住宅会社の口コミは信用できる?
こんなご相談をいただきました
住宅会社を探すため、Googleマップや住宅情報サイトの口コミを見ています。
評価4.9の会社もあれば、低評価がいくつか付いている会社もあります。口コミ評価が高い会社なら、安心して家づくりを任せられるのでしょうか?
A. 口コミは参考になりますが、星の数だけで住宅会社を選んではいけません。見るべきなのは、誰が、いつ、どの段階で、何を具体的に評価しているかです。
住宅会社の本当の評価は、契約時や完成直後ではなく、入居後に不具合が起きたときの対応に表れます。
評価4.9だから良い会社とは限らない
Google口コミで評価4.9を見ると、非常に優れた会社のように感じます。
しかし、次の二社なら、どちらが参考になるでしょうか。
- A社:評価4.9、口コミ5件
- B社:評価4.4、口コミ150件
A社の評価が高くても、件数が少なければ、一件の評価で数字が大きく変わります。
一方、B社に150件の具体的な投稿があり、何年にもわたって蓄積されているなら、会社の傾向を判断しやすくなります。
星の高さだけでなく、次の点を確認してください。
- 口コミ件数
- 投稿日の分布
- 投稿者の具体的な体験
- 入居後の口コミ
- 低評価の理由
- 会社からの返信内容
契約直後の口コミは、家の品質を評価していない
住宅会社から口コミの投稿をお願いされることがあります。
投稿すること自体は問題ありませんが、いつ書かれた口コミなのかが重要です。
例えば、次の内容は接客への評価です。
- 担当者が親切だった
- 展示場がおしゃれだった
- 説明が分かりやすかった
- 子どもの面倒を見てもらえた
- 契約時に値引きしてもらえた
これらから、施工品質やアフターサービスまでは分かりません。
家の品質を判断するなら、次の段階で書かれた口コミを重視します。
- 工事中
- 引き渡し時
- 入居1年後
- 入居3年後
- 不具合や修理を経験した後
住宅は完成した瞬間より、住み始めてからの方が長い商品です。
内容が具体的な口コミを見る
参考になる口コミには、具体的な事実が書かれています。
- 見積金額から最終的にいくら増えたか
- 追加費用の説明が事前にあったか
- 現場監督から定期的に報告があったか
- 工期が遅れた際の説明があったか
- 入居後の不具合に何日で対応したか
- 冬や夏の室温と光熱費
- 気密測定結果を受け取ったか
- 定期点検が予定どおり実施されたか
一方、次のような短い投稿だけでは、住宅会社の実態は判断できません。
- 最高でした
- 親切でした
- おすすめです
- おしゃれな会社です
- 大満足です
良い口コミでも悪い口コミでも、感情より具体的な出来事を見てください。
低評価があるだけで悪い会社とは限らない
何十棟、何百棟と建築していれば、すべての顧客を完全に満足させることは難しくなります。
担当者との相性、施主側の期待、工事中のトラブルなど、低評価の理由はさまざまです。
低評価が一件あることより、次の点が重要です。
- 同じ内容の苦情が繰り返されていないか
- 契約後の増額に関する苦情が多くないか
- 工期遅延や連絡不足が続いていないか
- 雨漏りや施工不良の指摘がないか
- アフター対応を放置していないか
- 会社が事実を確認して返信しているか
特に、複数の人が同じ問題を指摘している場合は注意が必要です。
会社の返信に本質が表れる
低評価への返信は、会社のトラブル対応を確認できる貴重な材料です。
良い返信は、次のような内容です。
- 不快な思いをさせたことへの謝罪
- 事実関係を確認する姿勢
- 連絡窓口の提示
- 改善内容の説明
- 個人情報へ配慮した回答
反対に、次のような返信には注意が必要です。
- 顧客を一方的に非難する
- 感情的に反論する
- 「そのような事実はありません」で終わる
- 定型文だけで具体的な対応がない
- 低評価だけ無視する
- 個人情報を返信欄で公開する
家づくりでは、意見の食い違いや不具合が発生することがあります。問題が一度も起きない会社を探すより、問題が起きたときに逃げない会社を探す方が現実的です。
高評価が短期間に集中していないか
口コミの投稿時期も確認してください。
長期間ほとんど投稿がなかったのに、数日間で高評価が大量に増えている場合は、見学会やキャンペーンなどで投稿を依頼した可能性があります。
口コミ投稿を依頼すること自体で、直ちに内容が信用できないとは限りません。ただし、次の点を見る必要があります。
- 同じような文章が続いていないか
- 同じ言葉や表現が繰り返されていないか
- 住宅を建てた人の投稿なのか
- 見学しただけの人ではないか
- 具体的な建築体験が書かれているか
「口コミを書けばプレゼント」という条件があれば、評価に影響する可能性も考えなければなりません。
口コミが満点ばかりでも、それだけで不正とは限らない
評価5.0が続いていると、不自然に感じることがあります。
しかし、顧客数が少ない会社や、紹介中心の会社では、高評価が集中する場合もあります。満点だから操作されていると決めつけることはできません。
反対に、低評価が多いから必ず悪い会社とも限りません。
口コミは事実確認のきっかけとして使います。
例えば、「契約後に300万円増えた」という投稿があれば、住宅会社へ次のように質問してください。
「契約後に増えやすい費用を一覧で見せてください」
口コミを判決として使うのではなく、確認すべき質問へ変えることが重要です。
住宅情報サイトの口コミにも注意する
住宅情報サイトや比較サイトには、運営会社の広告収益や掲載料が関係している場合があります。
次の点を確認してください。
- 住宅会社から広告料を受け取っているか
- ランキングの基準が公開されているか
- 口コミの確認方法
- 良い評価と悪い評価の掲載基準
- 資料請求へ誘導することが目的ではないか
「山梨県でおすすめの住宅会社10選」という記事でも、性能、価格、施工実績を客観的に比較したランキングとは限りません。
順位より、選定基準と根拠を見てください。
SNSの施主投稿も切り分ける
InstagramやYouTubeで、施主が住宅会社を紹介していることもあります。
実際の暮らしが見える点は参考になりますが、次の可能性も確認します。
- 紹介料が発生する
- 広告・PR投稿である
- 割引や設備提供を受けている
- 完成直後の感想である
- デザイン中心で施工品質は未確認
紹介制度自体が悪いわけではありません。ただし、金銭や特典が関係しているなら、純粋な口コミとは分けて考える必要があります。
最も参考になるのは数年住んだ施主
可能であれば、住宅会社へ次のようにお願いしてください。
「入居から3年以上経過した施主の話を聞けますか」
確認したいのは次の内容です。
- 夏と冬の住み心地
- 実際の光熱費
- 結露やカビの有無
- 建具や設備の不具合
- 定期点検の実施状況
- 修理依頼への対応速度
- 契約時の総額と最終金額
- もう一度建てるなら同じ会社を選ぶか
会社が選んだ施主であっても、ネットの短い口コミより具体的な質問ができます。
口コミを見た後に現場を確認する
口コミだけで契約先を決めず、実際の現場を見てください。
- 現場が整理されているか
- 資材が適切に保管されているか
- 現場監督が説明できるか
- 断熱・気密施工が丁寧か
- 工事写真や検査記録があるか
- 職人と住宅会社の連携が取れているか
良い口コミ100件より、管理状態の分かる建築現場一件の方が、施工品質を判断できる場合があります。
デザインハウス甲府からのアドバイス
口コミは、住宅会社を選ぶ答えではなく、確認すべき項目を見つける資料です。
私たちなら、口コミを次の順番で見ます。
- 星ではなく具体的な内容
- 完成直後より入居後の投稿
- 同じ苦情が繰り返されていないか
- 低評価への会社の返信
- 投稿時期の偏り
- 実際の現場・見積書・保証との一致
口コミで高評価でも、総額を出さない、C値を測らない、構造計算を説明しない会社なら、それらは別に確認しなければなりません。
反対に、低評価が一件あっても、会社が事実を認め、補修し、改善まで説明しているなら、その対応は判断材料になります。
信用すべきなのは、星の数ではありません。悪いことが起きたとき、逃げずに対応した記録です。口コミは会社の評判より、会社の問題対応力を見るために使ってください。










