住宅会社は何社比較すべき?
こんなご相談をいただきました
住宅会社を選ぶため、できるだけ多くの展示場や見学会へ行こうと考えています。
2社だけでは少ない気がしますが、5社、10社と相談すると、説明や見積もりが違い過ぎて分からなくなりそうです。
住宅会社は何社くらい比較すればよいのでしょうか?
A. 情報収集は5~8社程度、実際に図面と総額見積もりを依頼する会社は3社程度が現実的です。比較する会社を増やすことより、同じ条件で比較することの方が重要です。
10社から見積もりを取っても、面積、性能、設備、工事範囲が違えば、価格の比較にはなりません。
最初から3社に決める必要はない
家づくりを始めたばかりの段階では、自分たちが何を重視するのか決まっていないことがあります。
まずはホームページ、YouTube、資料、完成見学会などで、5~8社程度の情報を確認します。
この段階では、次のような違いを把握します。
- 価格帯
- 得意な間取りやデザイン
- 断熱・気密性能
- 耐震性能
- 標準仕様
- 対応エリア
- 保証と完成保証
- 会社や社長の考え方
そのうえで、条件が合わない会社を除き、具体的な相談先を3社程度に絞ります。
1社だけで決める危険性
最初に訪問した会社の営業担当者が親切だと、そのまま契約したくなることがあります。
しかし、1社だけでは次の点を比較できません。
- 提示された価格が適正か
- 標準仕様が十分か
- 付帯工事が含まれているか
- 住宅性能が地域に合っているか
- 間取り提案にほかの選択肢があるか
- 保証条件が一般的か
- 営業説明に偏りがないか
「当社ではこれが普通です」と言われても、本当に業界標準なのか判断できません。
少なくとも2~3社へ同じ質問をすることで、会社ごとの違いが見えてきます。
5社以上の詳細比較は疲れやすい
具体的な打ち合わせには、相当な時間がかかります。
一社につき、次の作業が必要になります。
- 希望条件の説明
- 敷地資料の提出
- 資金計画
- 間取りの打ち合わせ
- 見積書の説明
- 標準仕様の確認
- 住宅ローン相談
- 現場や完成住宅の見学
これを5社、6社と繰り返すと、休日のほとんどが住宅会社との打ち合わせになります。
情報が増え過ぎると、重要な違いよりも、営業担当者の話し方、値引き額、プレゼントなど、分かりやすい要素で決めてしまいやすくなります。
比較疲れが始まると、最も熱心に追いかけてきた会社と契約することになりがちです。
比較する3社は同じタイプにし過ぎない
3社を選ぶ場合、すべて同じ特徴の会社にする必要はありません。
例えば、次のような組み合わせがあります。
- 大手ハウスメーカー
- 地域工務店
- 高性能な規格住宅会社
または、
- デザイン重視の会社
- 性能重視の会社
- 総額と資金計画を重視する会社
特徴の異なる会社を比較すると、自分たちが何を優先したいのかが分かります。
ただし、予算3,000万円なのに、4,000万円以上が中心の会社を候補に入れても現実的な比較にはなりません。希望総額に対応できる会社を選んでください。
同じ条件を各社へ伝える
住宅会社ごとに希望条件を変えると、正しく比較できません。
最初に、共通の要望書を作ります。
例えば、次のような内容です。
- 希望総額:土地を除き2,500万円以内
- 建物:平屋24坪前後
- 間取り:3LDK
- 断熱性能:断熱等級6
- 気密性能:全棟測定、C値0.7以下を目標
- 耐震性能:許容応力度計算による耐震等級3
- 換気:熱交換型第一種換気
- 太陽光発電:8kW程度
- 駐車場:2台分
- 外構・照明・カーテン・エアコンを含める
- 入居希望時期
- 契約後に増える可能性がある費用を表示
各社へ同じ条件を渡せば、価格差の理由が見えやすくなります。
坪単価では比較しない
A社は坪単価60万円、B社は70万円なら、A社の方が安く見えます。
しかし、坪単価に含まれる範囲は会社ごとに違います。
- 付帯工事
- 設計・申請
- 照明・カーテン
- エアコン
- 太陽光発電
- 外構工事
- 消費税
これらが含まれているかによって、最終価格は数百万円変わります。
比較するのは坪単価ではなく、入居できる状態までの総額です。
性能も同じ条件にそろえる
価格だけでなく、住宅性能も同じ基準で比較します。
少なくとも次の項目をそろえてください。
- UA値
- 断熱等級
- 窓と玄関ドアの仕様
- C値と気密測定
- 換気設備
- 耐震等級
- 構造計算方法
- 太陽光発電容量
- 保証内容
- 有償メンテナンス条件
UA値0.34の会社と0.60の会社、耐震等級3の会社と「等級3相当」の会社では、同じ住宅を比較しているとはいえません。
安い理由が、性能や保証の違いである可能性があります。
間取りは見た目より暮らし方で評価する
3社から間取り提案を受けると、吹き抜け、大きな窓、回遊動線など、目を引く提案に惹かれることがあります。
しかし、次の点も確認してください。
- 廊下や無駄な面積が多くないか
- 収納の奥行きと内部棚
- 家具を置いた後も通れるか
- 冷暖房しやすい形か
- 将来の介護や一階生活に対応できるか
- 構造上無理な大空間になっていないか
- 面積増加で総額が上がっていないか
最も豪華な間取りではなく、予算内で暮らしを解決している提案を選びます。
値引き額は比較項目から外す
「今月中なら200万円値引きします」と言われても、その金額だけで判断してはいけません。
比較するのは値引き前後の差ではなく、値引き後の総額です。
- A社:3,000万円から200万円値引き=2,800万円
- B社:値引きなし=2,650万円
この場合、値引きがないB社の方が150万円安くなります。
さらに、契約後に追加費用が出るなら、比較結果は変わります。
値引きではなく、最終見積額と含まれる工事を見てください。
3社を比較する評価表
各社を同じ項目で点検すると、感情だけで選びにくくなります。
確認項目は次のとおりです。
- 入居までの総額
- 契約後の追加費用
- UA値・C値
- 耐震等級と計算方法
- 間取りの暮らしやすさ
- 現場管理と第三者検査
- 保証とメンテナンス費
- 完成保証
- 住宅ローンと資金計画
- 担当者・社長の説明姿勢
一項目だけが突出した会社より、総合的に欠点が少なく、説明と書類が一致する会社を選ぶ方が安全です。
断る会社を早めに決める
比較中は、候補から外れた会社へ早めに断りを入れてください。
曖昧な返事を続けると、営業電話や訪問が増え、自分たちの判断もぶれます。
例えば、次のように伝えれば十分です。
「家族で検討した結果、今回は別の会社を中心に進めることにしました」
詳しい理由や、他社の見積金額まで伝える必要はありません。
デザインハウス甲府からのアドバイス
私なら、最初に5~8社の情報を調べ、実際に図面と見積もりを比較するのは3社程度に絞ります。
会社数を増やすより、次の条件をそろえることを重視します。
- 同じ延床面積
- 同じ間取り条件
- 同じ断熱・気密・耐震性能
- 同じ設備範囲
- 外構や付帯工事を含む総額
- 同じ住宅ローン条件
デザインハウス甲府では、総額表示、断熱等級6・UA値0.46以下、全棟気密測定によるC値0.7以下、許容応力度計算による耐震等級3など、比較できる条件を明確にしています。
他社と比較されることを嫌がるのではなく、同じ条件で比較していただく方が、違いを理解してもらえると考えています。
住宅会社選びは、たくさんの会社を見る競争ではありません。3社を同じ条件で比べ、価格差の理由を説明できる一社を選ぶ作業です。










