結論
バルコニーは、どの家にも必要な設備ではありません。ただし、なくす判断は、布団や濡れた物の行き先を決めてからです。私なら、洗濯物は乾燥機を使うという一言だけでは決めません。毎日の衣類、寝具、雨具、靴などを分け、それぞれを手入れできる場所が家の中か外にあるかを確認します。
例えば衣類の乾燥は機械で済ませても、雨にぬれたレインコートや大きな寝具を、一時的に広げる場所が必要な家庭があります。反対に、外干しをほとんどしない生活が定着しているなら、使わないバルコニーを前提にする必要はありません。流行より、自分たちが実際に干す物で判断します。
外に出す物を一週間分書き出す
まず、普段どんな物をどこへ干しているかを記録します。衣類だけでなく、洗った靴、浴室で使う物、子どもの水遊び用品、傘も含めます。毎日使う物と、月に一度程度の物を分けると、専用の場所を設けるべきか、使うときだけ広げる場所でよいかを話しやすくなります。
次に、現在バルコニーを使っている理由を確かめます。日が当たるからなのか、他に場所がないからなのか、寝室から近いからなのか。同じ外干しでも理由は違います。新しい家では一階の物干し場の方が楽になる場合もありますし、室内で手入れする方法が暮らしに合う場合もあります。
雨の日の行き先も決めます。晴れたときだけ成立する計画では、天候が変わるたびにリビングへ物が集まるかもしれません。例えば仮に四人家族で、雨具を四着掛けるなら、その日はどこを使うかを図面へ入れます。数や寸法は家庭の持ち物に置き換え、一般的な必要面積とは扱いません。
外で使った物と、洗った衣類を同じ場所へ置きたくない家庭もあります。その場合は、汚れのある物の仮置き場と、乾いた清潔な物の行き先を分けます。バルコニーをなくすことで玄関や浴室へ何が移るのかまで考えると、設備を一つ減らした後の暮らしが見えてきます。
布団は素材と手入れ方法から考える
布団は、全部同じ方法で日なたへ干せばよいわけではありません。西川は寝具の種類別に手入れ方法を案内し、製品の洗濯表示や条件を確認するよう示しています。まず今使っている寝具の表示を確認し、メーカーが勧める干し方や乾燥方法に合う場所を考えてください。[1]
ここで大切なのは、外へ出す習慣をそのまま残すか、無理のない別の方法へ変えるかです。布団乾燥機などを使う予定なら、その製品と寝具の双方の説明書を確認します。何でも機械へ任せられるという前提は置きません。扱う物が対応していることと、準備や収納を続けられることの両方が必要です。
例えば二階の寝室から重い寝具を一階まで運ぶ計画なら、担当する人がその動作を負担に感じないかを確認します。外干し場所の距離だけでなく、階段や扉を含めて見ます。寝具を買い替える予定があるなら、その手入れ方法も早めに調べ、家の使い方と一緒に決めると矛盾が減ります。
日常的に寝具を広げる場所を寝室内へ設ける場合は、家具を置いた後に必要な場所が残るかを見ます。空室の写真では広くても、ベッド、収納、机を入れると使える床が違います。立て掛ける、掛けるなどの扱いも製品の指示に従い、通路を長時間塞ぐ計画にならないようにします。
代わりの場所は使う動作まで確認する
一階の屋外で干す案なら、洗濯物を持って出る扉、履物を替える場所、取り込んで置く場所を確かめます。外からどの程度見えるか、家族が留守の間はどう扱うかも話します。単に敷地に物干し竿を置けるというだけでは、毎日使いやすいかは分かりません。洗って戻すまでを通して考えます。
室内の物干しを代わりにするなら、干した状態でドアや収納が使えるかを図面へ描きます。乾燥のための空調や換気については、洗濯量と使用時間を設計者へ伝えて検討してもらいます。棒を一本付ければ必ず乾くとは考えません。この回では、乾かす性能の話と置ける場所の話を混同しないことが重要です。
折り畳み式の物干しを使う場合は、使わないときの置き場も必要です。来客のたびに別室へ移動するのか、専用収納へ入れるのか。重さや開閉の手間も含めて、担当者が扱いやすい物を選びます。毎日使う道具を毎日隠すことが負担なら、出したままでも邪魔にならない場所を優先する考え方もあります。
濡れた物を運ぶ経路には、床を濡らさずに置ける場所を考えます。例えば玄関近くで雨具を受け止め、乾いた後に収納する流れです。濡れたまま収納へ押し込むことを前提にせず、乾かす途中の状態を一つの用途として扱います。完成写真に写らない時間こそ、計画しておくと役に立ちます。
バルコニーを残す場合も役割を絞る
布団干しや外で過ごす場所として使いたいなら、バルコニーを残して構いません。ただし使う人が安全に作業できる計画を設計者と確認します。消費者庁は、窓やベランダの手すり付近に子どもの足場になる物を置かないなどの対策を示しています。物干しのための家具や道具の位置も、その点を踏まえて考えます。[2]
私なら、バルコニーを何となく広くするより、実際に干す物の数と作業する場所を描いて大きさを検討します。手すりへ身を乗り出して作業するような使い方は前提にしません。出入口の段差や物を持った状態での開閉を含め、本人が無理なく使えるかを確かめます。
洗濯以外の用途もあるなら、それも正直に出してください。夜に外へ出たい、植物を置きたいなどの希望は、洗濯の合理性だけでは評価できません。ただし植物や家具を置いた後にも物干しと通行の場所が残るかを見ます。複数の用途を重ねるなら、どれを優先するかを決めてから形を選びます。
深澤の判断と次の行動
私なら、バルコニーの有無を先に決めず、干す物の行き先を先に決めます。代わりの場所と手順が具体的なら、なくす判断は十分ありです。外で干す習慣を大切にしたいなら、その生活を無理に変える必要もありません。どちらを選んでも、担当する人の毎日の手間が説明できることを重視します。
次の打ち合わせまでに、一週間に干す物と、季節ごとに干す大物を書き出してください。それぞれについて、晴天時、雨天時、乾いた後の三つの場所を埋めます。空欄が残る物は、そのままバルコニーを省くのではなく、設計者へ代わりの場所を相談しましょう。
相談するときは、現在の物干し場の写真と寝具の寸法が役立ちます。私が確認したいのは、バルコニーをなくしてスッキリした外観の裏で、誰かが大きな布団を抱えて困らないかです。家族の持ち物と手入れに合う選択を、図面上で一つずつ確かめてから決めてください。
参考資料
[1] 西川 日々のおうちお手入れ
[2] 消費者庁 子どもの転落事故に注意










