結論
完成時の気密測定には、引渡し前の建物の隙間の状態を確認する意味があります。ただ、気になる隙間を見つけて直すことまで考えるなら、壁などで隠れる前の測定も検討したいところです。私なら、途中で施工を確かめる段階と、完成時の結果を確認する段階を分け、工程に組み込む提案を選びます。
大切なのは回数を増やすこと自体ではありません。測った結果を見て、誰が原因を調べ、どう直し、何を確認して次へ進むかまで決めることです。二回測っても、結果を受け取るだけで手直しの判断が曖昧なら、途中で測る利点を十分に使えません。
途中と完成では確かめる目的が違う
日本住環境は、断熱気密の層ができ、ボードなどで隠れる前に行う中間測定と、完成時の測定を説明しています。施工途中なら、隙間の位置を調べて手直ししやすい点が利点です。完成時は、入居前の状態を確認する役割があります。[1]
例えば、途中の測定で気になる結果が出て、まだ見える配管の周りを確認できる場面を考えます。必要な箇所へ直接対応できる段階なら、施工担当者も原因を追いやすくなります。ただし、どの段階が適切かは構法と工程によるので、日付だけを先に決めません。工場で壁を組み立てる方式など、現場で見られる範囲が異なる場合もあります。中間測定を行うなら、工法に合う確認の機会と組み合わせて検討します。
一方、途中で良い結果が出た後に、設備のための貫通部を増やしたとします。途中の結果だけでは、その変更後の状態まで確かめたことにはなりません。何が測定後に変わったかを追い、完成時にどこまで確認するかを計画しておくことが重要です。
完成時だけの測定も、意味がないとは考えません。測定していない家と、結果を確認した家を同じ扱いにはしません。ただ、問題があった時に調査や対応をどう進めるかを、仕上げの前から話しておく方がよいというのが私の判断です。
工程表に測定後の作業も書く
打合せでは、気密を担う層がどの段階でできるかを設計者に説明してもらいます。窓、配管、設備など、測定時にどこまで工事が進んでいる想定なのかを確認します。中間という名前が同じでも、住宅会社によって想定する施工段階が違う可能性があるためです。
次に、その段階で結果が想定と違った場合の調査時間を確保できるかを聞きます。翌朝には全て壁を閉じる予定なのに、原因を調べる担当も決まっていないのでは困ります。測る日と、必要なら確認や手直しをする時間を一緒に調整してもらいます。
施工担当者、測定者、判断する担当者の役割も明確にします。測定器を設置する人が、全ての施工判断まで担うとは限りません。結果を誰へ報告し、どの資料に基づき対応を決めるかを、施主にも分かる言葉で説明してもらいます。
仮に手直しを行ったら、直した場所と方法を記録し、再確認の方法を決めます。良い数字が出るまで何となく作業を続ける話ではなく、気づいた問題を解決した経過を残すためです。工程が変わった場合は、確認の予定も更新します。
施主が測定へ立ち会える場合も、見学を前提に施工を止めるのではなく、参加できる範囲と安全な場所を事前に決めます。立ち会えない家族にも結果を説明できるよう、報告書と写真を受け取る方法を確認してください。
数字には測った条件を添える
報告では、測定日、施工段階、対象の範囲、結果を確認します。国土技術政策総合研究所も、専用機器で住宅の隙間の状態を測り、C値で評価する方法を説明しています。数値だけが広告やメモに載っていても、自分の家を測った記録かは別に確認が必要です。[2]
換気口など、測定のために一時的に塞ぐ部分についても説明を受けます。必要な条件を整える処理を見て、それだけで不正だと決めません。一方、どこをどう扱ったかを聞かずに、数値だけを他の家と比較することも避けます。[1][2]
中間と完成で数値が違う場合は、良くなった、悪くなったという印象だけで判断せず、工事の進み方と測定条件を確認します。途中では未施工だった部分が何か、その後に何が追加されたかを説明してもらいます。同じ家でも、比較する条件を揃えて考える必要があります。
会社全体の平均値や、特に良かった一棟の記録と、自分の家の結果は区別します。参考事例を聞くことはできますが、今回の測定を実施するか、いつ結果を受け取るかは別の約束として確認します。実例の紹介だけで自宅の確認が済んだと思わないことです。
測定が終わった後は、一時的に行った処理を戻し、通常の換気を使える状態にする段取りも確認します。測定時の状態を、そのまま日常の使い方にしないためです。住み始める家族には、設備の通常運転と必要な操作を別に説明してもらいます。
期待と違う結果でも原因の確認から進める
目標を設ける場合は、その数値だけでなく、達しなかった時の対応を事前に聞きます。調査、手直し、再測定の範囲を、住宅会社がどう考えているか確認します。施主が測定日に初めて結果の意味を知る状態を避け、同じ判断基準で話せるようにしておきます。
結果が期待と違っても、写真や数値だけで原因を一つに決めないでください。どの部分を調べ、何が分かり、どんな対応をしたかを聞きます。部材の交換など大きな結論へ進む前に、その判断を支える調査の内容を確認します。
すでに完成している家で測定を相談する場合は、調べられる範囲と、その後に可能な対応を先に尋ねます。途中の測定をしなかったから何もできないと諦める必要はありません。ただし、隠れた部分の調査が必要になるかなど、現状に応じた計画を組んでもらいます。
また、気密測定の結果が良いことだけで、断熱や空調、換気の計画まで全て良好と判断しません。今回は隙間の状態を、どの工程で確かめるかという話です。測定の役割を明確にすると、別の性能確認に必要な資料を取り違えずに済みます。
深澤の判断と次の行動
私なら、完成した家の結果を知ることに加え、必要な手直しができる時期にも確認する計画を重視します。中間と完成の二つの目的を分けて相談し、測定後の調査と確認まで工程へ入れます。小さな数字を掲げることより、その数字をどう確かめたかを見たいところです。
次の打合せでは工程表を開き、「いつ測り、何が未施工で、結果が違ったらどうしますか」と質問してください。デザインハウス甲府へ相談する場合も、測定するという言葉だけで終えず、報告書と対応の流れまで確認しましょう。見えなくなる前の一回を、必要な改善へつなげることが目的です。
参考資料
[1] 日本住環境 気密測定の方法を徹底解説 具体的な手順と流れ
[2] 国土技術政策総合研究所 省エネで健康的な室内環境










