高断熱・高気密住宅にもデメリットはありますか?乾燥しやすいって本当ですか?
Q
70歳です。建て替えを考えています。高断熱・高気密住宅は暖かくて健康に良いと聞く一方で、「乾燥しやすい」「換気が悪い」「息苦しい」といった話も耳にします。本当にデメリットはあるのでしょうか?建てる前に知っておきたいです。
結論
高断熱・高気密住宅そのものが悪いのではなく、「正しい設計・施工・換気・使い方」ができていない場合に問題が起こることがあります。
代表的なデメリットとして挙げられるのは、
- 冬場に乾燥しやすい
- 換気フィルターの清掃が必要
- 初期費用がやや高い
- 夏の日射対策を怠ると暑くなる
などです。
しかし、これらは設計や設備選びによって十分に対策できます。
デメリット① 冬は乾燥しやすい?
暖房を使用すると、
高断熱住宅に限らず室内の相対湿度は低下しやすくなります。
特に冬は、
湿度が
40%以下
になると、
- のどが乾く
- 肌が乾燥する
- ウイルスが活動しやすくなる
などの影響があります。
おすすめは、
湿度40〜60%
を目安に保つことです。
対策① 加湿を上手に行う
おすすめは、
- 加湿器
- 室内干し
- 観葉植物(補助的な効果)
- 湿度計の設置
です。
湿度は高すぎても結露やカビの原因になるため、
40〜60%
を目安に管理しましょう。
デメリット② 換気設備のメンテナンス
第一種熱交換換気では、
フィルター清掃が必要です。
目安は、
2〜3か月ごとの点検・清掃
機種によっては、
半年〜1年ごとのフィルター交換
が推奨されています。
メンテナンスを怠ると、
換気性能が低下することがあります。
対策② メンテナンスしやすい機種を選ぶ
建て替え時には、
- フィルター交換が簡単
- 掃除しやすい位置
の換気システムを選ぶことも大切です。
シニア世代では、
脚立が必要な位置より、
手の届く位置にある方が安心です。
デメリット③ 夏の日射対策が必要
高断熱住宅は、
一度入った熱も逃げにくいという特徴があります。
そのため、
夏の日差しを室内へ入れすぎると、
室温が上がりやすくなります。
対策③ 窓の外で日射を遮る
おすすめは、
- アウターシェード
- 外付けブラインド
- 軒の出60〜90cm
- Low-E遮熱ガラス
です。
特に、
窓の外側で日差しを遮ること
が重要です。
デメリット④ 初期費用が高い
断熱材や高性能サッシ、
第一種換気などにより、
建築費は一般的な住宅より高くなることがあります。
しかし、
- 光熱費
- 結露対策
- 健康維持
まで含めると、
長期的にはメリットが大きくなるケースもあります。
デメリット⑤ 「息苦しい」は本当?
高気密住宅では、
「息苦しい」
と言われることがあります。
しかし、
これは
24時間換気が適切に機能していない場合
に起こる可能性があります。
高気密住宅だからこそ、
計画換気が重要になります。
高性能住宅で重要な仕様
おすすめは、
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル)
- UA値0.46以下
- 全棟気密測定(C値0.7以下を目標)
- 第一種熱交換換気(熱交換率90%前後)
- 耐震等級3(許容応力度計算)
これらを組み合わせることで、
デメリットを最小限に抑え、
高性能住宅のメリットを最大限に活かせます。
法律・制度の根拠
住宅の断熱性能は、
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく住宅性能表示制度で評価されます。
また、
24時間換気は、
建築基準法第28条および関係法令に基づき設置が義務付けられています。
WHO(世界保健機関)は、
室温だけでなく、
適切な湿度管理も健康維持に重要であるとしています。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県でも、
「高断熱住宅は乾燥するから心配」
というご相談をいただきます。
しかし、
私たちは、
**「高断熱住宅にデメリットがある」のではなく、「設計や使い方に対策が必要」**だと考えています。
そのため、
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル)
- UA値0.46以下
- 耐震等級3
- 全棟気密測定(C値0.7以下を目標)
- 第一種熱交換換気
- 日射遮蔽設計
を標準的な考え方としてご提案しています。
これにより、
暖かさだけでなく、
湿度・空気・光熱費まで考えた住まいになります。
高断熱住宅は「魔法の家」ではありません。
正しく設計・施工・メンテナンスすることで、本来の性能を発揮する住まいです。
だからこそ、住宅会社選びがとても重要になります。










