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解体費は100万〜200万円で足りますか? 建て替え前に確認したい追加費用の中身

解体費を「古い木造住宅なら100万〜200万円」と固定して資金計画に入れるのは危険です。建物の大きさと構造、道路の幅、隣家との距離、石綿の有無、残すものと撤去するものによって工事が変わります。見積もりの安さより、どこまで終えた状態で新築工事に引き渡されるかを確かめてください。

追加費用が出たからといって、すべてが不当とは限りません。契約前に調べられることを説明せずに別料金にする場合と、地中など事前には確認できなかった条件が判明した場合を分けます。シニアの建て替えでは、後から退職金を足す前提にせず、調査と予算の余白を最初から確保することが大切です。

建物本体を壊す費用と、敷地を整える費用

見積書では、母屋、物置、車庫、ブロック塀、門、庭木、庭石、土間コンクリートなどを図面や写真と対応させます。全部を壊すつもりでも、業者側が母屋だけを対象としていれば金額が違います。「解体一式」という見出しだけで契約しないでください。

敷地の境界付近にある塀は、自分だけの所有物かも確認します。隣地との高低差を支える構造物まで、古いからという理由で撤去できるとは限りません。新しい家の配置と外構計画を解体業者に伝え、どこを残し、どの高さまで仕上げるかを住宅会社と共有します。

建物を取り壊しても、以前の基礎、古い配管、井戸、浄化槽、埋設された廃材などが問題になる場合があります。分かっているものは契約前に伝えます。見つかるか分からない項目は、発見時の写真、数量確認、処分方法、追加見積もりの手順まで決めておきましょう。

石綿の調査と除去を、後回しにしない

解体や改修に先立って、工事対象部分の材料に石綿が含まれるかを調べる必要があります。厚生労働省は規模の大小によらない事前調査と、建築物について一定の資格者による調査などを案内しています。「小さな家だから調べなくていい」「見た目ではなさそう」で済ませる説明は受け入れないことです。[42]

見積もりでは、書類と目視の調査、必要な分析、調査結果に応じた作業、廃棄物の処理を分けて説明してもらいます。調査費が入っていても、除去や処分まで含まれているとは限りません。未調査なら、何をいつ調べると金額が確定するのかを契約前に聞きます。

一方、古い家に石綿があれば家全体が同じ工法になる、とも限りません。使われた材料、部位、状態、作業方法で必要な措置が変わります。施主が自分で剥がして処分費を減らそうとせず、調査結果と適切な工事内容を確認してください。安さの比較には、必要な作業を省いていないかという視点が欠かせません。

道路と暮らしの条件で、同じ面積でも差が出る

大型の重機や車両が敷地へ入れない場合は、搬出方法や作業時間が変わります。道路幅だけでなく、曲がり角、電線、作業中に車を置ける場所も現地で見てもらいます。「坪数から概算しました」という初期見積もりを、そのまま確定金額と受け取らないことです。

隣家が近ければ、養生や安全確保、作業時間への配慮も必要です。工事前に隣家の状態を記録するか、連絡窓口を誰にするか、万一の損害に備える保険はどうなっているかを聞きます。近隣対応をすべて高齢の施主に任せる契約では、費用以外の負担も大きくなります。

電気、ガス、水道の停止や撤去、電話や通信設備、借りている機器の返却も整理します。解体のために止めるものと、新築工事で仮設利用するものは担当者と確認します。施主が全部解約した後に工事用の設備を作り直すなど、連絡の行き違いによる費用を防ぎましょう。

金額を足す順番を、契約前に見える形にする

仮に、建物本体の解体180万円、事前調査10万円、塀や樹木などの撤去30万円、家の中に残った物の処分20万円とすると、税込の総額は240万円です。これは相場ではなく内訳の例で、広告の180万円だけを予算にすると60万円足りないことを示しています。

さらに、調査後に必要となる石綿対策や、地中の状況に応じた費用は、確定済みの総額と分けて示してもらいます。「予備費50万円があるから問題ない」では、何を想定した余白か分かりません。発生しやすさ、調査できる時期、追加が大きい場合の対応を聞きます。

家財の処分を解体業者が手配する場合には、家庭から出る廃棄物を誰が回収するかも確認します。環境省は、市区町村の許可や委託などがない回収業者へ家庭の廃棄物を渡さないよう案内しています。工事ができる会社だから家庭ごみもそのまま回収できる、と判断しないでください。[43]

見積もりの比較は、二社とも同じ現地と撤去範囲を確認した後に行います。合計だけでなく、除外項目、処分先、仕上げる地盤面、追加精算の単価や根拠を並べます。見えている条件が違う二つの見積もりでは、高い方が割高なのか、範囲が広いのか判別できません。

追加工事の承認と、新築への引継ぎを決める

追加の必要が分かったときには、緊急の安全確保が必要な場合を別にして、着手前に内容と費用を書面で確認する手順を決めます。「出てきたので全部やっておきました」では予算を調整できません。写真、測定した数量、見積もり、承認の記録を残すことで話し合いやすくなります。

解体後の確認には、住宅会社も関わる段取りを取ります。地盤調査や新築基礎の計画に影響するもの、残した配管、撤去範囲を引き継ぎます。業者を分けて発注する場合には、施主がすべての連絡を担えるかも考えてください。安く発注できても、責任の境目が曖昧なら負担が残ります。

建物の取壊しに伴う届出や登記も、工事費と別に確認します。甲斐市は家屋滅失の届出と、登記がある家屋について法務局での滅失手続を案内しています。見積もりに含む代行業務、施主が準備する資料、完了後に受け取る書類まで決めておくと、工事後の抜けを防げます。[44]

支払時期も資金表へ入れます。解体代金が新築の住宅ローンの入金前に必要なら、手元から出すのか、借入れの対象にできるのかを確認します。工事費の合計が予算内でも、支払日に現金が不足することがあります。工事の進み方と代金の流れを一緒に説明してもらいましょう。

住宅会社には「解体後、すぐ新築工事へ引き継げる状態までの費用を示してください。未確定項目は、調査方法と追加承認の手順を教えてください」と聞きましょう。解体は新築の前座ではありません。最初に条件を揃えておくことが、退職金からの予想外の持ち出しを防ぐ方法です。

 

 

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