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一度大地震に耐えた家、次も大丈夫? 揺れた後に確認すべきことは?

結論

一度大きな地震で倒れなかったことだけを根拠に、次の揺れにも耐えられるとは言えません。私なら、地震前の性能と地震後の状態を分けて考えます。見た目が元どおりでも、気になる変化があれば、建築士などによる確認を受けるまで安全を自己判断しません。

ただし、地震の直後に家の点検を始めるという意味ではありません。まず人の安全と避難が先です。建物や周囲が危険な状態なら近づかず、自治体や消防などの指示に従います。確認のために危険な場所へ入ってしまっては、備えの順序が逆になります。

倒れなかったという結果だけで決めない

山梨県は、地震で被災した建築物について、余震による倒壊や外壁などの落下を含む二次災害を防ぐため、応急危険度判定を行う仕組みを説明しています。建物本体が立っている場合でも、周囲に危険が残ることがあるためです。[1]

例えば、玄関ドアが以前より開けにくい、外壁に地震前にはなかったひびが見える、窓の動きが変わったとします。これらだけで構造が危険だと断定はできませんが、生活上の不便として放置する理由にもなりません。いつ、どこで、どんな変化が起きたかを伝える材料にします。

逆に、壁紙の小さな裂け目を見て、家全体が使えないと決めつける必要もありません。施主の役割は、危険な調査を行うことではなく、変化を見逃さず専門家へ伝えることです。不安を消すために楽観するのも、写真だけで最悪の結論に飛ぶのも避けたい判断です。

揺れがおさまった直後は、家族が別の場所にいる場合もあります。建物の中へ様子を見に戻るより、事前に決めた連絡方法で居場所を確認します。家の状態の相談と、家族が合流する場所の確認を分けておけば、一人で急いで調べに行く必要を減らせます。

応急危険度判定と復旧のための調査は違う

応急危険度判定は、地震直後の二次災害を防ぐための当面の判断です。一方、被災度区分判定などは、損傷を調べて復旧の要否や程度を判断するものです。「調査済」という表示があっても、将来にわたり無条件で安全という保証だと受け取らないでください。[2]

また、罹災証明のための被害認定と、構造の安全や復旧方法を調べることは目的が異なります。役所へ連絡したから、建物を継続使用できるかの詳しい調査まで手配されたはず、と決めつけず、何のための調査なのかを確認しましょう。[3]

相談するときは、「住み続けてよいか確認したい」「どの部分を直す必要があるか知りたい」と目的を伝えます。受付窓口、施工会社、調査する建築士の役割が分かれば、誰に何を聞くかを整理できます。複数の連絡先へ同じ写真だけを送り続けるより、判断が必要な内容を明確にする方が有効です。

判定や調査には、立入りできた範囲や、その時点の条件があります。説明を受けたら、確認できたこと、未確認のこと、次に必要な対応を分けて記録します。「大丈夫と言われた」という短い伝言だけでは、家族の間で受け止め方が変わってしまいます。

見える範囲の記録を残す

安全に確認できる場所から撮影する場合は、ひびだけを拡大した写真に加えて、どの部屋のどの面か分かる全体写真も残します。撮影日、位置、地震前からあったか、気付いた時刻を添えると、相談先が変化を把握しやすくなります。

扉の不具合なら、「開かない」だけでなく、いつから、どちら向きに動かすと引っ掛かるかを記録します。試すこと自体が危ない場所では行いません。繰り返し力をかけたり、勝手に部材を削ったりする前に相談してください。状態を変えてしまうと、原因を確かめにくくなることがあります。

床下や屋根、外壁の高い場所へ自分で入る必要はありません。安全に撮れない部分は未確認として伝えればよいのです。「全部見なければ相談できない」と思わないでください。専門家へ頼む範囲を決めるために、まず連絡を取るという進め方で構いません。

地震前の資料が説明を助ける

新築時にできる準備は、図面、構造に関する資料、工事写真、検査の記録をまとめて保管することです。地震後に初めて探すと、どの図面が最終版なのか分からなくなりがちです。引き渡し時点で、一式を同じ場所へ整理しておきます。

紙だけを一か所に置くより、家族が確認できるデータの控えも用意する方法があります。図面をむやみに公開する必要はありません。必要なときに相談先へ示せるよう、保存場所と閲覧方法を家族で共有します。実際に開けるか、一度確かめておくことを勧めます。

建てた後に間仕切りや設備を変更したなら、その内容も追記します。元の図面と現在の状態が違うと、調査側へ説明する手間が増えます。変更日と場所だけでも整理し、施工した業者から受け取った資料と一緒に保管してください。

施工会社の連絡先に加え、自治体の建築担当窓口や防災情報の確認先を控えておきます。大きな災害では、いつもの担当者へすぐつながるとは限りません。連絡が取れないことを、自宅の安全が確認されたことと取り違えないようにしましょう。

家族で確認する順序を決める

平常時には、「人の安全を確保する」「公的な情報を確認する」「建物の状態について相談する」という順序を、家族で共有しておきます。持ち出す物を取りに戻るかどうか、その場で話し合うような計画にはしません。建物への立入りは、その時の状況と専門家の判断を優先します。

仮に家族が別々の場所で被災した場合を想像してください。誰が施工会社へ連絡するか、どの資料を使うか、家の状態を誰に伝えるかまで決めておけば、情報の行き違いを減らせます。家の強さを確かめる準備と、家族が混乱しない準備は両方必要です。

調査結果を受け取った後は、指摘された場所と対応する図面を一緒に保管します。修復した箇所や、経過を見る箇所が分かるようにしておけば、後で別の人へ相談する場合にも説明がつながります。調査の資料と修復後の記録を、別々に失わないようにしてください。

深澤の判断と次の行動

私なら、「前の地震で大丈夫だったから」という理由では住み続ける判断をしません。被災後の確認と、必要な復旧の説明を受けて決めます。耐震性能を選ぶときにも、地震の後にどこへ相談するかまで聞いておきたいところです。

今できる行動は、最終図面と検査資料を探し、施工会社の連絡先と一緒に整理することです。これから建てる方は、引き渡し時に受け取る資料と点検の相談窓口を確認してください。デザインハウス甲府への相談でも、性能の数字とあわせて、完成後にどの資料を残すかを質問してください。

参考資料

[1] 山梨県  被災建築物応急危険度判定について

[2] 徳島県  震災建築物の被災度区分判定について

[3] 渋谷区  被災建築物応急危険度判定とは

デザインハウス甲府
〒400-0118 山梨県甲斐市竜王1656-17
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