シニア世代の建て替えでは、階段の「踏み面」と「蹴上」の安全な寸法はどれくらいですか?
Q
69歳です。土地の関係で2階建てを建てる予定です。住宅会社から「階段は建築基準法どおりなので大丈夫です」と言われましたが、高齢になっても安全に上り下りできる階段にしたいと思っています。踏み面や蹴上は、どれくらいの寸法が理想なのでしょうか?
結論
シニア世代の住宅では、建築基準法の最低基準ではなく、「ゆっくり安全に上り下りできる寸法」で設計することが重要です。
おすすめの目安は、
- 踏み面(足を乗せる奥行):27〜30cm
- 蹴上(1段の高さ):16〜17cm程度
です。
この組み合わせなら、
足をしっかり乗せることができ、
膝や腰への負担も軽減できます。
踏み面とは?
踏み面とは、
足を乗せる奥行き
のことです。
踏み面が狭いと、
足先しか乗らず、
転倒しやすくなります。
シニア世代では、
27〜30cm程度
あると安心です。
蹴上とは?
蹴上とは、
1段の高さ
をいいます。
段差が高いほど、
膝を大きく上げる必要があります。
おすすめは、
16〜17cm程度
です。
これなら、
無理なく昇り降りできます。
「黄金比率」とは?
昔から、
歩きやすい階段の目安として、
2×蹴上+踏み面=60〜65cm
という考え方があります。
例えば、
- 蹴上17cm
- 踏み面29cm
なら、
17×2+29=63cm
となり、
歩きやすいバランスになります。
これは住宅設計でもよく参考にされる考え方です。
建築基準法との違い
建築基準法施行令では、
住宅の階段について最低基準が定められています。
しかし、
これは安全性を確保するための最低限の寸法です。
シニア世代では、
法令ぎりぎりではなく、
余裕を持った寸法がおすすめです。
手すりも重要
階段では、
手すりも欠かせません。
おすすめは、
- 両側へ設置
- 高さ75〜85cm程度
- 始まりと終わりを30cm程度延長
です。
将来、
片側の手しか使えなくなった場合にも安心です。
階段幅は?
おすすめは、
有効幅90cm程度
です。
介助者と一緒に利用する場合や、
将来手すりを設置することも考えると、
余裕のある幅がおすすめです。
1階完結型もおすすめ
将来を考えるなら、
2階建てでも、
- 寝室
- トイレ
- 洗面所
- 浴室
を1階へ配置する
1階完結型
がおすすめです。
高齢になってからは、
階段を使わず生活できます。
高性能住宅と組み合わせる
階段だけではなく、
住宅性能も重要です。
おすすめは、
- 耐震等級3(許容応力度計算)
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル・UA値0.46以下が目安)
- 気密測定によるC値1.0以下(できれば0.7以下)
- 第一種熱交換換気(熱交換率90%前後)
さらに、
階段には
- 足元灯
- 人感センサー照明
を設置すると、
夜間も安心です。
法律・制度の根拠
住宅の階段は、
建築基準法施行令第23条で最低基準が定められています。
また、
高齢者向け住宅については、
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)
や、
国土交通省「住宅設計標準」
が参考になります。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県で建て替えをされるシニア世代のお客様には、
私たちは、
「法律を満たす階段」ではなく、「80歳でも安心して昇り降りできる階段」
をご提案しています。
おすすめは、
- 踏み面27〜30cm
- 蹴上16〜17cm
- 両側手すり
- 足元灯
- 1階完結型の間取り
です。
さらに、
- 耐震等級3
- 断熱等性能等級6
- 高気密住宅(C値0.7以下を目標)
を組み合わせることで、
長く安心して暮らせる住まいになります。
階段は毎日使う設備です。
わずか数センチの違いが、10年後・20年後の安全性を大きく左右します。
建て替えでは、「今の足腰」ではなく、将来も安心して昇り降りできる寸法を基準に設計することが大切です。










