35年住宅ローンは長すぎる?後悔しない返済期間と完済年齢を山梨県の住宅会社が解説
結論|35年ローンより「35年かけても返せない借入額」が危険です
「35年住宅ローンは長すぎませんか?」
住宅ローンの相談で、よく聞かれる質問です。
結論からお伝えすると、35年という返済期間そのものが危険なのではありません。
本当に危険なのは、次のような住宅ローンです。
- 35年かけても家計に余裕がない
- 教育費を貯められない
- 金利が上がると返済できない
- 退職後も返済額が変わらない
- 繰上返済をしなければ80歳まで完済できない
- 預金を使い切らなければ返済できない
大切なのは「何年で借りるか」だけではありません。
毎月いくら返し、何歳で完済し、住宅ローンを返しながらいくら貯蓄できるか。
ここまで確認して、初めて安全な住宅資金計画になります。
住宅金融支援機構の2026年1月調査でも、「30年超~35年以内」の返済期間が38.9%で最も多くなっています。35年返済は特別に珍しい選択ではありません。住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査」
ただし、「多くの人が選んでいるから安心」とは限りません。
借りる人の年齢、収入、子どもの年齢、退職予定、預貯金によって、安全性は大きく変わります。
35年ローンのメリットは「毎月の家計に余白を残せること」
35年ローンの最大のメリットは、返済期間を長くすることで、毎月の返済額を抑えられることです。
例えば、3,000万円を金利年1.5%、元利均等返済、ボーナス返済なしで借りた場合を比較します。
| 返済期間 | 毎月返済額 | 総返済額 | 総利息 |
|---|---|---|---|
| 25年 | 約12万0,000円 | 約3,599万円 | 約599万円 |
| 35年 | 約9万2,000円 | 約3,858万円 | 約858万円 |
| 差額 | 約2万8,000円減 | 約259万円増 | 約259万円増 |
※金利が全期間変わらない前提の概算。融資手数料・保証料などは含みません。
35年返済にすると、25年返済より毎月約2万8,000円軽くなります。
年間では約34万円、10年間では約340万円です。
この差額を全部使ってしまえば、単に返済を先延ばしにしただけです。
しかし、差額を次の目的に振り分ければ、35年ローンは家計を守る仕組みに変わります。
- 子どもの教育費
- 車の買い替え費用
- 固定資産税
- 住宅修繕費
- 病気や失業への備え
- 老後資金
- 将来の繰上返済資金
つまり、35年ローンの価値は「月々を安く見せること」ではありません。
家を建てた後の暮らしに、現金を残せることです。
35年ローンのデメリット|利息と完済年齢は必ず増える
返済期間を長くすれば、毎月の返済額は下がります。
一方で、支払う利息は増えます。
先ほどの3,000万円の例では、35年返済は25年返済より総利息が約259万円増えます。
35年ローンには、もう一つ大きな問題があります。
それが完済年齢です。
| 借入時の年齢 | 35年後の完済年齢 |
|---|---|
| 30歳 | 65歳 |
| 35歳 | 70歳 |
| 40歳 | 75歳 |
| 45歳 | 80歳 |
| 50歳 | 85歳 |
同じ35年ローンでも、30歳で借りる場合と45歳で借りる場合では意味がまったく違います。
特に40代・50代の住宅購入や建て替えでは、「35年借りられるか」ではなく、次の3点を確認する必要があります。
- 退職後の住宅ローン残高はいくらか
- 年金収入で返済と生活費を両立できるか
- 70歳前後までに完済できる再設計が可能か
銀行が35年返済を認めたからといって、35年間安全に返せると保証されたわけではありません。
住宅ローン審査は「銀行が貸せるか」の判定であって、「家族が幸せに返せるか」の判定ではないからです。
「35年ローンは危険」という考え方にも落とし穴がある
「利息がもったいないから、できるだけ短く借りる」
一見、正しい考え方に見えます。
しかし、返済期間を短くしすぎて、毎月の返済額が上がりすぎる方が危険な場合もあります。
例えば、25年返済を選んだ結果、次のような生活になったらどうでしょうか。
- 教育費の積立ができない
- 車を現金で買い替えられない
- 家族旅行をすべて我慢する
- 急な修理費をカードローンで支払う
- 収入が減ると、すぐ赤字になる
- 老後資金がほとんど残らない
これでは、住宅ローンを早く返すために、家族の暮らしを犠牲にしていることになります。
家づくりの目的は、最短で住宅ローンを完済することではありません。
家を建てた後も、家族が安心して暮らし続けることです。
危険なのは「返済期間」ではなく「借入額」です
35年にすれば、どんな住宅でも買ってよいわけではありません。
返済期間を延ばすことで、高すぎる住宅価格を「月々払えそう」に見せる営業には注意が必要です。
例えば、本来3,000万円までに抑えるべき家族が、返済期間を延ばして4,000万円を借りたとします。
毎月返済額だけを見れば、払えるように感じるかもしれません。
しかし、増えた1,000万円は消えません。
利息を加えれば、実際に返す金額はさらに大きくなります。
返済期間を延ばしても、高すぎる家が安い家に変わるわけではありません。
住宅会社は建物の完成時に代金を受け取ります。
しかし、お客様の返済は、その後35年間続きます。
だからこそ、住宅会社の「借りられますよ」だけで判断してはいけません。
35年ローンが向いている人
次の条件に当てはまる場合、35年ローンは家計に余裕を残す有効な選択肢になります。
- 30代前半までに借りる
- 65歳から70歳前後までの完済が見込める
- 毎月返済を抑えた分を貯蓄できる
- 教育費のピークがこれから来る
- 手元資金を一定額残して家を建てる
- 金利上昇を含めた返済シミュレーションをしている
- 繰上返済をしなくても生活が成立する
- 将来の繰上返済資金を別口座で積み立てる
重要なのは、35年で契約しても「必ず35年かけて返す」と決めないことです。
毎月の返済額を抑えながら現金を確保し、家計に余裕ができた段階で期間短縮型の繰上返済をする方法もあります。
35年ローンを避けた方がよい人
次のような計画は、返済期間以前に借入額の見直しが必要です。
- 35年にしても毎月返済が苦しい
- ボーナス返済を前提にしている
- 退職金を使わなければ完済できない
- 45歳以上で80歳完済になる
- 建築後の預貯金がほとんど残らない
- 教育費を計算していない
- 変動金利が上がった場合の計算をしていない
- 固定資産税や修繕費を住宅費に含めていない
- 夫婦どちらかの収入が減ると返済できない
- 太陽光発電の売電収入を満額返済に充てている
特に危険なのは、「将来、繰上返済すれば大丈夫」という説明です。
繰上返済は、将来の収入増加や家計の余裕があって初めて実行できます。
教育費、病気、転職、親の介護などが重なれば、予定どおりに繰上返済できない可能性もあります。
繰上返済をしないと破綻する計画は、最初から安全な計画とはいえません。
繰上返済は「早ければ正解」ではない
35年ローンを早く終わらせるために、預金が貯まるたびに繰上返済する方がいます。
しかし、手元資金を減らしすぎる繰上返済には注意が必要です。
一度住宅ローンを返済したお金は、簡単には戻せません。
その後、教育費や車の買い替え、住宅修繕が必要になり、金利の高い教育ローンやマイカーローンを借りることになれば、本末転倒です。
繰上返済には、主に次の2種類があります。
- 返済期間を短くする「期間短縮型」
- 毎月返済額を下げる「返済額軽減型」
住宅金融支援機構も、繰上返済によって総返済額を減らしたり、完済時期を早めたりできると案内しています。フラット35「繰上返済」
ただし、繰上返済の前に、次のお金を確保しておくべきです。
- 生活防衛資金
- 近い将来の教育費
- 車の買い替え資金
- 固定資産税
- 住宅の修繕積立
- 医療・介護への備え
繰上返済は、預金を使い切って行うものではありません。
家族を守る現金を残したうえで、余裕資金から行うものです。
変動金利なら「35年間、今の返済額が続く」と考えない
変動金利を選ぶ場合、現在の金利だけで35年間の返済計画を作ってはいけません。
借入時の返済額に加えて、少なくとも次の3パターンを比較する必要があります。
- 現在の金利が続く場合
- 金利が年2%程度になった場合
- 金利が年3%程度になった場合
そして、それぞれについて次を確認します。
- 毎月返済額
- 年間返済額
- 教育費との重複
- 退職時点のローン残高
- 完済年齢
- 90歳時点の金融資産
日本銀行は2026年8月の総裁会見で、政策金利引き上げ後、市場金利連動型の貸出金利が上昇していると説明しています。日本銀行「総裁記者会見」
今後の金利を正確に予測することはできません。
だからこそ「金利が上がらないと仮定する」のではなく、上がった場合でも返せる金額に抑える必要があります。
35年ローンの判断で見るべき7つの数字
住宅ローンの安全性を判断するときは、毎月返済額だけでなく、最低でも次の7項目を確認してください。
1.住宅取得総額
建物価格だけではありません。
土地、付帯工事、屋外給排水、確認申請、地盤改良、外構、登記、火災保険、融資費用まで含めた総額で判断します。
2.建築後に残る現金
頭金を入れすぎて、完成後の預金がほとんどなくなる計画は危険です。
3.当初の毎月返済額
住宅ローンだけでなく、固定資産税、火災保険、修繕積立も住宅費に含めます。
4.金利上昇後の返済額
変動金利の場合、金利2%・3%になった場合も計算します。
5.教育費ピーク時の収支
住宅ローンと大学費用が重なる時期に赤字にならないか確認します。
6.退職時点のローン残高
退職金で全額返済する前提にはせず、退職後の生活資金を先に確保します。
7.完済年齢と老後資産
「何歳で完済するか」だけでなく、完済した時点で預貯金がいくら残るかまで確認します。
俺流結論|35年ローンは「時間を買う仕組み」として使う
私がお客様にお伝えしているのは、次の考え方です。
35年ローンは、借入額を増やすために使うものではありません。
家計に余裕を残すために使うものです。
25年返済で毎月12万円、35年返済で毎月約9万2,000円。
毎月約2万8,000円の差を、ただ生活費として使うのか。
それとも、教育費、老後資金、修繕費、繰上返済資金として残すのか。
同じ35年ローンでも、結果は大きく変わります。
後悔する人は「今月払える金額」だけを見ます。
後悔しない人は、次のことまで確認します。
- 子どもが大学へ進学するとき
- 車を買い替えるとき
- 金利が上がったとき
- 夫婦の収入が減ったとき
- 退職したとき
- 70歳、80歳、90歳になったとき
住宅ローンの目的は、銀行へ早く返すことではありません。
家族が家を建てた後も、教育費や生活費を守り、笑顔で暮らし続けることです。
そのためなら、最初は35年で余裕を持ち、家計が安定してから返済期間を短くする方法も合理的です。
ただし、それは借入額が適正であることが大前提です。
35年ローンは長すぎるのではありません。
35年に延ばさなければ買えないほど高い家が、危険なのです。
35年住宅ローンに関するよくある質問
Q1.35年ローンは長すぎますか?
35年という期間だけで危険とは判断できません。借入時の年齢、借入額、完済年齢、教育費、退職後の収入、建築後に残る預貯金を含めて判断する必要があります。
Q2.35歳で35年ローンを組むと何歳で完済しますか?
繰上返済をしなければ、原則70歳で完済します。退職予定年齢までにどの程度の残高が残るかも確認してください。
Q3.45歳でも35年ローンを組めますか?
金融機関の条件によっては可能ですが、完済年齢は80歳になります。「借りられるか」だけでなく、年金生活に入る前後の返済計画が成立するかが重要です。
Q4.25年ローンと35年ローンはどちらが得ですか?
総利息だけなら、一般的に25年ローンの方が少なくなります。一方、35年ローンは毎月返済額を抑え、教育費や預貯金を確保しやすいメリットがあります。「利息の少なさ」と「家計の安全性」の両方で比較してください。
Q5.35年ローンでも途中で返済期間を短くできますか?
余裕資金を使って期間短縮型の繰上返済を行えば、完済時期を早められます。ただし、教育費や生活防衛資金まで使わないことが重要です。
Q6.繰上返済を前提に35年ローンを組んでも大丈夫ですか?
繰上返済を実行できなくても生活が成立する借入額なら選択肢になります。繰上返済をしなければ老後に返済できなくなる計画は危険です。
Q7.住宅ローンは何歳までに完済するのが理想ですか?
一律の正解はありませんが、デザインハウス甲府では、収入や預貯金、年金見込みを確認しながら、原則として70歳前後までの完済を一つの目安にしています。
Q8.山梨県で住宅ローンを相談するとき、何を準備すればよいですか?
年収だけでなく、預貯金、保険、車のローン、教育費、退職予定年齢、年金見込み、希望する住宅総額を準備すると、より現実的な資金計画を作れます。
デザインハウス甲府の住宅資金シミュレーション
デザインハウス甲府では、「住宅ローンが借りられるか」だけの相談は行いません。
- 建物・付帯工事・諸費用を含む住宅総額
- 教育費を含む将来の家計
- 金利上昇時の返済額
- 建築後に残す手元資金
- 省エネによる光熱費削減
- 繰上返済をした場合の完済年齢
- 退職時点のローン残高
- 90歳までの金融資産
これらを確認し、家を建てた後も無理なく暮らせるかをシミュレーションします。
「35年ローンで本当に大丈夫なのか」
「70歳までに完済できるのか」
「教育費を守りながら家を建てられるのか」
不安な方は、契約する前にご相談ください。
住宅会社を決める前に、家の価格ではなく、人生の総額を確認しましょう。
デザインハウス甲府
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