樹脂サッシとは?窓枠だけで選んではいけない
樹脂サッシとは、塩化ビニル樹脂など、熱を伝えにくい材料を主な窓枠に使用したサッシです。
一般的なアルミサッシより枠から熱が出入りしにくく、冬の窓際の寒さや室内側表面の結露を抑えるうえで有利です。
ただし、「樹脂サッシなら必ず暖かい」「樹脂サッシなら結露しない」というわけではありません。
窓の性能は、枠だけでなく、ガラス、スペーサー、中空層、封入ガス、窓の大きさ、開閉方式などを含めた窓全体で決まります。
住宅会社を比較するときは、「樹脂サッシですか」だけでなく、採用する窓の商品と窓全体の熱貫流率を確認することが重要です。
サッシとは窓の枠部分
窓は、大きく分けてサッシ枠とガラスで構成されています。
サッシは、ガラスを支え、窓を開閉するための枠や障子部分です。
住宅用サッシには、主に次の種類があります。
- アルミサッシ
- アルミ樹脂複合サッシ
- 樹脂サッシ
- 木製サッシ
同じLow-E複層ガラスを使っていても、枠の材質や構造が違えば、窓全体の断熱性能は変わります。
ガラスだけを見て「Low-Eだから高性能」と判断してはいけません。
樹脂サッシはなぜ熱を伝えにくいのか
アルミは、軽く、強度があり、加工しやすい材料です。
一方で熱を伝えやすいため、冬には外気の冷たさが室内側の枠へ伝わりやすくなります。
樹脂はアルミより熱を伝えにくいため、室内側の枠表面が冷えにくく、窓からの熱損失を抑えやすくなります。
窓際の寒さには、ガラス面やサッシ表面の温度が影響します。
室温が同じでも、冷たい窓の近くでは身体から熱が奪われ、寒く感じることがあります。
また、窓の近くで冷やされた空気が床方向へ流れる「コールドドラフト」が起きると、足元の寒さにつながります。
本当に暖かい家とは?でも、表面温度と体感温度の関係を解説しています。
アルミ樹脂複合サッシとの違い
アルミ樹脂複合サッシは、一般的に屋外側へアルミ、室内側へ樹脂を使用した窓です。
屋外側にはアルミの強度や耐候性を生かし、室内側には樹脂を使用して断熱性の向上と結露の軽減を図ります。
樹脂サッシと比べると、一般的には断熱性能で差が出る場合がありますが、製品によって性能は異なります。
「樹脂だから高性能」「複合だから低性能」と材質名だけで判断することはできません。
アルミ樹脂複合サッシでも、高性能なLow-E複層ガラスや中空層との組み合わせによって、住宅全体で必要な断熱性能を確保できる場合があります。
反対に、樹脂サッシでも、ガラスや窓の大きさ、設置方位が住宅に合っていなければ、その性能を十分に生かせません。
窓のU値を確認する
窓の断熱性能は、熱貫流率を示すU値で確認できます。
窓全体の熱貫流率は「Uw値」などと表され、数値が小さいほど熱を通しにくい窓です。
住宅会社には、枠の材質だけでなく、次の内容を確認してください。
- 窓全体の熱貫流率
- サッシ枠の材質
- ガラスが2枚か3枚か
- Low-E膜の種類
- 中空層の厚さ
- アルゴンガスなどの有無
- スペーサーの材質
- 引き違い窓か縦すべり出し窓か
製品名や型番が分かれば、メーカーの性能資料で確認できます。
「高性能サッシ」という曖昧な説明ではなく、実際に採用する窓の仕様を見積書や仕上表へ記載してもらいましょう。
ペアガラスとトリプルガラス
ペアガラスは2枚、トリプルガラスは3枚のガラスで構成されます。
一般的には、ガラス枚数と中空層が増えることで断熱性能を高めやすくなります。
ただし、トリプルガラスがすべての窓に必要とは限りません。
ガラスが増えると、価格や重量が上がり、製品によっては冬の日射取得量が変わります。
南側の窓では冬の日差しを取り込むことを重視し、北側や日射が期待できない窓では熱損失を抑えることを優先するなど、方位によって考え方を変える方法があります。
重要なのは、ペアかトリプルかという名称ではなく、窓全体のU値と日射熱取得率です。
Low-Eガラスの違いは、Low-Eガラスとは?をご覧ください。
樹脂サッシなら結露しないのか
樹脂サッシは室内側表面が冷えにくいため、アルミサッシより結露を抑えやすくなります。
しかし、結露を完全に防げるわけではありません。
結露は、室内温度、外気温、湿度、窓の表面温度、カーテンの状態、換気などによって発生します。
冬に過度な加湿を行う、室内干しの水分を十分に排出できない、厚いカーテンで窓付近の空気が動かないといった条件では、高性能な窓でも結露する可能性があります。
正確な表現は「結露しない窓」ではなく、表面温度を保ち、結露リスクを抑えやすい窓です。
窓が大きいほど良い家ではない
大きな窓は、明るさ、眺望、開放感を生みます。
一方で、同じ断熱性能なら、窓面積が大きいほど熱の出入りも増えます。
必要以上に大きな窓を設けると、冬の熱損失、夏の日射熱、冷暖房負荷などが増える可能性があります。
窓は、小さければよいわけでも、大きければよいわけでもありません。
採光、通風、眺望、家具配置、プライバシー、日射取得、日射遮蔽を考えて、必要な場所へ必要な大きさで設置することが重要です。
カタログの外観を優先して窓を並べるのではなく、敷地の方位と周辺環境に合わせて計画する必要があります。
窓の取り付け施工も重要
高性能な樹脂サッシを採用しても、窓と壁の取り合いに隙間があれば、そこから外気が侵入します。
サッシの商品性能と、住宅へ取り付けた状態の気密性能は別です。
窓まわりは、気密測定で漏気が見つかることがある重要な部分です。
住宅会社には、高性能サッシを使っているかだけでなく、窓まわりの気密処理と全棟気密測定を行っているか確認してください。
気密性能については、本当に良い気密住宅とは?でも解説しています。
樹脂サッシの注意点
樹脂サッシにも、確認すべき点があります。
- アルミ樹脂複合より価格が上がる場合がある
- 製品によって枠が太く見える
- 大きさや開閉方式に制約がある場合がある
- ガラス枚数によって窓が重くなる
- 色やデザインの選択肢が異なる
- 網戸や金物を含めた維持管理が必要
住宅会社には、樹脂サッシへ変更した場合の差額だけでなく、住宅全体のUA値や冷暖房負荷がどの程度変わるのかを確認してください。
性能向上の効果を示さず、「樹脂サッシは高級品です」と説明するだけでは比較できません。
デザインハウス甲府の窓計画
デザインハウス甲府では、サッシの材質名だけでなく、住宅全体の断熱性能と窓配置のバランスを重視しています。
基本となる考え方は次のとおりです。
- Low-E複層ガラス
- アルゴンガス入り
- アルミ樹脂複合サッシ
- 断熱等級6
- UA値0.46以下
- C値0.7以下
- 全棟で気密測定
- 方位に合わせた日射取得と遮蔽
樹脂サッシやトリプルガラスについても、地域、間取り、窓面積、予算を踏まえて検討します。
窓だけを最高仕様にするのではなく、住宅全体として必要な性能を確保することが重要です。
俺流ポイント
私なら、「樹脂サッシを使っています」という言葉だけでは住宅会社を選びません。
確認するのは、窓全体のU値、ガラス仕様、スペーサー、設置方位、窓面積、窓まわりの気密施工です。
樹脂サッシは、断熱性能を高める有力な選択肢です。
しかし、南も北も同じガラスにして、窓を必要以上に大きくし、気密測定もしないなら、本当に窓を理解した設計とはいえません。
反対に、アルミ樹脂複合サッシでも、住宅全体のUA値を確認し、窓の方位と大きさを適切に設計すれば、合理的な選択になります。
窓は、材質名で選ぶのではなく、住宅全体でどれだけ熱を逃がし、どれだけ日射を取り入れるかで選ぶものです。
山梨県甲府市・甲斐市周辺で樹脂サッシやアルミ樹脂複合サッシを比較している方には、窓単体の価格だけでなく、UA値、日射、気密性能まで含めて具体的にご説明します。










