高断熱住宅にすると、冬の「血圧上昇」を抑えられる医学的エビデンスはありますか?
Q
72歳です。冬になると血圧が高くなり、朝起きた時やお風呂に入る前が心配です。住宅会社から「断熱性能を上げると血圧にも良い影響があります」と言われました。本当に医学的な根拠はあるのでしょうか?
結論
高断熱住宅は、冬の室温低下を防ぐことで、血圧上昇を抑える可能性があると報告されています。
国土交通省のスマートウェルネス住宅等推進調査では、断熱改修後に起床時の最高血圧が平均3.5mmHg、最低血圧が平均1.5mmHg低下したという分析結果が示されています。(国土交通省)
シニア世代の建て替えでは、断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル)・UA値0.46以下・C値0.7以下を目標にし、家全体を18℃以上に保つ設計が重要です。
なぜ寒い家で血圧が上がるのか?
寒い場所へ移動すると、体は熱を逃がさないように血管を収縮させます。
その結果、血圧が上がりやすくなります。
特に危険なのは、
- 朝起きた直後
- 夜中のトイレ
- 脱衣所
- 浴室
- 寒い寝室
です。
リビングだけ暖かく、寝室や脱衣所が寒い家は、血圧変動が大きくなりやすい住環境です。
室温18℃が重要な目安
WHOは、寒さによる健康リスクを減らすため、冬の室温を18℃以上に保つことを推奨しています。さらに高齢者や健康リスクのある人には、より暖かい室温が必要になる場合があるとされています。(NCBI)
つまり、シニア住宅では、
- リビングだけ20℃
- 寝室は10℃
- 脱衣所は8℃
では不十分です。
家全体を18℃以上、できれば部屋間温度差を3℃以内に近づける設計が理想です。
国土交通省調査で示された血圧データ
国土交通省の断熱改修等による健康影響調査では、居間と寝室の室温を両方18℃に保つ場合と比べ、居間18℃・寝室10℃のように部屋間温度差が大きい場合、起床時の最高血圧がさらに2mmHg高いことが示されています。(国土交通省)
また、断熱改修後には、起床時の最高血圧が3.5mmHg、最低血圧が1.5mmHg低下したとの結果も示されています。(国土交通省)
この差は小さく見えますが、高血圧の方や高齢者にとっては、毎朝の血圧管理に関わる重要な差です。
断熱だけでは不十分
血圧対策として大切なのは、断熱材を厚くするだけではありません。
必要なのは、
- 断熱等性能等級6以上
- UA値0.46以下
- 気密測定によるC値1.0以下、できれば0.7以下
- 第一種熱交換換気
- 寝室・脱衣所・トイレまで暖める空調計画
です。
隙間が多い家では、暖房しても冷気が入り、室温が安定しません。
寝室が特に重要
血圧は朝に上がりやすいため、寝室の温度は非常に重要です。
寝室が寒いと、布団の中は暖かくても、起き上がった瞬間に冷気を浴びます。
そのため、寝室は**18〜20℃**を目安に保つことをおすすめします。
特に高血圧の方は、寝室・トイレ・脱衣所の温度差を小さくすることが大切です。
シニア世代が目指すべき住宅性能
建て替えでは、次の性能を目標にしましょう。
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル)
- UA値0.46以下
- 全棟気密測定
- C値0.7以下を目標
- 第一種熱交換換気・熱交換率90%前後
- 部屋間温度差3℃以内を目標
- 冬の室温18℃以上
これにより、血圧変動・ヒートショック・睡眠環境の改善が期待できます。
法律・制度の根拠
断熱等性能等級は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく住宅性能表示制度で定められています。
省エネ性能は建築物省エネ法に基づいて評価されます。
住宅と血圧の関係については、国土交通省スマートウェルネス住宅等推進調査事業で、断熱改修後の血圧低下や室温差と血圧の関係が報告されています。(国土交通省)
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県は冬の朝晩が冷え込みます。
だからこそ、シニア世代の建て替えでは、単に「暖房を増やす」のではなく、血圧が上がりにくい温度環境をつくることが重要です。
私たちは、
- 断熱等性能等級6
- UA値0.46以下
- 耐震等級3
- 全棟気密測定・C値0.7以下を目標
- 第一種熱交換換気
を組み合わせ、リビングだけでなく、寝室・トイレ・脱衣所まで温度差の少ない家をご提案しています。
高断熱住宅は、贅沢品ではありません。
冬の血圧上昇からご夫婦を守る、健康設備の一部だと考えるべきです。










