Q.SNSで人気の間取りでも、その家族には不要だと伝えることはありますか?
A.使う場面が少ない、ほかの大切な空間を圧迫する、管理や家事の負担が増えると考えられるなら、その可能性を伝えたいと思います。ただし、人気の間取りを一律に不要とは考えません。写真の魅力と、その家族に必要な機能を分けて確認します。
写真に写らない生活の条件を聞きます
SNSの間取りには、回遊動線、パントリー、ファミリークローゼット、室内干しなど、参考になる工夫があります。大切なのは、その家の家族人数、生活時間、持ち物、敷地や性能が、自分たちと同じかどうかです。見た目が好みという理由も大切ですが、それだけで使い方までは分かりません。
例えば、広いパントリーが便利でも、家族が何をどれくらい保存するかによって必要な収納は変わります。奥行きが深い棚を増やすより、取り出せる高さと見渡せる配置が合う場合もあります。面積の大きさと使える収納量を分けて見ます。
回遊動線なら、何人がどの時間に、どこへ移動するかを確認します。通り道が増えることで便利になる場合も、家具を置く壁が減る場合もあります。回れることだけを評価せず、普段の往復と収納の置き場を図面で確かめます。
使う人と戻す場所まで一緒に考えます
ファミリークローゼットを検討するなら、洗濯物を誰がしまい、どこで着替え、私物をどう分けるかを聞きます。1階にまとめれば必ず家事が減るとは限りません。個室で着替える人が多ければ、衣類を運ぶ動作が残ることもあります。
室内干しの部屋も、洗う、干す、乾かす、畳む、しまうという作業をつなげて考えます。使わないカウンターや大きすぎる作業台を先に付けるより、現在の家事のやり方を確認すると、必要な設備を選びやすくなります。
ただし、作業の効率だけが価値ではありません。好きな空間で過ごしたい、気分よく家事をしたいという希望にも意味があります。その喜びのために使う費用と、便利になると期待する費用を分ければ、ご家族が納得して選びやすくなります。
比較は採用する案と採用しない案で行います
仮に専用の部屋を2畳増やす案なら、その面積と工事費をどこへ配分するかを比較します。部屋を独立させる、収納だけ設ける、既存の空間と兼ねるなど、目的を満たす方法は一つとは限りません。実際の費用は配置や工事内容により変わります。
採用前に、平日の朝、帰宅後、休日の3つの場面を想像し、その設備や通路を本当に使うかを確認してください。写真を見るだけのときには分からなかった条件が見えてきます。
使わないときも考えてください。家族の成長や仕事の変化で利用頻度が下がったとき、別の用途へ転用できるかを見ます。ただし、将来何にでも使えるという曖昧な理由で、必要性の低い面積を増やすことにも注意が必要です。
SNSの案を検討するときは、次の4点を整理します。
・どの写真や動線を気に入ったか。
・自分たちが使う場面と頻度。
・増える面積、費用、手入れや家事の作業。
・採用しない場合に目的を満たす方法。
投稿に商品紹介や紹介報酬などが関わる場合もあります。発信者の経験は参考にしつつ、どの条件の話かを確認してください。見学できる機会があれば、収納の中、家具の配置、空調や音など、写真に写らない点も質問します。
当社へは、気に入った投稿と、なぜ採用したいかを一緒に見せてください。他の方の図面をそのまま使う前に、利用条件と敷地・構造への適合を確認する必要もあります。参考にすることと、その計画の完成を約束することは異なります。
私は、流行に乗らない家を勧めたいのではありません。家族が実際に使い、その費用を払う理由を持てる家を考えたいと思います。人気があるから安心という気持ちから一歩進み、毎日の暮らしで役立つかを一緒に確かめます。
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参照資料 S1










