Q. 「高性能住宅」の基準は、紹介会社ごとに違う?
A. 違う可能性があります。「高性能住宅」という言葉だけで、断熱・気密・耐震・換気・省エネの統一された水準がすべて保証されるわけではありません。紹介会社が独自の基準で分類している場合は、具体的な数値、取得方法、実測の有無まで確認する必要があります。
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「高性能住宅を得意とする会社です」
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「省エネ性能の高い住宅会社をご紹介します」
と説明されることがあります。
相談者は「高性能」と聞くと、冬は暖かく、夏は涼しく、地震にも強く、光熱費も安い家を想像するでしょう。
しかし、紹介会社がいう高性能住宅が、どの性能を、どの水準まで満たしているのかは、その言葉だけでは分かりません。
会社によっては断熱性能だけを見ているかもしれません。
別の会社は耐震性能を含めるかもしれません。
住宅会社自身が「高性能」と宣伝していれば、そのまま高性能住宅として分類している可能性もあります。
「高性能住宅」という言葉より、何をもって高性能と認定しているのかが重要です。
高性能住宅には複数の性能がある
住宅性能は、一つの数字だけでは評価できません。
少なくとも、次の要素があります。
- 断熱性能
- 気密性能
- 耐震性能
- 換気性能
- 冷暖房計画
- 日射取得・日射遮蔽
- 省エネ性能
- 防水・耐久性能
- 施工品質
- 維持管理性能
例えば、断熱性能が高くても、耐震性能が不明な住宅を「高性能住宅」と呼んでよいのでしょうか。
耐震等級3でも、気密測定を行わず、換気計画も不十分な住宅を高性能と評価できるでしょうか。
紹介会社がどの項目まで確認しているかによって、「高性能住宅」の意味は大きく変わります。
紹介会社によって基準が変わる可能性がある
例えば、3つの紹介会社が次のような独自基準を設けたとします。
| 紹介会社 | 高性能住宅とする基準の例 |
|---|---|
| A社 | 断熱等級を取得している |
| B社 | UA値と耐震等級を確認している |
| C社 | UA値・C値・耐震等級・換気・全棟検査を確認している |
同じ「高性能住宅」という表示でも、確認している範囲が違います。
A社の基準を通過した住宅会社が、C社の基準も満たすとは限りません。
紹介サービス同士を比較するときは、掲載会社数や相談料だけではなく、高性能住宅の判定基準まで確認する必要があります。
UA値だけで高性能と判断していないか
UA値は、断熱性能を比較するための重要な指標です。
しかし、UA値が一定水準以下だからといって、住宅全体の性能がすべて高いとは限りません。
例えば、UA値0.46以下を高性能住宅の基準にしていたとしても、次の内容が不明なら十分な評価とは言えません。
- 全棟で達成する基準か
- 特定商品の基準か
- モデルプランだけの計算値か
- 個別住宅で計算するか
- 窓や間取り変更後も再計算するか
- 実際の断熱施工を検査するか
- 気密測定を行うか
- 日射や空調まで計画するか
UA値は設計上の数値です。
計算しただけで、断熱材の施工状態まで保証されるわけではありません。
紹介会社が住宅会社の公表するUA値だけを並べているなら、それはカタログ比較であり、完成住宅の性能確認ではありません。
C値を確認しない高性能住宅もある
気密性能を示すC値は、住宅の隙間を実際に測定して確認します。
高気密を掲げるなら、少なくとも次の点を確認したいところです。
- 全棟で測定するか
- 目標値はいくつか
- 実績の平均値はいくつか
- 測定する時期はいつか
- 基準を超えた場合に補修するか
- 結果を施主へ渡すか
「高気密・高断熱」と紹介されていても、気密測定を行っていなければ、自分の家のC値は確認できません。
住宅会社が「丁寧に施工しているので大丈夫」と説明しているだけでは、実測値になりません。
紹介会社が高性能住宅として認定するなら、目標値ではなく、実際の測定体制まで確認する必要があります。
耐震等級3も取得方法まで確認する
高性能住宅というなら、断熱性能だけでなく耐震性能も重要です。
しかし、「耐震等級3」と「耐震等級3相当」は同じとは限りません。
確認したいのは、
- 正式な等級を取得するか
- 第三者機関の評価を受けるか
- どの構造計算方法を採用するか
- 許容応力度計算を行うか
- 基礎まで計算するか
- 太陽光パネルの重量を反映するか
- 吹き抜けや大開口を反映するか
- 計算書を施主へ渡すか
です。
紹介会社が住宅会社の自己申告だけで「耐震等級3」と分類しているなら、正式取得する会社と「相当」を掲げる会社が同じ一覧に入る可能性があります。
数字が同じように見えても、確認方法が違えば、信頼性も変わります。
換気設備の商品名だけで判断していないか
第一種熱交換換気を採用しているだけで、高性能住宅と評価される場合があります。
しかし、高性能な換気設備を設置しても、計画どおりに換気できるとは限りません。
- 必要な換気量を計算しているか
- ダクトの長さや曲がりを考慮しているか
- 給気と排気の位置は適切か
- 室内の空気が計画どおり流れるか
- 完成後に風量を測定するか
- フィルターを交換しやすいか
- 維持費はいくらかかるか
まで確認する必要があります。
熱交換率のカタログ値だけを見て、「換気性能が高い」と判断するのは不十分です。
設備性能と住宅全体の換気性能は分けて考えるべきです。
地域によって必要な性能は変わる
同じ県内でも、標高、気温、積雪、日射、風の強さなどが異なります。
山梨県でも、甲府盆地と標高の高い地域では、冬の最低気温や暖房負荷が同じではありません。
そのため、一つのUA値だけを県内全域へ当てはめ、
「この数値なら、どこでも同じように快適です」
と説明するのは適切ではありません。
地域に応じて、
- 断熱性能
- 窓の仕様
- 凍結対策
- 日射取得
- 夏の日射遮蔽
- 暖房方式
- 積雪や風への対策
を検討する必要があります。
本当に住宅性能を理解している紹介会社なら、全国共通の言葉だけでなく、建築予定地の条件まで考えて住宅会社を選びます。
「標準仕様」か「追加費用」かで意味が変わる
紹介会社から、
「この会社は断熱等級6に対応できます」
と説明されても、それが標準仕様とは限りません。
追加費用を支払えば対応できる会社も含まれる可能性があります。
確認すべきなのは、
- 標準仕様で達成するのか
- 追加費用はいくらか
- どの商品でも対応できるか
- 一部のモデルプランだけか
- 窓や設備を変更する必要があるか
- 申請費用や測定費用を含むか
です。
「対応可能」と「標準で保証」は違います。
高性能住宅として紹介された後、必要な仕様を追加した結果、見積額が200万円、300万円と上がれば、最初の予算比較は崩れます。
性能は数値だけでなく、その性能を実現する総額で比較する必要があります。
紹介会社の認定と、公的な評価を混同しない
紹介会社が独自に、
「高性能住宅認定」
「優良住宅会社認定」
といった表示を行っている場合があります。
独自基準を設けること自体が悪いわけではありません。
ただし、その認定が法令や公的制度による評価と同じとは限りません。
次の点を確認してください。
- 認定基準を公開しているか
- 誰が審査しているか
- 審査する人の資格は何か
- 住宅会社の自己申告だけではないか
- 図面や計算書を確認しているか
- 建築現場を確認しているか
- 定期的に再審査しているか
- 基準を満たさなくなった場合に認定を外すか
認定マークの見た目ではなく、認定の中身を見ることが重要です。
高性能住宅の判定表を見せてもらう
紹介会社が住宅会社を高性能と評価しているなら、少なくとも次のような判定項目があるはずです。
| 評価項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 断熱 | 個別計算、全棟基準、標準UA値 |
| 気密 | 全棟測定、基準値、実績値 |
| 耐震 | 正式な等級、計算方法 |
| 換気 | 換気計画、完成後の風量確認 |
| 空調 | 建物全体の冷暖房計画 |
| 日射 | 取得・遮蔽の設計 |
| 施工 | 工程ごとの検査、是正記録 |
| 実測 | C値、室温、風量など |
| 総額 | 標準で達成できる価格 |
| 証拠 | 計算書、測定結果、検査報告書 |
このような基準がなく、担当者の印象で「高性能」と分類しているなら、その評価は客観的とは言えません。
相談前に確認すべき10の質問
- 高性能住宅の具体的な認定基準は何ですか
- UA値はいくつ以下を基準にしていますか
- C値の全棟測定を条件にしていますか
- 耐震等級3は正式取得が条件ですか
- 構造計算の方法まで確認していますか
- 換気計画や風量測定も評価していますか
- 建築中の現場を誰が確認していますか
- 高性能仕様は標準価格に含まれていますか
- 地域の気候に応じて基準を変えていますか
- 評価基準と確認結果を書面で見せてもらえますか
「社内基準です」という回答だけで終わるなら、その社内基準の内容を確認してください。
公開できない基準で評価された「高性能」を、相談者は検証できません。
結論
「高性能住宅」の基準は、紹介会社ごとに違う可能性があります。
ある会社は断熱等級だけで判断し、別の会社はUA値、C値、耐震等級まで確認するかもしれません。
さらに厳しい会社なら、換気計画、日射設計、現場検査、実測結果、標準価格まで評価するでしょう。
同じ「高性能」という表示でも、中身は同じではありません。
高性能住宅という言葉には安心感があります。しかし、基準を公開できない高性能は、比較できない広告表現にすぎません。
確認すべきなのは、
- どの性能を
- どの数値で
- どの方法により
- 誰が確認し
- いくらの総額で実現できるのか
です。
紹介会社が付けた「高性能」の札を信じるのではなく、自分が契約する住宅の計算書、測定結果、検査記録を確認してください。
高性能住宅は、言葉で決まるものではありません。
設計数値、現場施工、完成後の実測、そして総額がそろって、初めて比較できるものです。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁










