源泉徴収票の年収と、銀行が見る年収は同じ?
結論 :源泉徴収票の数字がそのまま使われるとは限らない
A 源泉徴収票の支払金額は重要な収入資料ですが、その金額をすべての銀行が同じ方法で審査年収に使うとは限りません。申込時期、転職、休業、複数の勤務先、副業等によって、対象年度や追加資料の扱いが変わります。手取り額や給与所得控除後の金額と混同しないようにしてください。
フラット35でも、給与収入のみの人とそれ以外の人では、公的証明書で確認する金額の説明が異なります。これは一つの制度の取扱いであり、民間ローンへそのまま当てはめるものではありません。申込書の年収欄を入力する前に、どの書類のどの欄かを申込先へ確認しましょう。
年収の認定は、資料に書かれた一つの数字だけでなく、商品が定める対象年や収入区分によります。源泉徴収票を見て営業担当が計算した額を、銀行の確定額と扱わないことです。前年の給与、現在の契約、申込時の働き方に変化があれば説明します。「採用する金額」「その根拠資料」「追加確認事項」を銀行から聞き、借入試算の前提欄に残します。
額面と手取りと所得を区別する
給与の支払金額は、税金や社会保険等を引く前の収入を表す数字です。口座の振込額は控除後の金額で、審査資料の年収と同じではありません。さらに「給与所得控除後の金額」も別の欄なので、「年収600万円」と「所得600万円」を同じものとして申告しないでください。
家計を組むときは手取りが大切ですが、審査で使う額は銀行の指定に従います。書類の写真へ丸を付けて担当者へ確認すると、言葉だけでの取り違えを減らせます。証明書と申込欄の不一致に気づいたら、そのまま本審査へ進めず、訂正の方法と追加説明の要否を聞きましょう。
源泉徴収票の支払金額、給与所得控除後の金額、所得控除の合計、振込後の手取りは、それぞれ意味が違います。仮定例として額面年収600万円でも、手取りが月換算で同じ50万円になるわけではありません。審査用の収入と、生活費を払う手取りを別の列にします。税や社会保険、賞与月の入金を把握し、毎月返済の予算を額面だけで作らないようにします。
転職や休業がある年の証明方法を確認する
前年の途中で転職した場合、一社の源泉徴収票だけでは通年の働き方が読み取れないことがあります。前職分が合算されているか、転職後の給与明細等が必要かを確認します。受け取った複数の票を無条件に足すと、既に合算済みの収入を二重に計上してしまうおそれもあります。
育休等で前年の収入が低い場合は、休業前の資料や復職予定の確認を求める商品もあります。逆に、前年は通常勤務でも今後時短になるなら、その変化も説明してください。過去の証明と現在の雇用条件を両方そろえることで、実態に合った相談ができます。資料を出せば必ず希望額になるとは限りません。
転職直後などで通年の資料がない場合、必要な給与明細、勤務先の証明、雇用条件等を申込先へ聞きます。短期間の実績を年換算する取扱いがあるとしても、どの銀行でも同じ算定ではありません。試用期間、歩合、休業の期間も伝えます。銀行が求める証明を勤務先へ依頼するときは、何をいつまでに証明するのかを具体化し、架空の予定を記載しないことです。
賞与や一時的な収入を分ける
前年の年収に、特別賞与、多額の残業、転職に伴う精算等が含まれる場合は、通常年と違う理由を整理します。銀行が採用する年収が高くても、その金額が今後も続くとは限りません。審査上の計算方法と、家族が返済に使える安定した収入を別々に考えることが重要です。
仮に通常年500万円、特別賞与があった年だけ600万円なら、家計は二つの年収で比べます。借入額を決めるための仮定として、賞与が減っても毎月の返済、税金、生活費を払えるかを確認してください。高い年の証明書が出たことを理由に、住宅の予算を自動的に100万円分上げる考え方は避けましょう。
一時的な特別賞与や繁忙期の残業で年収が高い場合、その年の数字と通常年の収入を分けます。仮定例で特別賞与100万円を含む年収700万円なら、翌年も700万円として家計を組むと、差額の影響を見落とします。銀行がどこまで採用するかとは別に、生活側では継続しやすい収入で返済を計画し、臨時収入は予備資金等への使い方も考えます。
副業と申告資料の関係を確かめる
複数の勤務先や事業収入がある人は、源泉徴収票だけで申告が完結しない場合があります。確定申告書、公的な課税証明、必要経費等の資料を銀行の指定に沿って準備します。入金額の合計がそのまま審査年収になるとは考えず、収入の種類と継続性を説明してください。
税務の申告方法に疑問があれば税理士や税務署へ確認し、住宅ローン向けに都合のよい分類へ変えることはしません。銀行へ提出した収入と正式な申告内容が食い違うと、追加確認や訂正が必要になります。原本の金額を書き換えるのではなく、正しい資料と補足説明で実態を伝えましょう。
給与と副業がある場合、源泉徴収票の合計をそのまま認定年収とせず、確定申告、公的証明、経費等との関係を銀行へ確認します。申告が必要かどうかは税の制度で別に判断します。審査向けに収入だけを示し、対応する経費や損失を抜かないことです。税務上の数字に疑問がある場合は税務署や税理士へ確認し、正しい資料を使うことが準備の前提になります。
相談では対象年度と計算根拠を聞く
金融機関には「何年の収入を使うか」「源泉徴収票のどの金額を入力するか」「今年の変更にどの資料が必要か」を聞きます。申込額を試算するときも、銀行が認める見込み年収と、手取りで作った家計表を並べると、借入可能額と返済余力の違いを理解しやすくなります。
住宅会社から年収だけ聞かれたら、本人の了承の範囲で概要を伝え、詳細な認定方法は金融機関へ直接確認してください。年収の欄を正しく理解することは、借入を増やすための小技ではありません。過大な申告と過大な予算の両方を防ぎ、完成後も支払いを続けるための準備です。
証明書の年度と、収入が発生した年も明記します。「最新年度のもの」という言葉だけでは、対象となる所得の年を取り違える場合があります。銀行へ年号と収入の期間を示して確認し、源泉徴収票と公的証明書が同じ期間を説明する組合せになっているかを確かめてください。
説明を受けたら、対象年、資料の欄、認定額、未確定の部分を記録します。本人の理解と銀行の試算が違えば、その場で理由を聞きます。返済予算は別途、現在と収入減少時の手取りで作ります。住宅会社へ共有する際も「銀行の正式確認前の仮定額」と明示すると、仮の借入可能額が独り歩きし、予算以上の土地や建物を先に契約することを防げます。
関連URL
1 住宅金融支援機構 フラット35のご利用条件
給与収入とそれ以外の所得の扱いを確認できます。源泉徴収票の年収と認定収入を整理するための基準例です。
https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions/index.html
2 三菱UFJ銀行 住宅ローンの必要書類
源泉徴収票、確定申告書等の提出資料を確認できます。認定額の根拠となる年度と欄を聞く際に使います。
https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/soudan/shorui_form/index.html










