Q. 保証期間中なのに、修理が有料になるのはなぜ?
A. 保証期間内でも、故障した部位や原因が保証対象外なら修理は有料です。「保証期間中」とは、家のあらゆる不具合を無料で直す期間ではなく、保証書に定められた対象・原因・条件を満たした場合だけ、無償修理を受けられる期間です。
「保証中」と「すべて無料」は同じではない
住宅会社から、
「建物は30年保証です」
「住宅設備は10年保証です」
と説明されると、多くの人は、その期間内に起きた不具合なら無料で直してもらえると思います。
しかし、保証には必ず次の条件があります。
- 保証対象となる部位
- 保証対象となる故障原因
- 無償修理の範囲
- 保証を受けるための連絡方法
- 定期点検や維持管理の条件
- 保証対象外となる免責事項
保証期間内というだけでは、無償修理になるとは限りません。
有料修理になる主な7つの理由
1.故障した部位が保証対象ではない
「住宅設備10年保証」と表示されていても、家の中にあるすべての設備が対象とは限りません。
例えば、システムキッチンは対象でも、次の機器は別扱いになる場合があります。
- 食器洗い乾燥機
- IHクッキングヒーター
- 浄水器
- レンジフード
- 照明器具
- 後から設置した設備
- 家電製品として扱われる機器
大和ハウスの住宅設備10年保証も、指定された住宅設備機器の「自然故障」を対象とする制度です。保証対象となる設備が限定されているため、設備保証という名称だけで判断できません。大和ハウス|長期保証・アフターサポート
2.経年劣化や消耗部品と判断された
故障ではなく、通常の使用による摩耗や経年劣化と判断されると、保証期間内でも有料になる場合があります。
例えば、次のようなものです。
- 水栓やドアのパッキン
- 照明器具のランプ
- 電池
- フィルター
- コーキングの劣化
- 表面の変色や色あせ
- 水アカ、カビ、サビ
- 使用によるキズや汚れ
LIXILも、浴室のランプや水栓・ドアのパッキンなどを消耗部品として、保証期間内でも有料になると案内しています。LIXIL|修理を依頼する
つまり、住宅所有者が「故障した」と考えても、メーカーや住宅会社が「消耗品の交換」「通常の劣化」と判断すれば、無償修理にならないのです。
3.使い方や手入れに原因がある
保証は、取扱説明書に従って正常に使用し、必要な維持管理をしていることが前提です。
次のような場合は、保証対象外になる可能性があります。
- 異物を流してトイレを詰まらせた
- フィルターを長期間清掃しなかった
- 凍結防止の操作をしなかった
- 指定されていない洗剤を使用した
- 換気や清掃を行わずカビが発生した
- 自分で分解や改造をした
- 説明書と異なる方法で使用した
LIXILの製品保証でも、取扱説明書などに従った正常な使用と維持管理の状態で発生した故障を無料修理の条件としています。LIXIL|浴室製品の保証
4.台風・水害・地震・落雷などが原因だった
自然災害による損傷は、住宅会社や設備メーカーの保証ではなく、火災保険や地震保険で対応する領域になることがあります。
例えば、
- 台風による屋根や外壁の破損
- 洪水や浸水による設備故障
- 落雷による給湯器や家電の故障
- 地震による外壁や基礎のひび割れ
- 雪害による雨どいの変形
などです。
「保証期間内に壊れた」という事実より、「何が原因で壊れたのか」が重要です。
5.他社や所有者自身が修理・改造していた
住宅会社へ連絡せずに設備メーカーへ直接修理を依頼したり、別の業者へ改造や修繕を依頼したりすると、保証対象外になる場合があります。
大和ハウスも、事前通知なしで設備メーカーなどへ直接修理を依頼した場合、住宅設備10年保証の対象から除外される可能性があると明記しています。
急いでいる場合でも、先に住宅会社や保証窓口へ連絡する必要があります。
6.部品代は無料でも、工事費や出張費が対象外だった
保証内容によっては、部品代だけが無償で、次の費用は有料になる場合があります。
- 出張費
- 点検・診断費
- 技術料
- 取り外し・再設置費
- 壁や床を開口する工事費
- 足場費
- 運搬費
- 廃棄処分費
- 復旧工事費
例えば、保証対象の部品代が無料でも、
- 出張費 5,000円
- 技術料 15,000円
- 脱着・復旧費 20,000円
なら、合計4万円を支払う可能性があります。
「部品保証」と「修理にかかる総費用の保証」は同じではありません。
7.決められた手続きを守っていない
保証を受けるために、次の条件が定められていることがあります。
- 住宅会社へ最初に連絡する
- 保証書を提示する
- 製品番号や引渡し日を確認する
- 不具合が発生したら速やかに報告する
- 指定された点検を受ける
- 修理前の状態を写真で残す
- 住宅会社が指定する業者に調査させる
不具合が起きたからと、先に自分で解体・補修してしまうと、故障原因を確認できず、保証対象外になる可能性があります。
「原因不明」のまま修理を始めない
保証期間中に不具合が起きたら、すぐに修理工事を承諾するのではなく、最初に原因と保証判定を確認してください。
住宅会社や修理業者へ、次の内容を書面で求めます。
- 不具合が発生した原因
- 保証対象外と判断した保証書の条項
- 無償になる部分と有料になる部分
- 部品代・出張費・技術料・工事費の内訳
- 修理しなかった場合に起こる問題
- 火災保険などを利用できる可能性
「経年劣化です」
「使い方の問題です」
「保証対象外です」
という口頭説明だけで、有料修理を受け入れる必要はありません。
保証対象外とする根拠を、保証書のどの条項に基づいて判断したのか確認することが重要です。
無料だと思っていた修理が有料になる心理
住宅購入者が有料修理に納得できない最大の理由は、契約時に保証年数だけが強調され、免責事項まで説明されていないからです。
営業時には、
「設備も10年間保証されます」
「長期保証があるので安心です」
と説明されます。
しかし、実際に故障すると、
「消耗品です」
「経年劣化です」
「自然故障ではありません」
「使い方に原因があります」
と言われる。
これでは、住宅購入者が「話が違う」と感じるのは当然です。
契約前に確認すべき質問
住宅会社へ、次の質問をしてください。
- 保証期間中でも有料になる事例を教えてください
- 経年劣化と施工不良は、誰が判断しますか
- 消耗品として扱われる部品は何ですか
- 部品代以外の出張費や工事費も無料ですか
- 自然災害による故障は何の保険で対応しますか
- 他社やメーカーへ直接依頼すると保証は切れますか
- 保証対象外と判断された場合、再調査を依頼できますか
- 保証判定に納得できない場合の相談窓口はありますか
保証期間の長さだけでなく、無料になる条件と有料になる条件の両方を契約前に確認してください。
保証期間中だから無料なのではありません。保証書に書かれた条件を満たした修理だけが無料です。
大きく表示された保証年数より、小さく書かれた免責事項を読むことが、修理費で後悔しないための自己防衛になります。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁










