私なら絶対に確認することとは?
契約前に、価格・性能・保証を「言葉」ではなく「書類」で確認します
質問
住宅会社を比較していますが、価格、性能、設備など確認する項目が多く、何を信用すればよいか分かりません。
住宅会社の経営者であるあなた自身が家を建てるなら、契約前に何を確認しますか?
回答
私なら、営業担当者の人柄やモデルハウスの豪華さより、次の7項目を確認します。
- 最終的に支払う総額
- 地震に対する構造計算
- 断熱・気密・換気の実測性能
- 窓と太陽光を含めた実際の仕様
- 建築中の検査と完成保証
- 建築後の修繕費と保証条件
- 住宅会社の経営状態
家づくりで最も危険なのは、「大丈夫です」という言葉だけで契約することです。
私は、
- 見積書
- 仕様書
- 構造計算書
- 住宅性能評価書
- UA値計算書
- 気密測定報告書
- 換気計画図
- 保証書
- 検査記録
で確認します。
住宅会社の説明ではなく、契約後にも残る数字と書類を確認する。
それが、私なら絶対に行うことです。
1|「坪単価」ではなく最終総額を確認する
私が最初に確認するのは、建物本体価格でも坪単価でもありません。
実際に入居できる状態までの総額です。
住宅広告の価格には、次の費用が含まれていないことがあります。
- 屋外給排水工事
- 仮設工事
- 地盤改良工事
- 建築確認申請
- 設計費
- 構造計算費
- 住宅性能評価
- 長期優良住宅申請
- 照明
- カーテン
- エアコン
- 外構
- 登記
- 住宅ローン手数料
- 火災・地震保険
- 水道加入金
- 消費税
建て替えの場合は、さらに、
- 解体工事
- アスベスト調査・除去
- 仮住まい
- 往復の引越し
- 荷物保管
- 滅失登記
- 既存配管の撤去
- 名義整理
などが必要になります。
「建物1,800万円」と表示されていても、最終総額が2,600万円になるなら、家計にとって重要なのは2,600万円です。
「コミコミ」「フル装備」という言葉も信用しない
コミコミ価格と表示されていても、何が含まれているかは会社によって異なります。
私なら、
「この見積り以外に、入居までに必要になる費用をすべて書き出してください」
と依頼します。
さらに、
- 含まれているもの
- 含まれていないもの
- 金額が未確定なもの
- 将来追加になる可能性があるもの
を分けてもらいます。
「付帯工事一式」「諸経費一式」と書かれているだけでは、内容を確認できません。
国土交通省の資料でも、不明瞭な「一式工事」や追加工事の確認が重要とされています。国土交通省「契約前に確認すべきこと」
2|契約後に増える金額を確認する
契約時の金額が安くても、契約後に追加費用が増えれば意味がありません。
私なら、契約前に次の質問をします。
- 地盤改良費はいくら見込んでいるか
- 水道引込み費は確定しているか
- 外構予算はいくら入っているか
- 照明・カーテン・エアコンは含まれるか
- 標準から変更した場合の差額表があるか
- 契約後に追加になりやすい項目は何か
- 追加工事は着工前に金額承認するか
- 値上がり時の負担は誰がするか
特に注意したいのが、見積書へ少ない予算しか入れない方法です。
例えば外構工事へ100万円と記載されていても、希望内容を実現するには300万円必要なら、契約後に200万円増えます。
見積りへ金額が入っていることと、その金額で希望工事が完成することは別です。
「予算取り」を確定金額だと思わない
見積書に、
- 地盤改良予算
- 外構予算
- 照明予算
- カーテン予算
- 水道工事予算
と書かれている場合は、確定金額ではない可能性があります。
予算を超えた場合に誰が負担するのか、余った場合に返金されるのかを確認してください。
私は、契約前に確定できるものは可能な限り確定させます。
安い見積りより、増えない見積りを選びます。
3|住宅ローンの「借りられる額」ではなく返せる額を確認する
金融機関が融資してくれる金額と、家計が安全に返せる金額は同じではありません。
私なら、
- 現在の返済額
- 金利上昇後の返済額
- 教育費が最大になる時期
- 車の買い替え
- 固定資産税
- 火災・地震保険
- 光熱費
- 修繕費
- 退職時点の残高
- 完済年齢
- 老後資金
まで確認します。
50代・60代であれば、90歳までの資産推移も見ます。
毎月の住宅ローンを払えるだけでは不十分です。
病気、失業、収入減少、配偶者一人になった場合でも、家を失わずに暮らせるかを考えます。
頭金を入れた後の現金を確認する
「頭金をいくら出せますか」と聞かれても、預貯金の全額を答える必要はありません。
先に、
- 生活防衛資金
- 教育費
- 車の買い替え
- 医療・介護費
- 入居後の家具・家電
- 将来の修繕費
を確保します。
そのうえで余る金額を頭金へ充てます。
家を買えるかではなく、家を買った後も生きられるかを確認します。
4|耐震等級3を正式に取得するか確認する
私なら、「耐震等級3相当」では契約しません。
確認するのは、
- 正式な耐震等級3を取得するか
- どの書類で証明するか
- 第三者機関が評価するか
- 構造計算方法は何か
- 基礎まで計算するか
- 太陽光パネルの重量を入れるか
- 積雪荷重を入れるか
- 間取り変更後に再計算するか
です。
「当社は今まで地震で倒壊していません」という説明は、これから建てる住宅の性能証明にはなりません。
許容応力度計算か確認する
耐震等級3という数字だけでなく、どの方法で構造を確認しているかを見ます。
私なら、許容応力度計算によって、
- 柱
- 梁
- 耐力壁
- 床
- 屋根
- 接合部
- 基礎
- 建物重量
- 風圧力
- 積雪荷重
まで確認します。
大開口、吹き抜け、太陽光パネル、重い屋根がある住宅では、建物ごとの力の流れを確認することが重要です。
5|制震装置の有無と根拠を確認する
耐震は、地震力に耐えるための構造です。
制震は、揺れのエネルギーを吸収するための仕組みです。
私なら耐震等級3を基本とし、その上で制震装置を検討します。
確認するのは、
- 製品名
- 配置
- 設置本数
- どのように効果を確認するか
- 繰り返し地震への対応
- 保証
- 将来の点検
です。
制震装置を付けたから耐震等級1でよい、という説明は受け入れません。
耐震を削って制震で補うのではなく、耐震等級3へ制震を加えます。
6|断熱等級とUA値を確認する
「高断熱です」という言葉だけでは判断できません。
私なら、
- 断熱等級
- UA値
- 地域区分
- 断熱材の種類
- 厚さ
- 施工方法
- 基礎・床の断熱
- 屋根・天井の断熱
- 熱橋対策
- 防湿層
を確認します。
UA値は住宅全体の平均的な熱の逃げやすさを示す重要な数値です。
ただし、UA値だけで住み心地がすべて決まるわけではありません。
断熱欠損、窓、気密、換気、日射、冷暖房計画まで確認する必要があります。
7|全棟で気密測定をするか確認する
私なら、気密測定をしない住宅会社は選びません。
気密性能は、設計図やカタログでは分かりません。
完成した一棟ごとに測定して初めて確認できます。
私なら次の内容を契約前に決めます。
- 全棟測定するか
- 測定時期
- 目標C値
- 測定結果の提出
- 目標を超えた場合の補修
- 再測定の有無
「高気密仕様」「気密に配慮」という表現では不十分です。
測定しないC値は、性能ではなく希望です。
8|換気方式と完成後の風量を確認する
24時間換気設備は、付いていればよいものではありません。
私なら、
- 第一種・第三種のどちらか
- 熱交換機能
- 熱回収率
- 温度交換効率
- 有効換気量率
- 消費電力
- ダクト経路
- 本体の交換方法
- フィルター費用
- 完成後の風量測定
を確認します。
熱交換率が高くても、住宅の気密性能が低く、熱交換器を通らない空気が多ければ、本来の性能を発揮できません。
また、設計図に換気量が記載されていても、完成後に各部屋で必要量が出ているとは限りません。
換気設備の名称ではなく、必要な空気が実際に動いているかを確認します。
9|窓の枠・ガラス・方位を確認する
窓は、「樹脂サッシ」「ペアガラス」という名前だけでは選びません。
私なら、
- サッシ枠
- ガラス枚数
- Low-E膜
- 日射取得型・遮蔽型
- アルゴンガス
- スペーサー
- 窓全体の熱貫流率
- 日射熱取得率
- 方位
- 窓面積
- 開閉方式
- 日射遮蔽
を確認します。
甲府盆地では、冬の冷え込みと夏の強い日射の両方を考える必要があります。
樹脂サッシは断熱性に優れますが、「樹脂だからどの条件でも万全」とは考えません。
西日、濃色枠、大型窓、ガラス重量、施工状態なども見ます。
窓ごとに、断熱性、耐候性、操作性、価格のバランスを確認します。
10|太陽光発電の容量と構造への影響を確認する
太陽光発電は、単に何kW載るかだけでは判断しません。
私なら、
- 搭載容量
- 年間発電量の試算
- 方位と屋根勾配
- 周辺建物による影
- 自家消費率
- 売電単価に依存しない収支
- パワーコンディショナー交換費
- 屋根工事時の脱着費
- 廃棄費
- 停電時の使用方法
- 構造計算への重量反映
を確認します。
太陽光パネルを後から追加する場合でも、建築時の構造計算へ重量を入れておくべきです。
売電収入だけを見ず、光熱費削減と災害時の電力確保で評価します。
11|第三者検査の内容を確認する
住宅会社の現場監督だけでなく、第三者がどの工程で何を確認するのかを見ます。
私なら、
- 基礎配筋
- コンクリート
- 構造躯体
- 耐力壁
- 接合金物
- 防水
- 断熱
- 気密
- 完成時
の検査内容を確認します。
「第三者検査があります」という説明だけでは不十分です。
検査会社名、検査回数、検査項目、不合格時の是正方法、報告書の交付を確認します。
設計住宅性能評価は図面上の確認、建設住宅性能評価は施工が設計図書に従っているかの確認です。
どちらを取得するのかも明確にします。
12|完成保証を確認する
住宅会社が工事中に倒産すると、
- 工事が止まる
- 支払済み資金が戻らない
- 他社へ引き継ぐ費用が増える
- 仮住まい期間が延びる
- 住宅ローンと家賃が重なる
可能性があります。
瑕疵保険は、完成後の一定の瑕疵へ備える制度です。
建築中の住宅会社倒産を補う完成保証とは役割が違います。
私なら、
- 完成保証へ加入するか
- 保証会社はどこか
- 保証限度額
- 追加費用の扱い
- 支払条件
- 工事引継ぎの方法
- 保証書の発行時期
を確認します。
「うちは倒産しません」は保証ではありません。
倒産しないという言葉ではなく、倒産しても完成する仕組みを確認します。
13|支払い時期を確認する
住宅会社の資金繰りが厳しい場合、工事の進捗より先に多額の支払いを求めることがあります。
私なら、
- 契約金
- 着工金
- 上棟金
- 中間金
- 完成金
の割合と時期を確認します。
支払額が実際の工事出来高より大きく先行していないかを見ます。
着工前や工事初期に大部分を支払う契約には慎重になります。
完成保証へ加入していても、保証対象外や限度額があるため、支払条件そのものを安全にする必要があります。
14|住宅会社の経営状態を確認する
住宅会社のデザインや性能がよくても、完成前に倒産すれば家は完成しません。
私なら、
- 建設業許可
- 宅地建物取引業免許
- 会社の設立年
- 施工実績
- 決算状況
- 自己資本
- 借入状況
- 税金・社会保険の滞納
- 協力会社への支払状況
- 短期間での大幅値引き
- 異常な前払い要求
を可能な範囲で確認します。
危険信号は、
- 今月中だけの大幅値引き
- 契約を異常に急がせる
- 着工前に多額の入金を求める
- 工事が複数現場で止まっている
- 担当者や業者が頻繁に変わる
- 決算書を一切説明しない
といった行動に表れることがあります。
15|保証期間ではなく保証条件を確認する
「60年保証」と表示されていても、60年間すべてを無料修理するという意味ではない場合があります。
私なら、
- 何を保証するのか
- 無料保証は何年間か
- 有料点検が必要か
- 指定工事が条件か
- 住宅会社以外で修繕すると失効するか
- 防水・構造・設備で期間が違うか
- 住宅会社が倒産した場合どうなるか
- 保証の更新費はいくらか
を確認します。
保証年数の長さではなく、20年・30年間に必要になる点検と修繕の総額を見ます。
16|メンテナンス計画を実行できるか確認する
長期優良住宅や長期保証があっても、計画どおりに点検・修繕しなければ家は守れません。
私なら、
- 外壁
- 屋根
- シーリング
- 防水
- 給湯器
- 換気設備
- エアコン
- 太陽光発電
- パワーコンディショナー
- 蓄電池
について、10年、20年、30年後の交換費を確認します。
「メンテナンスフリー」という言葉は信用しません。
交換頻度が少ない材料はあっても、何十年間も点検も修繕も不要な住宅はありません。
17|住宅会社がなくなった後に残る書類を確認する
住宅会社が30年後も存在している保証はありません。
だからこそ、住宅会社へ聞かなければ分からない家にしてはいけません。
私なら引渡し時に、
- 確認申請図書
- 検査済証
- 構造計算書
- 基礎伏図
- 金物図
- UA値計算書
- 気密測定報告書
- 換気計画図
- 住宅性能評価書
- 長期優良住宅認定書
- 施工写真
- 設備説明書
- 保証書
- 点検記録
を受け取ります。
住宅履歴情報は、建築時の図面や性能、点検、修繕、リフォームなどの記録です。将来の維持管理や売買でも活用できます。国土交通省「住宅履歴情報とは」
会社がなくなっても、別の建築士や工務店が家の内容を確認できる状態にします。
18|土地の安全性と将来性を確認する
建物が高性能でも、土地に問題があれば安心できません。
私なら、
- 洪水
- 内水
- 土砂災害
- 液状化
- 盛土・切土
- 擁壁
- 地盤
- 前面道路
- 上下水道
- 越境
- 境界
- 再建築
- 市街化調整区域
- 将来の売却需要
を確認します。
「安い土地」には、安い理由がある場合があります。
造成、水道、擁壁、地盤改良へ費用がかかれば、土地価格が安くても総額は高くなります。
車を手放した後でも、買い物、通院、公共交通を利用できるかも確認します。
19|補助金なしでも建てられるか確認する
補助金は有効に利用するべきです。
しかし、
- 予算がなくなる
- 申請が間に合わない
- 性能条件を満たさない
- 書類不足
- 他制度と併用できない
などにより、受け取れない可能性があります。
私なら、補助金を含めない金額でも家計が成立するかを確認します。
補助金を受け取れた場合は、家具や設備の追加へ使い切るのではなく、手元資金や将来の繰上返済、修繕費へ回します。
補助金がないと建てられない家は、最初から予算オーバーです。
20|値引きの原資を確認する
突然300万円値引きできる住宅会社には、なぜ最初からその金額ではなかったのかを聞きます。
大幅値引きの原資は、
- 最初から上乗せされていた利益
- 仕様変更
- 工事内容の削減
- 外構や付帯工事の予算不足
- 下請業者への圧縮
- 契約後の追加工事
かもしれません。
値引き額の大きさではなく、値引き後に何が変わったかを確認します。
300万円の値引きより、契約後に300万円増えない見積りの方が価値があります。
私なら契約前に書面でもらう25項目
- 入居までの総額
- 見積りに含まれない費用
- 追加工事の単価と承認方法
- 地盤改良費の扱い
- 正式な耐震等級3
- 構造計算方法
- 構造計算書
- 制震装置の仕様
- 断熱等級
- UA値
- 断熱材の種類と厚さ
- 窓の枠・ガラス・ガス層
- 全棟気密測定
- 目標C値
- 換気方式と熱回収率
- 太陽光発電容量
- 第三者検査の内容
- 完成保証
- 支払い時期
- 瑕疵保険
- 保証条件
- 定期点検
- 30年間の修繕計画
- 引渡し時にもらえる書類
- 契約解除・工期遅延時の条件
口頭ではなく、見積書、仕様書、契約書、設計図書へ記載してもらいます。
デザインハウス甲府の考え方
私たちは、お客様へ「大丈夫です」と言うだけでは不十分だと考えています。
そのため、
- 付帯工事・申請費用・消費税を含む総額表示
- 全棟完成保証
- 正式な耐震等級3
- 許容応力度計算
- 制震装置evoltz
- 長期優良住宅
- 断熱等級6
- UA値0.46以下
- 全棟気密測定
- C値0.7以下
- 第一種熱交換換気
- Low-E複層ガラス
- アルゴンガス
- 太陽光発電8kW以上
を基本にしています。
ただし、この仕様名を並べるだけで高性能住宅になるわけではありません。
構造は計算する。
気密は測定する。
換気は動かす。
保証は書面で残す。
価格は総額で出す。
そこまで行って初めて、お客様が比較できる住宅になります。
まとめ
私なら、住宅会社を雰囲気や営業担当者の人柄だけで選びません。
絶対に確認するのは、
- 最終総額
- 追加費用
- 資金計画
- 耐震等級
- 構造計算
- 断熱性能
- 気密測定
- 換気
- 窓
- 太陽光
- 第三者検査
- 完成保証
- 支払い条件
- 経営状態
- 保証と修繕費
- 引渡し書類
です。
住宅会社の営業担当者が誠実でも、その人が30年間担当してくれるとは限りません。
会社そのものが30年後も存在している保証もありません。
だからこそ、
人を信用するな、という意味ではありません。
人を信用したうえで、数字と書類を残すことが必要です。
「大丈夫です」は証明ではありません。
「標準です」は契約内容ではありません。
「コミコミです」は総額とは限りません。
私なら、聞いて安心するのではなく、
書類を見て確認できる住宅会社と契約します。










