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事前審査に落ちたお客様を、住宅会社へ送る意味はある?

Q. 事前審査に落ちたお客様を、住宅会社へ送る意味はある?

A. 通常の見込み客として住宅会社へ送るだけなら、意味は薄いでしょう。ただし、否認の原因を整理し、借入れの改善、建築総額の再設計、適切な金融機関への相談ができる住宅会社へ、目的を明確にしてつなぐなら意味があります。否認された事実を隠して送客してはいけません。

住宅ローンの事前審査に落ちた人が、家を建てる可能性をすべて失ったとは限りません。

金融機関や住宅ローン商品によって審査方法は異なります。

希望借入額を下げる。

既存借入れを整理する。

自己資金を増やす。

申込み時期を見直す。

建物と土地の総額を再設計する。

このような対応によって、計画を立て直せる可能性があります。

しかし、何の整理もせず、

「とりあえず住宅会社へ相談してください」

と紹介するだけでは、同じ事前審査を繰り返し、相談者をさらに傷つける可能性があります。

否認された事実だけで家づくりを終わらせない

住宅ローン事前審査が否認される理由は、一つとは限りません。

例えば、次のような可能性があります。

  • 希望借入額が大きい
  • 返済負担率が高い
  • 自動車ローンが残っている
  • カードローンやリボ払いがある
  • 過去に支払い遅れがある
  • 勤続年数が短い
  • 転職直後
  • 自営業で所得が安定していない
  • 会社の業績や財務状況
  • 健康状態と団体信用生命保険
  • 土地や建物の担保評価
  • 申告内容の不一致
  • 必要書類の不足

金融機関が具体的な否認理由を説明しない場合もあります。

そのため、一度の否認だけで、

「この人は住宅ローンを一切借りられない」

と決めつけることはできません。

ただし、理由を考えず別の金融機関へ次々と申し込むことも適切ではありません。

紹介する目的を分ける

事前審査に落ちた相談者を住宅会社へ紹介する場合は、その目的を明確にする必要があります。

意味の薄い紹介

  • 通常の新規客として送る
  • 否認された事実を住宅会社へ伝えない
  • 住宅会社へ再審査を丸投げする
  • 希望総額を変えず間取りを作らせる
  • 紹介件数として処理する
  • 契約できるかの確認を後回しにする

意味のある紹介

  • 本人の同意を得て状況を共有する
  • 否認の原因を整理する
  • 借入額を下げた計画を作る
  • 土地と建物の予算配分を見直す
  • 既存借入れの整理方法を検討する
  • 住宅ローンに詳しい担当者へつなぐ
  • 再申込みの時期と金融機関を慎重に選ぶ
  • 今すぐ建てない選択肢も提示する

同じ「住宅会社への紹介」でも、中身はまったく違います。

住宅会社は融資を通す会社ではない

住宅会社には、住宅ローンに詳しい担当者がいる場合があります。

しかし、最終的に融資を承認するのは金融機関です。

住宅会社が、

「当社なら住宅ローンを通せます」

「どこか一つは必ず通ります」

と断定することはできません。

住宅会社にできるのは、

  • 適切な総額へ見直す
  • 必要書類を整理する
  • 相談者に合う可能性のある金融機関を案内する
  • 土地や建物の条件を整理する
  • 金融機関との面談を支援する

ことです。

「ローンを通す裏技」を持っているのではありません。

不正確な申告や、既存借入れを隠すことを勧める会社には注意してください。

否認情報を隠して住宅会社へ送ってはいけない

紹介会社が、事前審査に落ちた事実を住宅会社へ伝えず、

「家づくりに意欲のあるお客様です」

とだけ説明することには問題があります。

住宅会社は、通常の見込み客として、

  • 面談
  • 現地調査
  • 土地探し
  • 間取り作成
  • 見積り
  • 資金計画
  • 金融機関への再申込み

を行うことになります。

しかし、後から否認歴が分かれば、最初から進め方が違った可能性があります。

住宅会社にも正確な情報がなければ、適切な対応はできません。

ただし、信用情報や個人的な借入内容を、本人の同意なく住宅会社へ詳しく伝えてよいわけではありません。

相談者へ説明し、共有する範囲への同意を得る必要があります。

相談者を「ローン否認客」として扱わない

住宅ローンに落ちると、相談者は大きなショックを受けます。

「自分は信用されていない」

「家族に申し訳ない」

「もう家を建てられない」

と感じる人もいます。

この状態の人を、さらに複数の住宅会社へ送り、同じ説明と審査を繰り返させるべきではありません。

必要なのは、

  • 否認が人格の否定ではないことを伝える
  • 現状を冷静に整理する
  • 改善できることと、できないことを分ける
  • 次に申し込む理由を明確にする
  • 家族へ説明できる計画を作る

ことです。

相談者の意欲を利用して商談件数を増やすのではなく、立ち止まる時間を設ける必要があります。

建築総額の再設計で可能性が変わることがある

例えば、当初の計画が次の総額だったとします。

項目 当初計画
土地 1,000万円
建物 2,500万円
付帯工事・諸費用 500万円
総額 4,000万円

希望借入額4,000万円で否認または大幅な減額となった場合、同じ計画のまま別の金融機関へ出し続けるのではなく、総額を見直します。

項目 再設計後
土地 700万円
建物 2,100万円
付帯工事・諸費用 400万円
総額 3,200万円

800万円を下げられれば、審査条件や家計の負担が変わる可能性があります。

ただし、単に住宅性能を落として価格を下げるべきではありません。

  • 面積
  • 土地
  • 設備
  • 外構
  • 造作
  • 仕上げ
  • 建築時期

を見直し、耐震、断熱、防水などの基本性能をできるだけ守ることが重要です。

紹介するなら、問題解決ができる一社へ絞る

事前審査否認後に、3社、4社と一斉に紹介する必要はありません。

まずは、

  • 資金計画に詳しい
  • 総額表示ができる
  • 住宅ローンに詳しい担当者がいる
  • 低予算でも性能を守った提案ができる
  • 土地と建物を一体で再設計できる
  • 否認後の支援経験がある
  • 無理な再申込みを行わない

住宅会社または専門家へ、一社ずつ相談するほうがよいでしょう。

問題解決の責任者を明確にするためです。

複数社が別々の判断で金融機関へ申し込めば、申込内容が統一されず、状況がさらに複雑になる可能性があります。

すぐ再審査するべきとは限らない

事前審査に落ちた後、

「別の銀行へ今日中に出しましょう」

と急がされることがあります。

しかし、原因によっては、すぐ申し込まないほうがよい場合があります。

  • 自動車ローンを完済する
  • カード残高を整理する
  • 信用情報を本人開示する
  • 勤続期間を延ばす
  • 次年度の所得資料を待つ
  • 自己資金を増やす
  • 建築総額を下げる
  • 土地を変更する

といった改善を先に行う必要があるからです。

申込先を変える前に、申込内容を変える必要がないか確認してください。

今は建てないという提案も相談の価値

住宅会社や紹介会社にとって、契約が成立しなければ売上になりません。

そのため、

「今は申し込まないほうがよい」

「一年待って借入れを整理しましょう」

「まず貯蓄を増やしましょう」

という提案は、売上につながりにくいものです。

しかし、相談者にとっては最も有益な助言になる場合があります。

無理に別の金融機関を探し、金利や条件が厳しいローンを利用してまで今すぐ建てる必要はありません。

家を建てる目的は、契約することではなく、完成後に安心して暮らすことです。

紹介会社が確認すべき内容

事前審査否認後に住宅会社を紹介するなら、紹介会社は少なくとも次の内容を整理すべきです。

  • 申込先の金融機関
  • 申込日
  • 希望借入額
  • 返済期間
  • 自己資金
  • 現在の借入れ
  • 減額承認か完全否認か
  • 申込内容の不一致
  • 改善できる可能性
  • 次の紹介目的
  • 本人が共有に同意した情報

これを整理せず、

「住宅ローンに少し不安があります」

とだけ住宅会社へ送るのでは不十分です。

相談会社へ確認すべき10の質問

  1. 否認後に、まず何を確認しますか
  2. 否認理由をどのように整理しますか
  3. 信用情報の本人開示を案内できますか
  4. すぐ別の金融機関へ申し込みますか
  5. 総額の再設計を行いますか
  6. 住宅会社へ何の情報を伝えますか
  7. 本人の同意なく否認情報を共有しませんか
  8. 否認後の紹介でも住宅会社から費用を受け取りますか
  9. 今は建てないという提案もしますか
  10. 否認後に支援した具体的な手順を説明できますか

「何とか通る銀行を探します」という回答だけでは、相談者の家計を守る支援とは言えません。

結論

事前審査に落ちた相談者を、通常の見込み客として住宅会社へ送るだけなら、意味は薄いでしょう。

住宅会社も相談者も時間を使い、同じ否認を繰り返す可能性があるからです。

一方で、

  • 否認の原因を整理する
  • 信用情報を確認する
  • 既存借入れを改善する
  • 土地と建物の総額を下げる
  • 適切な申込時期を選ぶ
  • 解決できる専門家へつなぐ

という目的があるなら、紹介には意味があります。

事前審査に落ちた人は、住宅会社へ送る「見込み客」ではありません。まず問題を一緒に整理する相談者です。

紹介会社は、否認された事実を隠して送客してはいけません。

同時に、本人の同意なく信用情報を広げてもいけません。

家を建てる可能性を無責任にあおらず、諦めさせることもせず、現状から実現できる道を正直に探すことが必要です。

成約する住宅会社を探す前に、建築可能な総額と時期を作り直す。

それが、否認後に行うべき本当の住宅相談です。

デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁

デザインハウス甲府
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