます。

しかし、月々の返済額が下がっただけで喜ぶのは危険です。

確認すべきなのは、

諸費用を払っても総返済額がいくら減るのか
保障内容を落としていないか
完済年齢が遅くならないか

この3点です。

住宅ローンは金利だけの商品ではありません。

現在のローン、借り換え後のローン、諸費用、団信、金利上昇時の返済額まで並べて、70歳前後までに無理なく完済できる案を選びましょう。

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