建替えを機に行う「家の履歴書(設計図書・メンテナンス記録)」の必要性と保管方法
A. 家の履歴書は必ず作るべきです。ただし、書類を一冊にまとめるだけでは不十分です。紙・電子データ・施工写真を、住宅会社がなくなっても施主と家族が取り出せる状態で保管してください。
住宅履歴情報とは、どのような材料や構造で建てられ、その後どのような点検・修繕を行ったかを記録したものです。国土交通省も、新築時の図面、建築確認書類、点検結果、リフォーム記録などを保存し、維持管理や売買に活用するものとしています。国土交通省「住宅履歴情報とは」
新築時に残すべき資料
最低限、次の書類をそろえます。
- 工事請負契約書、見積書、変更契約書
- 建築確認済証、検査済証
- 最終的な配置図・平面図・立面図
- 構造図、構造計算書
- 基礎伏図、床伏図、耐力壁配置図
- 給排水・電気・換気設備図
- 断熱材、窓、外壁、屋根などの仕様書
- 住宅性能評価書や長期優良住宅の認定書類
- 地盤調査報告書、地盤保証書
- 気密測定結果
- 瑕疵保険、完成保証、各種保証書
- 設備機器の型番・取扱説明書
- 工事中の施工写真
特に重要なのは、契約時の図面ではなく、変更工事を反映した完成時の図面です。
打ち合わせ途中の図面しか残っていないと、実際の柱、配管、配線、コンセントの位置と異なる可能性があります。
壁を閉じる前の写真が役立つ
完成後は壁や床の内部を見ることができません。工事中に次の部分を撮影し、撮影場所と日付を記録しておきましょう。
- 基礎の配筋
- 構造金物と耐力壁
- 断熱材の施工状況
- 壁内の給排水管
- 電気配線と配管
- 将来手すりを付ける壁の下地
- 太陽光発電や換気設備の配線
- 防水施工部分
将来、手すり、エアコン、棚、コンセントを追加するとき、内部の位置が分かれば、柱や配管を傷つけるリスクを減らせます。
入居後に記録する内容
家の履歴書は、引き渡し時に完成するものではありません。
- 定期点検の実施日と結果
- シロアリ点検・防蟻処理
- 外壁、屋根、シーリングの補修
- 給湯器やエアコンの交換
- 太陽光・蓄電池の修理
- 雨漏りや漏水の発生状況
- リフォーム内容と施工会社
- 修繕費用、請求書、施工写真
小さな修理でも、日付、場所、原因、施工会社、金額を残します。後で同じ不具合が起きたとき、原因を追いやすくなります。
紙だけ、住宅会社任せは危険
おすすめは、次の3か所へ分けて保管する方法です。
- 原本を耐火性のあるファイルで保管
- PDFや写真をクラウドへ保存
- USBメモリなどへ予備データを保存
フォルダは「契約」「図面」「性能」「保証」「点検」「修繕」「設備」に分けると探しやすくなります。
住宅会社の専用アプリだけに保存すると、その会社の倒産やサービス終了によって閲覧できなくなる恐れがあります。データは必ず施主自身もダウンロードし、配偶者や子どもへ保管場所を伝えてください。
記録があれば高く売れるとは限らない
住宅履歴があっても、山梨県では立地や需要によって再販が難しく、必ず売却価格が上がるわけではありません。
しかし、検査済証、構造計算書、修繕履歴などがそろっていれば、購入希望者の不安を減らし、売却、相続、リフォームの手続きを進めやすくなります。逆に、性能を説明できる資料がなければ、実際に高性能でも評価されない可能性があります。
長期優良住宅も、認定書を持っているだけでは十分ではありません。決められた維持保全計画を実行し、点検・修繕記録を残してこそ意味があります。
デザインハウス甲府では、許容応力度計算書、気密測定結果、各種保証書、完成図面など、住宅性能を後から確認できる資料をお渡しします。
家の性能は、営業担当者の言葉では相続できません。図面・数値・写真・修繕記録を残して初めて、家族へ引き継げる住宅資産になります。










